日々
詩 L
洗い桶に溜ったひと日の羅列
淫猥を盛った皿でさえ
蛇口をひねれば明日が来たよ
水に沈んだ包丁の傷
指先はるかに
これまた 逆説的な官能表現で
それから
精液飲みこんで
お前に任せたつもりでいたよ
もしかしたらのわたしを
長い間抱きしめた お前の横顔に
煙草の煙を吐いてみる
かもしれなかったきのうの吸ガラ
紅(べに)のついた吸い口は
痛いかもしれない
お前の指先なのだよ
いつまでも
乳房にはらばうなのっぺらぼう
母さんのよっつの乳房は
もう しなびてしまっているというのに
(終)