京のにちじょうさはん ごこう

京都在住19年目の浜っ子の日記。其の弐。

雨降りて緑深く

2007年05月30日 | ミーハーがつくる喫茶文化史
今朝は、かなり激しい雨が降っておりましたが、
皆様のところでは、いかがでしたでしょうか。

きょうはお稽古の日。
流石に畳に上がることを考えますと、
なるべく濡れたくはないので、タクシーで。






いつもは、可楽庵さんのほうを使わせていただいているのですが、
きょうはご事情により、佳水園さんのほうのお座敷を使わせていただきました。
(こちらのお庭が、小川白楊のお作、つまり七代目「植治」のご子息です。)
いろいろいつもと勝手が違って、特に先生方は大変でいらっしゃったと存じ上げますが、
私たちは、また別の素敵な場所をつかわせていただけたのが嬉しくて。






お稽古は薄茶のお点前、そしてお棗とお茶杓の拝見も。
あいかわらず、柄杓の扱いに苦労するも、先生のご丁寧なご説明で、目から鱗のことがらも多数。 






お軸は「長生安楽富貴尊栄」「静屋居士書」とあり、とてもおめでたく。
(ここまで3つの画像は、お稽古をご一緒させていただいているかたにお借りしました。ありがとうございます。)







きょうの和菓子は、老松さんの上用饅頭「飛燕」です。
名前の通り、すいーと飛ぶ燕の焼印が押してございます。
なんとすがすがしい景色でしょうね。

お茶茶な日々始まる

2007年05月29日 | ミーハーがつくる喫茶文化史


実は、今年初めていただいた宇治の新茶です。
これは、宇治は七名園のひとつに数えられる奥の山園をお持ちの
「堀井七茗園」さんの新茶の煎茶「さみどり」です。
携帯画像であるため、実際よりもずっと水色(すいしょく)が濃く映ってますね。
実際には、その名前のごとくもっと澄んだやさしい「さみどり色」なんですよ。
軽く渋みがあって、でもすっきりとしたうまみと、何よりも後に残る香りのすがすがしさ。おいしい。
これぞ宇治茶の醍醐味ですぅ。(笑)

今年は年のせいか、どうもこのごと例年していたことに手が廻りませんで、
しかも、九州の新茶もたくさんで、
宇治茶の新茶の季節に、私ひとり、出遅れておりました(笑)。
もともと、宇治茶の産地は、ほかの地域に比べて、
収穫時期が遅いものもございまして(てん茶や玉露などは特に)、
まだまだこれから、という感じがございます。

とこれを書いている途中で、お荷物が。
またひとつ宇治茶が参りましたよ。ふふふ。

「フォーラム 宇治川探訪」に出る

2007年05月27日 | ミーハーがつくる喫茶文化史


きょうは、カッパ研究会のお仕事で、宇治に参りました。

基調講演をお願いした吉村亨先生のご講演「宇治川への想い」は、「講演はかくありたい」と、いつも拙い講演をしている私にとっては、大変勉強になりました。

私は第二部で、宇治茶の魅力について、手短にお話をさせていただきました。
宇治川流域の「茶園を楽しもう」と「お茶そのものを楽しもう」という内容で。
まあ、駆け足で、すんません。

光泉洞さんや、ちゃみさんもおいでいただきまして、ありがとうございました。
Hさま、そして和束のおぶぶの松本@兄さま、画像をありがとうございました。
もちやは、皆様のお蔭でやっておりますm(__)m

というわけで、フォーラムの後は、飲み会にすこしばかり。
そう、きょうは、人文書院さんから出た『京都 宇治川探訪』の出版記念の飲み会の位置づけもあるんです。
本は、今しばらくは、宇治市観光協会・ゆめりあうじなどだけでの販売ですが、
6月はじめには、京都市内の書店などでも販売されますので、
みなさまも、一冊いかがでしょうか。
これ一冊で、宇治川のことがよーくわかりますよ。
あ、私もすこしばかりですが、
「宇治茶の歴史」について書いたもので^^

で、飲み会の段で分かったこと。

いつのまにか、私はカッパ研究会の会員になっていた、っていうことですう(爆)
>本人、覚え無し





このフォーラムの様子は、5月28日の朝日新聞の朝刊に載っていたそうです。(あ、もちろん京都版ですよ)
>うちは京都新聞なので、見れませんでした(涙)。

ぽち袋をつくる

2007年05月26日 | 京のつれづれ


以前もご紹介?しました、包装紙(大概が和菓子ですねえ)でつくるぽち袋の作り方のお尋ねがございましたので、簡単にご紹介を。

まず15センチ四方に切ります。
できあがりが、たて11センチ、横5.5センチになるように折ります。

基本はこれだけです。(笑)

