続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

心霊スポット:常紋トンネル

2013-05-31 22:00:13 | バカなこと
道東に「常紋トンネル」という、わりとオカルト方面では名の知れた心霊スポットがあります。罪人を作業員にしてこき使い死んだらトンネルの壁に埋め込んだ、とかいう曰くがあって、そいつらの幽霊がたまに出るんだとさ。

華のない話だなと思います。

ここ数年間ネットを使っていろいろな怪談を読み聴き漁りましたが、そろそろネタ切れなのではないかと感じてます。だってもうどれもこれも既出話ばかりで、出だしの時点で先が読める、オチが知れる。パターンも出尽くして新機軸をやろうとしてわけわからない方向に行きかけて、一周廻ってもう飽きたという時期。

「怪談」というのは物語として成り立たせるために非常に高度な構成が必要とされます。恐怖という感情を刺激するにはまず「何が起こっているのかわからない」という未知の不安で引き込む必要があります。既知の不安は即対処プロセスの組立になるので恐怖になりません。放射能、テロリスト、暴力団とかでは怪談ではなく別の意味の怖い話になります。そいで序盤に未知の不安で「なんだか薄気味悪い」などと思わせたら、次はナゾ解明パートに移ります。移らないといけません。なぜならここで終わるとオチ無し意味なし、わけのわからないだけのコマ切れエピソードに過ぎず、ひどい時には「それでどうしたの?」「どこを怖がればいいの?」「あれはいったいなんだったのでしょうと言われても、当事者にわからないものを他人がわかるわけない」とか受け手側が当惑して、場の空気がトーンダウンします。ただで聴いてるネットラジオ怪談でさえ時間の無駄だったと腹立たしくなったりするのですから、金取って行う怪談イベント等だと目も当てられません。「こんなん呼んだの誰だよ、この雰囲気どーすんだよ」と会場が沈みきってしまった現場の動画がYouTubeにあって、なんとなく見てしまった私ですら気まずい程。箱も客も誰も幸せになれませんでした。どうしてこんなんなるまで放っておいちゃったの。

現在ネットで聞ける怪談はほとんどが2ちゃんねるオカルト板のコピペ出典であり、そのほとんどの原型は諸星大二郎の妖怪ハンターのシリーズの派生だったりして、ネットによる情報の収束共有化の速度が発想を追い抜いてしまってるので、もうしばらく怪談にバリエーションは増えないだろうと考えています。「八尺様」という秀逸な怪談が数年前に現れ、目新しい部分は少ないものの、このたいへんバランスが良い作品が田舎の伝奇ネタを終わらせてしまった気がします。


長々と書きましたが、もう見放した現在の怪談という物語構造へ文句言いたかったわけではありません。


「常紋トンネル」の常紋という文字。読みようでは「とこもんトンネル」って読めますよね。
トンネルにトコモンが住んでるのです。そいで列車が来ると
「きたでちゅ」
「よけまちゅ」
こそこそ

列車の窓から外を見るとまるっこいブタのようなうさぎのようなピンクい奴らと目が合うのです。トコモンいっぱい。トンネル内は暗いから写真撮る時はフラッシュをたいて撮ります。

「まぶちぃでちゅねー」
「びくりでちゅー」


楽しい妄想をしても現実にある常紋トンネルなどたんなる心霊スポット。トコモンパラダイスなはずはありません、所詮は非実在常紋トンネル。現実ってつまんねーな。


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