十年一昔と言いますが・・・
私の話は一昔以上の昔話です。
昔ある家に自動車好きな男の子が住んでいました。
その男の子は落書きが大好きでいつも庭に「蝋石」(ろうせき)で、自動車の絵を描いていました。
実は今は亡き私の兄の話です。
兄は自動車が大好きでしたがあの当時(戦後)はまだ一般の家庭ではほとんど車がある家はなかった時代でした。
でも私の家の近くに自動車修理やさんがあったので、
自動車好きな兄は毎日のように自動車修理屋さんに車を見に行っては、
我が家の庭に蝋石で車の絵を描き楽しんでいました。
兄は落書きした絵を本物の車のように、エンジン、ハンドル、などなど、
細かな所まで描いて「ブーブーブー」とエンジンを掛ける真似をしては楽しんでいました。
そんな落書きを私達兄妹や両親が踏むと怒るので、
庭を歩くのにも車の落書きの描いてあるところは避けて通りました。
そんな兄も小学校4年生の時に病に侵されなくなってしまいました。
両親は兄の死後何も手につかずにいましたが、
兄が描いた「蝋石」の車の落書きもいつ間でも庭に残っていました。
その落書きも月日が経つにつれて何時の間にか消えてしまいました。
でも今でも「蝋石」を見ると幼かった兄が甦ります。
私の話は一昔以上の昔話です。
昔ある家に自動車好きな男の子が住んでいました。
その男の子は落書きが大好きでいつも庭に「蝋石」(ろうせき)で、自動車の絵を描いていました。
実は今は亡き私の兄の話です。
兄は自動車が大好きでしたがあの当時(戦後)はまだ一般の家庭ではほとんど車がある家はなかった時代でした。
でも私の家の近くに自動車修理やさんがあったので、
自動車好きな兄は毎日のように自動車修理屋さんに車を見に行っては、
我が家の庭に蝋石で車の絵を描き楽しんでいました。
兄は落書きした絵を本物の車のように、エンジン、ハンドル、などなど、
細かな所まで描いて「ブーブーブー」とエンジンを掛ける真似をしては楽しんでいました。
そんな落書きを私達兄妹や両親が踏むと怒るので、
庭を歩くのにも車の落書きの描いてあるところは避けて通りました。
そんな兄も小学校4年生の時に病に侵されなくなってしまいました。
両親は兄の死後何も手につかずにいましたが、
兄が描いた「蝋石」の車の落書きもいつ間でも庭に残っていました。
その落書きも月日が経つにつれて何時の間にか消えてしまいました。
でも今でも「蝋石」を見ると幼かった兄が甦ります。