私は表を上にして、左がわを1センチ裏が見えるように折り返して、アクセントを作ります。
そこから4センチのところを折り、反対側からも4センチのところを折り合わせます。
上下は2センチずつ裏に折り返します。

きょうのラインアップは、右から、

京都の絵葉書会社・福井朝日堂さん(笑)の包装紙、
洛北にある山端平八茶屋さんの包装紙、
そして、昨日猫だましさまからいただいた、奈良の松屋さん吉野拾遺の包装紙、
(ごちそうさまでした)

です。
携帯なので、余りよい画像ではなくてごめんなさい。
(足りないところは、ご想像なさってくださいませ。)
いずれも「名所図会」になってまして、作っていても楽しいですよ。

雨の御所西にて

2007年05月25日 | 京のつれづれ


きのうとは打って変わっての大変な雨の中、でも楽しい出会いがございました。
大和国からお越しいただいた、猫だましさまと御目文字が叶いました。
文章から受ける印象とは違い、
ふんわりとした優しい雰囲気をお持ちになった方でした。
ついつい同業者同志の裏話に花が咲きまして、
一条通の虎屋菓寮さんで、2時間半もお話をしていました(爆)。
猫だましのお姉さま、おおきにです。

きょうの生菓子は、紅抓(つまみ)羊羹です。中に美味しい白あんが入ってます。
つるんとした水羊羹は、かなり好みです。

お茶は一保堂さんのお煎茶です。
あらかじめ、程よい温度の湯冷ましが湯のみにはいっています。
お茶葉もたっぷり急須に入ってます。
差し湯の急須も別に用意されてまして、美味しく頂きました。
(願わくば、日本茶カフェは、こうあって欲しいです。)

お暑うございます。

2007年05月24日 | 京のつれづれ


お暑うございますが、皆様いかがおすごしでしょうか。
日傘を差していても、陽射しにまけそうです。

きょうはお昼に府庁とその周辺へ行き、打ち合わせ。
その後、日暮通椹木町の佐々木酒造さんへ。
ついつい誘惑に負けて、夏季限定の17度もある純米吟醸生貯蔵酒「夏方(なつざま)」を購入。(でも300mℓです)
今晩、冷やしていただきます。ふふふ。

そのあと堀川商店街の本屋さんで「京都できもの」(なごみ別冊6月号 淡交社)を買いました。
素敵な若奥様が載ってらした前号に続いての二冊目です。
若干現実逃避気味ですかしら。

さて、お仕事お仕事と。(笑)

念ずれば…

2007年05月23日 | 京のつれづれ
トライすることうん十回、デジカメが、つながりました。(涙)
(こんなことをしてる場合じゃないけど)
たぶん、デジカメも私に恐れをなしたのでしょう。

というわけで、前代未聞、きょうのブログの書き直しです。(爆)

まず、きょうのお稽古から。






お床の白い山芍薬が、凛としてすがすがしいです。
その姿の美しさに、しばらく見とれておりました。






きょうのお菓子は、老松さんの「青楓」です。






お干菓子もございまして、こちらも老松さんのものです。
ふと、去年のゴールデンウイークに訪れた、槙尾の西明寺あたりの清滝川の流れを思い出しました。


そして、「もりみすと」のみなさま、その予備軍のみなさま、お待たせしました。
これが、四条通にあるジュンク堂さんの一階にございました、
「もりみん」直筆の色紙でーす







そんな、もりみんに「よろしう!」なんていわれたのですから、もうねえ。(爆)
次回こそは、本を買いますう。

というわけで、なんとか無事に、今日中に「もりみん」の色紙がアップできましたわん。
でも、デジカメは、お直しに出したほうがよさそうですねえ。(汗)

ごめんね「もりみん」

2007年05月23日 | 京のつれづれ
今日は水曜日なので、格調高く?お稽古の画像から始まるのが常なのですが、
非常事態が発生したために、このような始まりで失礼します。

今朝の京都新聞の朝刊には、我らが「もりみん」こと(もう、勝手に(笑)森見登美彦さんのインタヴュー記事がございましたね。
朝から、もりみんのお顔を拝せるなんて、幸せなことと、まずまずの滑り出しのはずだったのですが。


