団地小説短編集を歩く

団地小説短編集の舞台を歩きながら団地や地域の魅力をお伝えします。

番外編 15 高尾団地・姫路モノレール大将軍駅の今 またも「くい」が残った石見市長

2019-02-22 05:59:31 | 日記

       高尾団地・姫路モノレール大将軍駅の今

  

     記事の全文は番外編 13 高尾団地・姫路モノレール大将軍駅解体完了まとめ(2018.1.26)をご覧下さい。

  平成29年12月20日の神戸新聞で跡地は「暫定観光バス駐車場」として利用すると報じられた高尾団地・大将軍駅跡地で

 ですが 番外編 14 高尾団地・姫路モノレール大将軍駅跡地(遺跡)は今(21018.5.19)で桜の季節もゴールデンウイークも

 使用実績なし、需要がなかったのか、石見市長も、年齢的に次はないだろうから、その場しのぎに適当な新聞発表をしたのかと

  

              写真は平成31年2月14日です。

 お伝えしたところでありますが、平成30年9月3日、市議会で来年の市長選挙に不出馬を正式に表明、その後も全く利用した

 形跡がなく、やっぱりその場しのぎの新聞発表であった可能性が大きいと思います。

  すでに売却済みの噂もあり、姫路市の「市有不動産売却のご案内」で調べてみましたが記載が無ありませんでした。


       またも「くい」が残った石見市長

  石見利勝市長も就任当初は父石見元秀市長の造った姫路モノレール跡の活用について考えていたようですが、支柱は十分強度

 があるが軌道桁は利用どころか現状でも危険ということで以後精力的に撤去を進めました。その中で、高尾団地・姫路モノレー

 ル大将軍駅を解体すも基礎杭が抜けずに「くい」が残ったとちょっとした話題になりました。(鋼鉄製のH型鋼杭でおそらく地

 中の転石に当り変形したものと思われます。又一部の新聞で、斜めに打たれた杭もあったと書かれていましたが鋼鉄杭は転石等

 を避けるためバランスを配慮すれば斜めに打つことも可能です。昔は転石に当たってそこで終りいった手抜き工事のありました

 のでちゃんとした工事をした証拠です。ただ解体までは気が回らなかったのかも知れません。)

       今回残った「くい」はこの三本です。

  

  「モノレール姫路」を出たモノレールは西に進み「大将軍駅」から左に曲がり船場川に沿って南下します。カーブ部分でで三

 本の橋脚(杭)が船場川に立ちます。この橋脚が、モノレールの必要な回転半径を確保するために造られたのか、立ち退き補償

 が高くつきそうな冷蔵倉庫(現在は高層住宅ワコーレ姫路ゲートプレイス)を避けるために造られたのかは判りませんが大きな

 災いの原因となりました。石見利勝市長にとっては是非とも任期中に撤去しておきたい「証拠物件」でありました。

       姫路モノレール遺構のビューポイント

   
  
  高尾団地・姫路モノレール大将軍駅からも見える船場川に立つ三本の橋脚は、対岸の千代田公園の桜をバックに姫路モノレー

 ル遺構のビューポイントの第一であります。写真 右 に見えるモノテール軌道は「播磨の国 姫路 寄り道マップ 船場城西・

 城南」に記載のある姫路市公認の「モノレール遺構」です。南に約100m続きます。

  

  あまり良い写真ではありませんが平成30年3月31日撮影です。

       撤去工事の請負業者が倒産
  
  姫路市のホームページの入札結果情報によれば、

      工事名    旧モノレール橋脚撤去工事    工事概要  橋脚撤去 N=3本  仮設工事 一式

      工事場所   姫路市高尾町地内        工事種別   解体工事

      工  期   始期  2018年08月13日     終期  2019年03月01日

      開札日    2018年08月01日

      契約相手氏名 日本機動建設 株式会社     契約年月日  2018年08月10日   契約金額 27,758,160円 

  で契約が行なわれ撤去工事にも着手されました。

  平成30年10月29日、日本機動建設株式会社が事業停止自己破産へ。

  役所の工事関係の人も、契約関係の人も自分の担当する工事が能力のある、信用できる業者に当たることを願っています。後

 の自分の仕事が楽になるからです。しかし業者を希望することは出来ません。あらぬ疑いをもたれないためにはただただ規定通

 り事務的機械的に仕事を進めなければなりません。従ってこんな二度手間・三度手間の業者にも当たることもあります。公共工

 事は、保証協会等の保証が必要ですから金銭的な損害はありませんが、工事が遅れるのは防げません。東京オリンピックのテニ

 スコートの工事業者も倒産しました。自分の家を入札で建てる人は少数派だと思いますが公共事業は入札になります。

   

  橋脚の近くの電線には感電事故防止のための絶縁カバーが残っていました。撤退するユンボは平成30年12月8日に撮影し

 たものでおそらく倒産業者の後の整理を行なったもので、倒産業者とは関係ありません。工事の方の話では別の業者が撤去工事

 をするだろうとのことでありましたが、再入札が行なわれても工事は台風シーズン後になると思われます。

  「週間姫路モノレール」さんの記事によれば前年も工事が計画されていたのですが出来なかったそうで、2年連続の不調とな

 ります。それでは、橋脚だけですので100年は持ちそうなビューポイントをなぜ撤去しなければならないのでしょうか。

       昭和40年9月15日の姫路市の水害

  番外編 12 高尾団地・姫路モノレール大将軍駅は旧船場川跡だった(2017.11.24)の中で都市化と姫路市内の内水洪水とし
 
 て書いていますのそちらもご覧下さい。「都市化と姫路市の内水洪水」稲見悦治氏の論文の引用です。同名でネットで公開され

 ていますのでご覧下さい。

  

