耳を洗う

世俗の汚れたことを聞いた耳を洗い清める。~『史記索隠』

日本版:『山の郵便配達』~民営化で廃止の危機に!

2009-02-17 11:49:50 | Weblog
 「郵政民営化」に関しては先日も取りあげたが、“小泉改革”のウソがここでも表出している。「郵便業務は今まで通り」と約束したはずだが、ここにきて過疎地の郵便業務切り捨てが本格化している。『日刊ベリタ』は「くらしの動脈が寸断される過疎地の村 民営化で進む郵便業務切捨て 東京檜原村から」と題し次のように伝える。

 <「なぜ檜原村なのか?なぜ沢山ある郵便局の中で、この村が対象になったのか?」 穏やかな口調で、しかし怒りを滲ませながらこう語ったのは、東京都檜原村議の丸山美子さんである。今年6月28日、郵政公社は来年実施される郵政民営化に向けて、「郵便局再編計画」を発表した。この計画では、収益性の低い地方郵便局において、郵便物の収集・配達、貯金・保険の集金などの外務業務を廃止し、窓口のみにすることが明らかにされた。全国で1048局、東京では青ヶ島、御蔵島、利島、小笠原島、檜原村の5局が対象となった。7月末、わたしたち「郵政民営化を監視するネットワーク」のメンバーは、この檜原村で再編計画に反対する住民署名が集められていることを知り、当地へ現地取材に訪れた。(以下は「有料記事」に続く)>

 さらにこの檜原村に関しては『レイバーネット日本』に「崖っぷちの郵便屋さん~民営化に抗して村のライフラインを守る」という記事があり、当地取材の動画が見られる。中国映画で雲南省天空の村を舞台に、泊りがけで郵便物を届けて廻る『山の郵便配達』というのがあったが、檜原村の「郵便屋さん」はあの物語を想い出させる。1871(明治4)年、英国に学んだ前島密(まえじまひそか)が“国営事業”として発足させた「郵便制度」が、いまボロボロにされようとしている。

 動画:『09冬 檜原村再訪~』:http://video.labornetjp.org/Members/t_dave/videos/hinohara_ut01.wmv/view(画面をクリック)


 ついでに、植草一秀さんのブログ(2月16日)で知ったが、「郵政民営化反対」を唱え続け、小泉純一郎が差し向けた「刺客」“片山さつき”に落とされた静岡の“城内みのる”のブログに注目すべき記事(2月13日付)がある。

 <…いやそれにしても、山からまちへ降りたら、というか事務所に戻ったらすごいことになっていた。小泉純一郎元総理を筆頭に「郵政民営化推進派」がテレビや新聞をにぎわしている。
 まあ、私は無所属なので対岸の火事を決め込みたいところだが、このブログの読者に以下の1~6の「素朴な疑問」を発したい。どう思うか、感じるか皆さんの感想をお聞かせ願いたい。

1.郵政民営化見直し、四分社化見直しがなぜいけないの?
 「見直し」とは、悪いところを「改善する」ことでしょ。
 これって「改革する」ことじゃないの??
 「見直し反対」「振り子を戻すな」って、いつの間にカイカク派が抵抗勢力になったの?
2.「見直し断固反対」って今ごろこんな態度とっているのは、もしかして国民の目からの「郵政利権(かんぽの宿)かくし」をするためではないよね?
 重要なのは「改革の本丸」の郵政民営化がまさか、「売国の本丸」「日本売りの本丸」ってことじゃないことを証明すれば良いだけでしょ。
 早く関係者の証人喚問などをして身の潔白を堂々とはらしましょうよ。
3.数年前に私がある雑誌の鼎談で申し上げたが、郵政民営化をめぐる問題は、「改革派」対「抵抗勢力」の戦いではなくて、たった一握りの「売国派」対「国益擁護派」の戦いだった。
 いや違うという反論を聞きたいのだけど。
 (注:8割近い国会議員は法案の内容が良く分かっていなかった。理由:法案を読んでいないから。いちいち読むのがめんどうだから。悲しいかなそれは今も昔も同じ。)
4.新聞の社説を書く人も、経済学者も、多くの国会議員も郵政民営化の中身が本当に分かっているのかな。中身が分からないのに議論していては目もあてられないよ。
5.あと郵政民営化をして良かったことがあったら教えて欲しい。
 しかも具体的な数字をあげて。
 「職員が笑顔で応対してくれるようになったから民営化してよかった(意味不明)」などというふざけた答えはよしてね。
6.全国に約2万局ある郵便局の事務機器や自動車、携帯電話などはこれまでできるだけ個々の郵便局が地元の業者から購入、リースしていたようだね。
 民営化してからまさかかんぽの宿のように、経営者の自由裁量で特定の企業から一括して購入、リースしているようなことはないよね。>

 
 小泉・竹中政権とは一体何だったのか、徹底的に洗い出す必要がありそうだ。

 
 『城内みのるのブログ』:http://www.m-kiuchi.com/2009/02/13/yuseiriken3/