まずは、いつもの時間に、お稽古場へ到着。
お稽古場の周りの木々の緑が日々濃く深いものなり、とりわけ朝のうちはとてもすがすがしいです。どこからか、滔々と流れる川の水音もしてまいります。

今週も、平点前のお稽古でした。
まだどこか裏覚えの順番にとらわれてしまい、細かいところで直すべきことがてんこ盛りの私でした。
もっと練習しなくちゃ。


お稽古のあとは、京都国立博物館まで参りまして、
例の「京都国立博物館刊行図録を通常販売価格の30%~76%OFFにて期間限定販売!!」を、三冊ばかり購入。
それと、頼まれた一冊の合計4冊の図録を持った時点で、握力15(学校最低記録)の手が悲鳴をあげていました。


さらに、四条に出て、四条通のジュンク堂により、2冊ばかり本を購入。
もう腕や肩が「かんべんして」ってなきがはいっているのが自分でもわかって(涙)。

でも、このとき、神様が素敵な贈り物を。
そう、店頭にお店に寄贈された、あの我らが「もりみん」の、直筆色紙を発見したのです。
ちょっと神経質そうだけど、知的な雰囲気が漂ってくる細めの文字に、さらに好ましい思いが増してきました。
その場で、「あんのちゃーん、ふじりんごさーん」と、わーぎゃー叫びたい気持ちをこらえ、デジカメでこれを写しました。
本当はそこでもりみんの本の一冊でも二冊でも購入したかったのですが、
へたっている腕のためにも、みしみしいわしてる肩のためにも、
泣く泣く購入を見送ったのでした~。


「ごめんね、もりみん。」


そして、家に帰って、画像をアップしようとしたら、
どうしたことでしょう、画像がパソコンにとりこめない。


とうとう、壊れちゃったのね、デジカメ。


っていうことは、あの「もりみんの直筆色紙」もアップできないっていうことなのおおおおおおおお…


どうやら、壊れ気味なのは、私なのかもしれない。(汗)

きょうのひとやすみ

2007年05月22日 | 京のひとやすみ


きょうは、京博に「京都国立博物館刊行図録を通常販売価格の30%~76%OFFにて期間限定販売!!」を目当てで行こうかと思っていたのですが(七尾さん情報ありがとうございます)、
仕事をしているうちに、行きそびれてしまいました。
午後になってからお友達から嬉しいお茶のお誘いメールが参りましたので、ブライトンホテルへ参りまして、ラウンジでお抹茶と塩芳軒さんのきんとんをよばれました。
あいかわらずしっとりして美味しいですね。
お蔭様で、ちょうどいい気分転換になりましたわ

お菓子の歴史

2007年05月20日 | いとしのものたち
小学校の頃、夏休みになると暑い横浜を避け、だいたい一ヶ月ばかりを岩手県にある母の実家で過ごしておりました。
そのころになると、従弟妹たちも集結して、それはそれはにぎやかでした。
当然おやつも大変で、よく南部煎餅の大袋が常備されておりました。

子どもの頃に食べたのお菓子は懐かしく、
いまでも南部煎餅を見かけるとよく買います。
京都生協でもときどき扱ってまして、きょうも買ってまいりました。
そうそう、この商品の裏には、気になる記載が。




南北朝の戦乱期のお話として、興味深い内容です。
この「由来」というものは、いまとなっては確かめることは難しいものです。
かといって、そのまま見逃すには惜しい情報も含まれています。

前にもご紹介した瀬田勝哉先生の「飢饉と京菓子-失われた創業伝説」(『洛中洛外の群像』平凡社 1994年)では、
京都の亀屋陸奥や駿河屋では、由緒書に語られている逸話とは別の創業年代をもち、
その創業年代はいずれもまれにみる飢饉の年であることから、
いまでは失われてしまった創業伝説があったのではないかと、
いうことを指摘なさっておりました。
瀬田先生のご指摘は大変印象的でした。

それからしばらくして、この商品の語る南部煎餅の由来をみたときに、瀬田先生のご指摘を思い出しました。
やはり南部煎餅の由来の年である「1370年」(南朝年号が建徳元年・北朝年号が応安3年)が気になって、『新版 日本史年表』(歴史学研究会編)で調べてみました。
すると、

9月 駿河以東に大風、田畠荒れ飢饉となる

という一文を見つけたのです。

いまは、まだこれ以上の詳細を調べることができておりません。
でももしかしたら、南部煎餅にも、ここに書かれているような南北朝の戦乱とは別の、
「飢饉」を背景としたいまは失われてしまった由来が存在するかもしれませんね。