団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

小説タウンハウス 19 大川瀬ダム+鴨川ダム 淡河川・山田川疎水(淡山疎水)10

2019-09-20 05:59:12 | 日記


       川代ダム

  平成3年11月13日山田川疎水の水源が大川瀬導水路(国営東播用水)に切り替えられて、現在の水は、川代ダム→

 川代導水路→大川瀬ダム→大川瀬導水路→呑吐ダム堤内サイホン→山田川疎水と運ばれてくると云う事で山田川疎水の現在の

 実質的な頭首工、川代ダムに前回小説タウンハウス18 川代ダム+丹波竜 淡河川・山田川疎水(淡山疎水)(2019.8.16)

 行って来ましたが今回は続きとなります大川瀬ダムです。

   

  前回の川代ダムの概要の地図です。川代ダムで取水された水は川代導水路を通って大川瀬ダムに送られます。大川瀬ダムから

 大川瀬導水路で呑吐ダムへ、鴨川導水路で鴨川ダム(東条湖)へと導かれます。鴨川ダムは淡山疎水を形成していませんが、現

 在の東播用水を形成する主要なダムになりますのでおまけです。地図は呑吐ダム(衝原湖)の展望台のものです。

   

  川代ダムと川代導水路の入り口となるゲートです。川代導水路は全行程がトンネルです。


       大川瀬ダム

   

  地図は、農林水産省近畿農政局 鴨川・大川瀬ダム管理事務所が作成した加古川水系広域農業水利施設総合管理事業大川瀬

 ダムからお借りしています。(後出の2枚の図面も同じです)

  川代導水路の出口は水中になります。写真の橋の左側あたりにあるようです。地元の方のお話では水が送られて来る時は

 水中からブクブクと泡が出ているそうです。季節外れではありますが桜の名所ですので桜の画像を使っています。

       堰堤

  

  川代ダム・大川瀬ダム・呑吐ダムのいずれも見事な桜並木が有ります。建設年度が近いのでこの頃の地元補償の定番であった

 のでしょうか。昭和59年10月着工、平成3年6月竣工。

  

  重力式コンクリートダムですが少し折れているのが特徴です。堤高50.8m、堤長164.0m、満水面積68haです。 

   

  自己流域(60.6㎢)から年間約1700万トンの水を開発すると共に、川代ダムから川代導水路を通して送られてくる

 年間約4500万トンの水を貯水し、貯水状況に応じ呑吐ダム・鴨川ダムに送水します。

       ダム湖から写真

  

  ダム湖上流側からの大川瀬ダムです。林の中にポツポツと見える屋根は別荘です。隣の鴨川ダム東条湖の周辺と共に別荘地

 として開発されました。

   

  別荘地ぽい案内板です。阪神間に近いサラリーマンにも買える別荘地として開発されましたが、現在では、定住者の割合が

 多いそうです。

       分水         

  

  写真左から大川瀬導水路で呑吐ダムへ、右から鴨川導水路で鴨川ダムへ。

       大川瀬ダム平面図

  

  写真とは左右が逆になります。

       導水路諸元          

  

  川代導水路はすべてトンネルですが、大川瀬導水路・鴨川導水路は開水路とトンネルになります。

       大川瀬導水路

  

  大川瀬導水路は一山超えたところで高架式の開水路になりますが、以後呑吐ダムまですべてトンネルとなります。


       鴨川ダム(東条湖)

   

  鴨川ダムは戦後すぐに着工され、東条湖は高度成長期に観光地として広く知られるようになり、別荘地としても開発されまし

 たが、鴨川ダムは少し見えにくいところにあり「鴨川ダム」の認知度は極めて低いようです。東条川の支流の鴨川にあるので

 鴨川ダムとなりました。大川瀬ダムが東条川にあります。東条湖は完成時の村名上東条村によるものだと思います。

   

  上から見た堰堤と東条湖から見た堰堤です。重力式コンクリートダムで堤高42.4m堤長97.1m、満水面積54.3ha

 です。観光用のボートが見えます。鴨川ダムは流域面積が19.2㎢と狭く、せっかくの遊覧船も湖底でうろうろ、なかなか
 
 満水が見られないダムとして逆に有名でしたが近年は鴨川導水路の水を受けて改善されているようです。

       鴨川ダム(東条湖)案内図

  

       東条川農業水利事業のあらまし

  この事業地区は播州東部の加古川左岸に位置する2市3町(三木市・小野市・東条町・社町・滝野町)にまたがり、瀬戸内気

 候に属し、日本の中でも有数の少雨地帯であります。

  このため、古くから水源施設としてため池を造り、水を貯えかんがい用水として利用していましたが、水源不足と施設の不備

 により、毎年のようにかんばつ被害を受けていました。

  このような状況を解消して戦後の食料を確保すると共に農業経営の合理化を図るため、新規に水源を確保し、地区内の水田

 3.478haに用水補給を行う、国営かんがい排水事業として、昭和22年7月に着工されました。

  この事業計画の内容は、主要施設として鴨川ダム・鴨川導水路(約5km)調整池2か所(安政池・船木池)幹線水路(1号~

 5号約17km)を築造するもので、これらの施設は昭和39年度にすべて完成しました。

  また完成した鴨川ダム・調整池・幹線用水路等の施設は兵庫県東播土地改良区の適正な維持管理のもとに、その効用を発揮し

 てきましたが、経年による施設の老朽化及び自然条件の変化等により、取水及び水管理に支障をきたす状況になってきました。

  このため昭和62年度から農林水産省の国営造成土地改良施設整備事業により、鴨川ダムや幹線水路等の改修・補修を行い、

 従来の施設の機能維持及び安全性を確保すると共に水を有効に無駄なく利用するため水管理の適正に必要な施設の整備も行いま

 した。

  東条湖の観光客もまかなか鴨川ダムのまで足を延ばしてくれません。そんな訳で看板も更新されていません。

       東条湖おもちゃ王国         

  

  観覧車とジェットコースターが見えます。昭和44年に東条湖ランドとして開園しましたが遊園地の寡占化が進み平成12年

 に閉園、同年子供向けに特化したテーマパーク東条湖おもちゃ王国として再出発、好評を博しています。建物はホテルグリーン

 プラザ東条湖です。



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