耳を洗う

世俗の汚れたことを聞いた耳を洗い清める。~『史記索隠』

こんな高校があるんだ!“立教女学院”の平和教育

2008-10-06 08:57:53 | Weblog
 翻訳家で『戦争中毒』『911の嘘をくずせ』『テロリストは誰?』などの日本語版を制作し、配給にたずさわっている“きくちゆみ”さんが、一昨日、立教女学院で「911とつくられる戦争」と題し講演をしたという。石原都政の都教委が「日の丸・君が代」強制で学校現場をいたずらに混乱させている現状があるだけに、“きくちゆみ”さんを講師に呼んで「911の嘘」の話をさせるなんて、およそ東京では信じがたい驚くべきニュースである。この学校の平塚敬一校長は「学校長メッセージ」で述べている。

 <アフガニスタン東部で武装グループに拉致されたペシャワール会の伊藤和也さんが遺体となって発見されました。(このあと、伊藤さんのアフガニスタン派遣の志望について書いた動機の文書を引用し、続いて校長は以下のように述べる。)
 
 このような無念とも言いようがない出来事が発生するたびに私は、神さまはなぜそのようなことが起こることを赦すのか、なぜそのようなことが起きないようにしてくださって、両親や家族が苦しみ悲しみを味わうことがないようにしてくださらないのかと思います。キリスト教でも昔からそういう問いはなされてきましたが、そのつど、すべてのことは神様のご計画のうちにあるのだ。その御計画がどういうものであるのか今は分からないことが多いけれども、神様を信じていれば、最終的にはすべてよいようにしてくださるのだと言って、それ以上問うことをやめてしまってきたように思います。私は、それを否定するつもりはありませんが、本当にそれでよいだろうか。そこに誤魔化しはないだろうか。人間の逃げがあるのではないか、もっと問い続けるようにすべきではないかと考えています。そうは言っても、私は何か答が見つかったわけではなく、相変わらず分からないことだらけです。しかし、その分からないという現実の中で私は、人間であることにもっとこだわりを持ち、人間であることをもっと大切にしなければいけないのではないだろうかと思っています。

 私たち人間は、よいことも悪いこともできる自由があり、自分の責任において自分のすることを決めていかなければなりません。そして、自分が選択したことによって自分が苦しむことになったり、人を悲しませることもあるのです。時には死が待ち受けている場合もあるのです。もしも私たちに選択する自由がまったくないとしたら、人間ではなくロボットと同じであります。そうなれば苦しんだり悲しんだりすることもなくなるかも知れません。同時に喜びや感動を味わうこともないでしょう。ともかく私たちが人間として生きることは、いろいろなことを体験する可能性を持っているということです。あなたがたは、そのような状況の中でどのように選択していくのか大きな意味を持っているのです。10月の高校土曜集会はペシャワール会代表の中村哲さんのお話です。あなたがたが、女学院の平和憲章を自分でどのように歩んでいくのか考える動機になればと思っています。>

 平塚校長の真摯なメッセージを読めば、石原都政下で呻吟させられている他校の高校生の皆さんは羨ましく思うことだろう。教育とはこうあってほしいと心から願う。


 さて、この学校で講演した“きくちゆみ”さんの感想をブログからのぞいてみよう。真実を求める若人たちの様子が生き生きと浮かんでくる。

<『高校生の皆さんへ―立教女学院で「911とつくられる戦争」を講演』

 10月4日、立教女子学院高等学校で600人の女子高生に講演をしてきました。すごかったんです!反響が。
 最初、寝ている生徒たち(かつての自分自身みたい!)もいたので、あまり興味がないのかな、と思いながら、「911とつくられる戦争」を影像を使いながら90分間お話しました(このテーマは、なんと学校側からの指定)。
 
 講演が終わると、わたしのいる校長室に泣きながら一人の生徒が入ってきて、その数がどんどん増えて、質問攻めに。最後にはなんと「サインしてください」ですって!彼女たちの質問には全部ていねいに答えて、求められたサインは全員にして、911真相究明国際会議のフライヤーも渡してきました。

 わたしを招いてくれた先生は、「これが公立学校だったら、決してできない企画。クビになるでしょう」と話してくれました。「うちの学校ではなにを話してもいいですからね」とも。日本の高校でわたしがこんな話をできるなんて、何か素晴らしい変化が起きています!

