答えは現場にあり!技術屋日記

還暦過ぎの土木技術者のオジさんが、悪戦苦闘七転八倒で生きる日々の泣き笑いをつづるブログ。

目で笑う

2020年08月13日 | ちょっと考えたこと

目が笑わぬ人がいる。

あくまでも当人的には、という括弧がつくが、わたしはそれに該当しないと思っていた。

しかし、近ごろ時々思うのだ。

「あ、今オレ、目が笑ってないな」と。

なぜそれに気づいたのか。

マスクをしているからだ。

気心の知れたあいだ柄であれば、そのようなことを気にすることはない。

しかし、初対面あるいは、ある程度の緊張関係を保った関係となると、自分がどのような態度や顔つきでそこにのぞんでいるか、話の内容にふさわしい顔をしているかを、別の自分が観察しながら、コミュニケーションを進めている。

そこで、マスクだ。

たとえば、「わたしはアナタに対して悪意がないですよ」ということを表現するのに、もっとも有効な手段は笑顔だろう。では、その笑顔をもっとも端的に表現する部位はどこかといえば、口(のまわり)である。もちろん、正しくは顔全体で表現するといったほうが正解なのだろうが、部位別に限定してどこが、と考えると、やはり口(のまわり)ではないだろうか。

ということに、ある日、気づいたのだ。

それがいついかなる時か、しかと覚えてはいないが、たぶんこのように自問自答した。

「今、オレは笑みを浮かべているのだけれど、その口は相手から見えない」

「では、どのように表現すればよいのか」

「目だ」

その時、

「あ、今オレの目、ひょっとして笑ってないか?」

という疑いを抱いた。

そして、

「目に笑みを浮かべるのだ」

と指令がくだり、

「目で笑った」

しかし、あくまでも「つもり」だ。

それが相手にどう写ったのかはわからない。

「もっと伝わるように目を笑わせろ」

脳が指令をくだす。

そして

「(少しオーバー気味に)目で笑った」

 

爾来、マスクをしているときは、目で笑うように努めている。

その試みが効果を発揮しているのかどうか。

さすがに、

「オレって今、笑ってますか?」

などとたずねるわけにもいかないので、よくわからない。

 

「目は口ほどに物を言う」

「情のこもった目つきは、言葉で説明するのと同等に、相手に気持ちが伝わるものだ」という意味でいけば、たしかにそのとおりだが、「目だけ」で「口」と同等の表現をするのは、少なくともわたしにとっては至難の業だ。

とはいえ、”2020年”という「今」だもの、ここはひとつ、毎朝鏡に向かい「目を笑わせる」練習をしてみるか、などと真剣に考えたりする辺境の土木屋。

 

 

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