きょう15日の産経ネットで、興味深い記事を見つけた。
【石平のChina Watch】「ほころび始めた反日教育」である。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130815/chn13081508040000-n1.htm
石氏は中国生まれで、北京大学哲学部卒。天安門事件で祖国を見限った。2007年に日本国籍を取得した評論家だ。
論考の中で、石氏は人民日報のミニブログ「微博」に並ぶコメントを紹介している。
「中国人民は皆知っている。よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ、毎日のように中国人民をだましているのではないか」
「文革以来、一体誰が多くの中国人民を惨殺してきたのか。日本人ではないぞ」
「自国の歴史さえ正視できないこの国が他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりをつくこの政府は、他人に真実を語れと要求できるのか」
辛辣なコメントばかりだ。これを受けて、石氏は次のように言う。
「政府の行う反日宣伝は完全に裏目に出ていることが分かる。「日本の教科書が真実を教えない」と批判すれば、「中国の教科書こそ嘘ばかりではないのか」との反論が返ってくるし、「南京大虐殺が忘れられた」と騒げば、「お前らこそ多くの中国人民を殺したのではないか」と突っ込まれる。反日宣伝をやった分、それはすべて、政府自身に返ってくるのである」
中国の学生・若者層の反応なのだろうか。社会主義国家といえども、人々は閉ざされた情報空間に生きているわけではない。ITが多様な情報に接する機会を、ますます増やしている。一方で、国内では官僚腐敗、貧富の格差、人権抑圧、就職難、環境汚染など、問題は山積みだ。不満は募る。
社会主義国・中国が抱える矛盾。その多くは、経済の改革・開放がもたらしたものだろう。社会主義と資本主義化の矛盾である。一党独裁の国家体制と自由主義的経済体制が齟齬をきたしているのだ。マルクス経済学でいう上部構造と下部構造の矛盾。この矛盾を止揚するため、マルクスの言う通り、やがて「革命」が起きるのだろうか?
こうした変化や動きは、中国の将来に希望を持たせてくれる。一方、同じ反日教育が徹底しているの韓国はどうか。視野が狭く感情的、客観的思考に欠ける韓国民に、このような変化を望むのは無理な注文のような気がする。一体どちらが独裁国家なのか、どちらが自由な言論が保障された民主主義国家なのか、分からなくなる。
【石平のChina Watch】「ほころび始めた反日教育」である。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130815/chn13081508040000-n1.htm
石氏は中国生まれで、北京大学哲学部卒。天安門事件で祖国を見限った。2007年に日本国籍を取得した評論家だ。
論考の中で、石氏は人民日報のミニブログ「微博」に並ぶコメントを紹介している。
「中国人民は皆知っている。よく嘘をつくメディアは人民日報、よく捏造する教科書は中国の教科書だ。お前らこそ、毎日のように中国人民をだましているのではないか」
「文革以来、一体誰が多くの中国人民を惨殺してきたのか。日本人ではないぞ」
「自国の歴史さえ正視できないこの国が他国に正しい歴史認識を求めることができるのか。嘘ばかりをつくこの政府は、他人に真実を語れと要求できるのか」
辛辣なコメントばかりだ。これを受けて、石氏は次のように言う。
「政府の行う反日宣伝は完全に裏目に出ていることが分かる。「日本の教科書が真実を教えない」と批判すれば、「中国の教科書こそ嘘ばかりではないのか」との反論が返ってくるし、「南京大虐殺が忘れられた」と騒げば、「お前らこそ多くの中国人民を殺したのではないか」と突っ込まれる。反日宣伝をやった分、それはすべて、政府自身に返ってくるのである」
中国の学生・若者層の反応なのだろうか。社会主義国家といえども、人々は閉ざされた情報空間に生きているわけではない。ITが多様な情報に接する機会を、ますます増やしている。一方で、国内では官僚腐敗、貧富の格差、人権抑圧、就職難、環境汚染など、問題は山積みだ。不満は募る。
社会主義国・中国が抱える矛盾。その多くは、経済の改革・開放がもたらしたものだろう。社会主義と資本主義化の矛盾である。一党独裁の国家体制と自由主義的経済体制が齟齬をきたしているのだ。マルクス経済学でいう上部構造と下部構造の矛盾。この矛盾を止揚するため、マルクスの言う通り、やがて「革命」が起きるのだろうか?
こうした変化や動きは、中国の将来に希望を持たせてくれる。一方、同じ反日教育が徹底しているの韓国はどうか。視野が狭く感情的、客観的思考に欠ける韓国民に、このような変化を望むのは無理な注文のような気がする。一体どちらが独裁国家なのか、どちらが自由な言論が保障された民主主義国家なのか、分からなくなる。