 今は私学に対する政府の締め付けも厳しく、私学助成金のことをちらつかせながら、教育内容に介入しようとしているそう。「このような平和教育が続けられるかどうかのせめぎ合いだ」ということも教えていただきました。

 校長室にきてくれた女子高生にわたしは「マスコミはもちろんですが、わたしの話も鵜呑みにせずに、自分で調べて、自分の頭で考えてください」と伝えました。一人は卒論(高校でも卒論があるそうです)で911事件をテーマにしているというので、びっくり。立教女学院は本当に進歩的、と思いました。

 わたしが911事件のことを追求しているのは、これを理由に今も対テロ戦争が続けられ、無実の人たちが殺されているからです。犯人を暴いて、その人たちに復讐したい、とかではありません。ただただ、嘘で始められた戦争を止めたいからです。911事件の闇に光をあて、すべての人に真実が行き渡り、もう戦争を選ばないような地球社会にしたい。戦争するより、助け合うほうがいい。わたしたちは殺しあうために生まれてきたのではありません。だからサインにはLave&Pease(愛と平和)と書きました。

 子供に健康に幸せに育ってほしい、って願う親の心。
 その願いはユニバーサル(万国共通)。

 戦争は勃発なんてしない(歴史教科書にはそう書いてあるけど)。
 必ず仕組んでいる人がいる。
 シナリオを書いている人がいる。

 敵対する双方に戦争資金を貸し付けている銀行家がいて、武器を売って儲けているビジネスマンがいる。一部の超エリートと呼ばれる人たちの利益のために、戦争はつくられていく。マスコミもその一端を担っている。

 戦争している国や戦争に協力している国のマスコミ(日本もね)は、政府にとって都合の悪いことを伝えてくれない。現場には良心的な記者がいるけど、都合悪い事実は上からストップがかかり、報道されない。
 だからわたしやあなたが、自分で調べて、メディア(伝い手)になろう、というのが今日の話でした。

 日本中の高校生にも911の隠された事実と、「対テロ戦争」がうそで始められ、続けられ、今も続いている、ということが伝わりますように。

 日本の自衛隊が「対テロ戦争」に参加することや、米軍のための無料ガソリンスタンド(インド洋での給油活動)を続けることに反対の声をあげる人が増えて、次の選挙でその結果がきちんと出ますように。

 こういうことにお金を使わなければ、日本から貧困はなくせます。私学助成だってもっと増やせるし、医療や教育(大学まで)だって無料にできるのです。(日本より経済的に貧しい国でも、やっているくにはある)

 次の選挙では、アメリカに貢ぐばかりじゃない新しい自立した日本政府を選びましょう。高校生の皆さん、あなたたちは無力じゃありません。小さな声を合わせて、大人たちに伝えてください。

 皆さんがお母さんになるころには、この地球上の誰もが爆弾に怯えずに子育てができるような地球にしたいです。一人ではできないけど、平和を願うみんなが力を合わせれば、きっと実現できると思います。>

 『きくちゆみのブログ』:http://kikuchiyumi.blogspot.com/

 (“きくちゆみ”さんと「911」に関しては3月14日の記事で取り上げたのでご参照ください。民主党の藤田議員が国会で初めて取り上げた影像もあります)

 『“911”はブッシュ政権の自作自演~』:http://blog.goo.ne.jp/inemotoyama/d/20080314
 
 参照:「世界丸見え!テレビ特捜部」http://video.google.com/videoplay?docid=-3202513221609984355&hl=en