毒を放出!

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残雪の双六岳 前編

2014-05-08 21:25:11 | お山歩き
今年もGWの山行きの時期がやって来た。

今回は5月3~4日の1泊2日。
同行するのはもちろん雪山の相棒ぼんさん。
早い段階から行き先を相談していたが、私の優柔不断な性格によりなかなか決まらず、数ヶ所挙げた候補の中から最終的に決まったのはその山行きの直前。
ぼんさんプランニングのその行程は新穂高から入り双六岳と三俣蓮華岳を経由し鷲羽岳まで行くというロングでハードなもの。
ほぼ2ヶ月間山歩きから遠ざかり自転車にも乗らず運動らしい運動をしていなかった私には相当キツイ行程、タフでスピードハイクをするぼんさんについていくのは厳しいだろうと思ったが行けるところまで行く。

さて準備。
今回は昨年より雪が少なく暖かだという情報と持ち物は少しでも軽くしたいという気持ちから少々悩んだがそこは高所、いつも通りの冬装備を準備パッキングした。


(左)今回は双方の都合で現地新穂高登山者駐車場に午前6時集合、深夜からクルマを走らせた。
(中)東海北陸自動車道の飛騨清美インターを降り高山清美道路を走っていると雲海が見られた。天気は良さそうだ。
(右)平湯の交差点にて。いよいよ間近に雪山が見えてテンション上がる。


(左)集合時間より少し早く到着、前泊してたぼんさんと合流。
(中)便所で出すもの出してウェア着込んで6時半クルマを離れ林道を歩き出した。
例年ならばこの林道にも雪があるらしいが今年は雪解けが早い、サクサク歩ける。
と言っても暫くすると雪出てきます。
(右)川沿いを歩いているとその川が気になって仕方がない私です。
川幅、水量共に申し分なくいかにも大物がいそうだ。
釣れるかどうかは別問題だが・・・。


(左)ここまでは日陰に雪が残るという感じで思った以上に少なかった。
(中)お馴染みのザック。
天気の加減で雪が緩んで歩きにくい可能性大ということでスノーシューも持ってきたので金属ツールが多く重たい。
その金属ツールはスノーシュー・クランポン・アックス・ショベルの4点。
それでもスキーを担いでる人に比べれば相当軽いな。
そしてここ以降日が当たるようになって暑くなってきたのでジャケット脱ぎ、長袖アンダーシャツ1枚で行動。
天気が良いのはいいのだが、雪が緩むと相当歩きにくくなるし疲労度が高まるのが心配。
(右)ブナ林を行く。
流石にもう雪まみれ。

そしてデブリ現る!

でけー!
こんなデブリが何箇所も!
こんなものに巻き込まれたらひとたまりもない。


でっかいデブリを何箇所も越えると山が近づいてくる。
しかし遠いな~(笑)


それでもなおデブリ越えは続きます。
そして時々踏み抜きます。


雪も緩みがちなのでここまでクランポンもスノーシューも使わずツボ足で行動。
多少滑っても身軽さを優先。
そしてこの辺りだったか休憩中にゴゴゴゴと地鳴りのような音と揺れを感じた。
場所柄から咄嗟に「ヤバイ、雪崩か!!??」と顔を上げ周囲を見渡すが何も起きてない。
地震でした。
しかしそれが雪崩を誘発するとも限らないのでドキドキです。
この後も地震を感じること数度、後で知ったけどこの日は飛騨地方で地震が頻発し西穂高のロープウェイも止まったそうだ。


(左)それにしても暑い!汗だくだ。
今回は首の日焼けを嫌って山歩きでは初となるバケットハットを使用。
日焼けの点では良いが滝汗を掻く場合はちょっと不向き。
(中)近所の山とは流石にスケールが違います。
(右)時々止まっては登って来たところを振り返り、進んでいるのを確認です(笑)


だだっ広いところは進んだつもりでも景色があまり変わらずシンドイ。


斜度が出てきたこの斜面下からスノーシューを着用。


イイ画だな。
場所は鏡平の下付近。
ぼんさんはこちらに進路を振らず谷沿いを直登しようと考えていたようだが、どう見てもキツそうだし雪崩の危険性もありそうなのでトレースも多く付いていたこちらへ進路をとった。


(左)鏡平付近より風が出だし気温も下がったように感じたのでジャケットを着込む。
(中)鏡平を過ぎ弓折岳へと進むトレースを辿ると回り込むような形だったが、我々はスノーシューからクランポンへ履き替え直線的なルートをとった。
そしてこの辺りから急激に天気が崩れだす。
(右)雲がかかって来たと思うと雨が落ちだし、時折それが雹に変わる。
そして風も吹いてきた。
この時12時半ぐらい。
午後から一時的に天気が崩れ雨が落ちるという予報を聞いていたので想定の範囲内のことだった。
なのでそのまま登り続ける。

がしかし風雨は次第に強さを増し、山の上にはガスが出てきてそれまで見えていたものが見えなくなりつつあった。
弓折岳はすぐそこだがその前にそこそこの斜面が待っている。
これはイヤな予感がする・・・。

そこで私のチキンハートアラームが鳴り出す!

このままそこそこ斜度のある斜面を上りだしてしまえば途中で引き返すなどあるとかえって危ない。
上りきったところに幕営できるような場所がすぐにあるとは限らない。
稜線に出れば更に風が強くなることが予想される。
今目の前にはちょうど幕営出来る平地がある。
ここら辺りで登るのを諦め幕営しないかと進言。
ぼんさんは「なんで?」という表情を見せるがでそこで幕営することに決定。
荷物を降ろして場所の確保。


テント2張り分の雪を掘り風除けブロックを積んで悪天候に備えた。
そして作業を終え、二人それぞれのテントに入って間もなく

猛烈な雨(雹)風がやってくる。

テントは歪みバシバシと雨(雹)が打ち付ける。
「ぎょええ~テント入ってて良かった~」
「風除けブロック積んで良かった~」
本気でそう思った。
雨(雹)は時折止むもののまた降ってはの繰り返しで風は依然として強い。
しかも酷くガスが出てきて5M先がやっと見えるような状態にもなった。


標高はスント計測2420M。
そして我々はテントに篭りウェアを着替え、することなくなったら早い時間だが晩飯の準備。
晩飯は今回も鍋。
今回もこのために野菜と肉を担いできたのだ。
雪山では鍋に限るぜ!
荒れる天気をよそに私のテントでぼんさんと二人鍋をつつく。
ああ、テントの中は幸せだ。

そんな視界が悪い中、他の登山者の声がたまに聞こえる。(ガスの向こうに人影あります)
ほぼルート上にテントを張ったのでまだ歩く登山者がすぐ近くを通るのだ。
「こんな中まだ行動しているのか?」
「ヤバイんじゃないの?」
ぼんさんがテントを出て声をかける。
ガスで視界が利かず「どっちに行ったらいいんですかね?」と聞いている人、それってもう動かない方がいいんじゃないの・・・と思ったり。
同行者と逸れてしまって仲間の名前を呼んでいる人、それって遭難に近いんじゃないの・・・と思ったり。

ドキドキする(汗)
危険だ。

つづく
コメント (10)
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