京のにちじょうさはん ごこう

京都在住19年目の浜っ子の日記。其の弐。

祇園祭とお茶

2006年07月27日 | ミーハーがつくる喫茶文化史


京都新聞朝刊で、このところ日興コーディアル証券の京都支店が京都新聞社の「祇園祭支援キャンペーン」協賛企画として、支店長さんと祇園祭に深く関わる方たがとの対談を載せてはります。

少し前には、今年のお稚児さんのお祖母様にあたる「本家八つ橋西尾」さんの社長さんがお出になっていて、西尾さんのご先祖様が、熊野神社から、聖護院、黒谷金戒光明寺に至る参詣道沿いの白餅を売る茶屋をなさっていたことなど、かなり興味深いお話が載っていました。
(画像は、節分の時に西尾さんが熊野神社境内にお出しになる接待茶屋を知らせる看板です。茶屋では、八つ橋とお茶がいただけます。もちろんお接待なので無料です。)

きょうは数年前に息子さんがお稚児さんをおつとめになった上七軒の「老松」の太田社長さんがお出になっていました。
特に太田さんの息子さんがお稚児さんをおつとめになった折に再興された「松原中之町祭事」について触れておられましたので、その部分を抜粋させていただきます。


松原通中之町の理髪店内にある一里塚へ神酒神饌を献じます。神事の後、水立ての薄茶をいただくのですが、大きな土瓶に水と抹茶を入れ、手でかき混ぜて振舞います。


この水で点てる「松原中之町祭事」の存在については、すでにジャイ子さんから伺っていましたが、土瓶に水と抹茶を入れて茶筅ではなく手でかき混ぜることには驚きました。

なお、水で抹茶を点てるという事例は、同じ叡山系の神社の祭礼の中でもみられます。(この場合には茶筅を使います)
祇園社(八坂神社)のお茶といえば、煮出し茶(煎じ茶)の事例が多いのですが、このように少し変わった(?)抹茶の事例もあるなど、宗教儀礼の中には、重層的なお茶の文化が組み込まれている可能性があることを、我々は見落としてはいけないかと思います。