  城北地区に甚大な被害を与えた大野川、増位川の濁流は雲見川の濁流と相待って船場川を一挙に氾濫させ、明治以降の河道の

 付替で、新たに雲見川の流入地点となった一之橋付近では、水かさはとみに大きくなり、付近の住宅地を水没させたのみならず

 、自動車なども立ち往生させた。

  また、その下流の白鷺橋、工事中のモノレールの橋脚で流れをとめられてしまった濁流は、東西の両岸にあふれ、東岸にあふ

 れた濁流は、寛延2年7月の洪水流れの跡を追って、国鉄姫路駅前に押しよせ、山陽本線軌道を60~70㎝、国道2号線を

 30㎝の濁流下にそれぞれ沈、付近の商店その他5300戸の床上、床下に濁流が流れこみ、市民は安全地域を求めて右往左往

 せねばならなかった。

  通常、川の一部を堰止めて工事をする場合は、梅雨や台風シーズンを避けて冬に行なわれます。この年は台風の直撃はありま

 せんでしたが台風に刺激された前線により雨が続きました。市議会の反対で遅れに遅れたモノレール工事に季節を選ぶ余裕はあ

 りませんでした。(用地買収の遅れでさらに工事は遅れますので、結果論としては冬まで待てたのですが。)父思いの石見利勝

 市長には任期中に撤去しておきたい橋脚であったでしょう。またも、杭(橋脚)が残ったお話です。

  

  桜の枝の先に塵が引っかかっています。ここまで増水した証拠であります。せっかくのビューポイントではではありますが

 石見利勝市長の都合以外にも現実的な橋脚撤去の必要があるようです。


       補遺

  「備前門」と大きな字が映り込んでいますが「備前門跡」にある看板の地図を利用させて頂きます。姫路キャスパがありま

 すがJRが高架になっていませんので平成3年9月以降平成18年3月の間の地図が基になっていると思います。

  

  番外編 11 高尾団地・大将軍駅は旧船場川跡?杭引抜機撤退 船場蔵と大蔵前町(2017.9.25)

  番外編 12 高尾団地・姫路モノレール大将軍駅は旧船場川跡だった(2017.11.24)


  の二回でお伝えししましたが、当時はセイヒョウパーキング(日本製氷株式会社跡)の曲がった敷地こそが旧船場川である

 と考えていました。その後、解体後の敷地の続きからもう少し西で書きましたが、セイヒョウパーキングの西側に旧船場川が

 あったと思います。地図に緑色を付けた部分です。赤い斜線の建物が高尾団地・姫路モノレール大将軍駅です。

  昭和32年、手柄に姫路中央卸売市場が出来るまでは高尾団地の北東の久保町一帯に卸売り市場や仲卸・問屋が集まってい

 ました。旧船場川の埋立は昭和33・34年に行なわれますので日本製氷株式会社はそれ以前から操業していたと思われます。

  旧船場川の流れも自然になります。昭和42年の住宅地図もこれに沿って空き地が目立ちますので旧船場川の埋立地を反映

 しているのでがないかと思います。

  

  昭和22年米軍が撮影した航空写真です。もとの写真が小さくて見にくいですが旧船場川の形状がよくわかります。

        船場蔵跡

   

  船場蔵(正確には船場外蔵。船場内倉は城内、現在の姫路動物園の北部あたりに有りました。)江戸前期・江戸後期と書い

 ていますが古地図では場所が移動していますが、移動したのか表記方法の差なのかは分かりません。番外編 11 に古地図が

 あります。写真は番外編 10 解体難攻?高尾団地・大将軍駅 いい仕事しています日本住宅公団(2017.7.28)にある「船場蔵

 に似せたかも知れない建物」の「わすれられた外堀遺構」からと近くから写真です。

  

  ポスターが貼ってありました。石見利勝市長の引退に伴い4月の統一地方選挙に向けて事実上の姫路市長選は始っているよう

 です。姫路から転出して数十年、選挙の構図は分かりませんが、高尾団地・姫路モノレール大将軍駅の跡地の利用も、モノレー

 ル遺構や船場市街地改造ビルを含めた船場・城西地区の活性化も新市長の手にゆだねられる事になります。

  飯島よしお氏は、姫路市出身、前姫路副市長で、東京大学経済学部卒、自治省→総務省のエリート官僚です。エリート官僚を

 もって嫌がる人もいますが、生まれは全くの庶民です。東大嫌い?の安倍総理は大臣の人事で苦労しています。飯島氏は福井県

 の副知事時代に、県民の幸福度や出生率でおおきな実績を残しています。自治省は地方の首長の養成期間の側面もあります。姫

 路市もプロの行政マンが必要な時期かも知れません。個人的には兵庫県知事でもいいと思うのですが、井戸知事は大阪の維新の

 会の独善と横暴から関西を守る長老・重鎮としての役割があります。ならば姫路市長としての活躍を見てみたいものです。


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