ヒルネボウ

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『冬のソナタ』を読む 「冬のソナタ」(上195~210)

2024-02-21 22:49:37 | 評論

   『冬のソナタ』を読む

     「冬のソナタ」(上195~210)

2 初めてのデート

冬のある日、バスの中で二人は偶然に出会った。その後、何度も偶然に出会う、街で、山で…… 

「初めて」(上p152)のデートは約束だけで、実現しなかった。「約束」(上p153)は当てにならない。だから、二人はまるで偶然のように出会うことにする。

すぐそこに、ユジンの目の前に、ジュンサンは立っていた。

「ここになんの用なの?」

心とは裏腹に、とぼけた態度でユジンが訊(たず)ねた。

「待ち合わせをしてるんだ」

「あ、そう」

「お前は?」

「あたしも待ち合わせ」

「あ、そうか。まだ来てないみたいだな」

ジュンサンが辺りを見渡しながら言うと、ユジンもとぼけた顔で続けた。

「もうすぐ来るわよ」

とぼけるユジンにジュンサンは笑顔を見せると歩き出した。ユジンは後ろからジュンサンの影を踏みながらついて行った。

(上p197)

二人は、デートの約束をしていなかったみたいに、まるで偶然のように会い、連れ立って歩き出す。まるで偶然ではないみたいに。つまり、運命のように。

(終)


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