京のにちじょうさはん ごこう

京都在住19年目の浜っ子の日記。其の弐。

余りに暑いので

2006年07月15日 | 京のつれづれ


山鉾町をいくつかそぞろ歩いたあとに、油天神山のお友達とご一緒に、お茶でもということで、四条京町屋さんの町屋茶房へ。
余りに暑くて、「抹茶クリームぜんざい」を一気にいただきました。
とにかく、暑すぎます。

お昼間においでになる皆様方、くれぐれも熱中症対策を。

人気の「かまきり」さん

2006年07月15日 | 京のつれづれ


かまきりと御所車の車輪が動くからくりが人気の蟷螂(とうろう)山。
巡行の際に山にのるほうのかまきりさんです。
宵山にはもうひとつのかまきりさんがのっています。

蟷螂山にこんな貼り紙が。

「おみくじ売りうた

 蟷螂山のおみくじは
 これよりでます

 つねはでません
 14日今(こん)みょうみょうばんばかり
 15日今みょうばんばかり
 16日今ばんばかり

 ごしんじんのおんかたさまは
 うけておかえりなされましょ
 おみくじどうですか
 ちまきどうですか」


油小路の天神さん

2006年07月15日 | 京のつれづれ


太子山を後にして、周辺の山鉾を見学しながら、新町通りを東へあるいていましたら、油天神山にお住まいのお友達にばったりお会いしました。
粽をいただけるというでの、また油天神山にもどりました。その道すがら、いろいろ山鉾町の裏話などを興味深く伺いました。

油天神山は、油小路にあり、朱塗りの社殿に天神像を安置してあることから、この名で呼ばれるそうです。
いただいた粽にも、天神さんにちなんで赤い梅の花がついてます。かわいいですね。

祇園祭と荷茶屋(にないちゃや)

2006年07月15日 | ミーハーがつくる喫茶文化史


それは菊水鉾に行った日の昼間の事でした。
外出までに少しばかり時間があったもので、家の本棚にあった平成6年4月に京都文化博物館で行われた『祇園祭大展』の図録をみておりました。
たぶんわたくしは、この展示を拝見したはずなのですが、いまとなってはほとんどその記憶がございません。ですから、かなり新鮮な気持ちで図録をめくっておりました。
すると、あるページのあるものに、目が「釘付け」になってしまったのです。
それは、太子山が所蔵しているという19世紀の荷茶屋の写真でした。

荷茶屋とは、可動式の茶屋のことです。細長い台形のふたつの箱の中に風呂釜や湯桶・茶碗などをはじめとする茶道具を入れ、これを天秤棒のように担いでお茶を振り歩くのです。

図録の解説文(熊倉功夫先生の文)には次のようなくだりがありました。

祇園会の茶の湯としては変わった趣向が試みられた。この主役はいわずとしれた荷い茶屋。太子山に保存される荷い茶屋は、半世紀ほど前には、鉾の巡行とともに供の人々に荷われて人々のどのをうるおしてきたのである。(204頁)

なんと、このとき荷茶屋が展示されていたのですね。この平成6年という年は、わたくしがお茶の研究をはじめる一年前の事。いまから思えばもったいないことに、会場で「荷茶屋」を見過ごしていたのかもしれません。

これはぜひとも太子山さんにいってお話を伺わないと。
ということで、本日断続的に雷雨が降るお昼過ぎに、太子山さんにいってまいりました。

町の方々にお伺いすると、確かに町でその荷茶屋は所持されているそうです。しかし残念ながら現在ではそのような習俗は継承されてはおりませんでした。また荷茶屋自体が貴重なものなので、きょうも町の蔵(円山公園の蔵)に保管されているそうです。

もともと茶屋は、神社の神職・御子(巫女)や寺院の僧侶出身者が行うもの(商うもの)でした。
いままでの研究では、茶屋で茶を飲むということは、単に参詣者が喉の渇きを癒すためである、と説明されてきました。でもわたくしは、茶を飲むこと自体、特に寺社門前の茶屋でお茶を飲むことには、もっと宗教的な意味あいがあるものとみています。
(ちょっといまはこれ以上詳しくは書けずにごめんなさい。はやく論文を書きますね(大汗)

それに、祇園祭の山鉾が「ご神体」をおまつりしているところから、山や鉾ひとつひつとを神社や寺院に準じる存在とみることができるかと思います。
山鉾町の町衆も、お祭りの期間は、寺社の神職や僧侶に準じる存在であるとみることができるかと思います。長刀鉾のお稚児さんなどは、その好例ですよね。

するとわざわざその山鉾町が管理していたという「荷茶屋」は、本当に「変わった趣向」のものであったり、単に「のど渇きを癒すため」だけのものなのでしょうか。
祇園祭のなかで、町の管理する「荷茶屋」でお茶を提供することにも、何らかの宗教的意味合いが含まれていたのではないかと推測出来るかと存じます。

このように祇園祭の山鉾町とお茶との間にも、浅からぬ関係があったことがぼんやりと浮かび上がってきました。さあて、もっと勉強しなくっちゃ。


関連する祇園社大政所門前の茶屋についてはこちらをご参照ください。