いまさらながら、「どうにかならんもんかな」と苦笑してしまうのが、旅の荷物。
特に、電子機器とその充電器の類には辟易とするのだが、「どうにもならんもん」である。
20代の自分にこれを見せた日には、「ふん」と鼻で嗤われるのがオチだろうなと、想像するだけでイヤになってくる。
なんとなれば若いころの私は、「男たるもの、なんにつけても身軽であるべし」というモットーを持って生きていた。
それに比べて今の私、これをして進化というのか堕落というのか。
それこそ価値観の違いでしかないのだが、いつになっても受け入れ難い私はしかし、同時に、それを手放すことが出来ない人間になってしまってもいる。
今朝もまた、「ああ」と嘆息しながら、帰路の荷物をまとめている私の頭の中に、こんな詩がリフレインする。
腕時計ははめないんだ ベルボトムは大嫌い
ギターケースだって重たけりゃ いつだって捨てられるんだよ
(『かかしのブルース』加川良、より)
もちろん、後戻りするつもりは(今のところ)さらさらない。
であればだ、もう少しなんとかしてみないかネ、なのであるな。