JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「フェイシズ」

2014-01-27 | 映画(DVD)
「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」

「フェイシズ」1968年 米 監督:ジョン・カサヴェテス

関係が破綻しかけている、ある中流アメリカ人夫婦の36時間の姿を描く人間ドラマ。
結婚後14年が過ぎ、夫婦関係が破綻しかけたリチャードとマリアは、ある日決定的な諍いを起こし、互いに別々の夜を過ごす。リチャードは美しい高級娼婦ジェニーと、マリアは友人たちと行ったディスコで出会った青年、チェットと・・・。

「ラヴ・ストリームス」で衝撃を受けたのでカサヴェテス2本目。
何にも知らんかった前回と違って今回は期待たっぷりでしたが、裏切るどころか、これまた期待以上の衝撃。
個人的にはこっちの方が何百倍も傑作でしょ、コレ!

モノクロです。36時間のドキュメント手法。これ、いったい何なんでしょう。
私には訳が解りません。どうして映像の力でもってこんなにも人の胸の奥にズシズシと響かせる事ができるのでしょうか?
アップで写し取る人の表情。ちょっとフォーカスを狂わせたりとか、手法的な効果も無いわけではないのでしょうが、そんな小手先のテクでこのようなものを写しとれるとは思えません。
いったいどんなマジックを使っているんですか、カサヴェテス。ただものではありませんな。

登場する人たち、何故か皆さんハイテンション。
ハイテンションだけに表情に浮き出る寂寥感とかが半端で無い事は確かか・・・

そして、ジーナ・ローランス。
「ラヴ・ストリームス」の16年前だから当然若い。若くて美しいブロンドの娼婦、ジェニー。
初老のリチャード(ジョン・マーレイ)と一夜を共にした後に片付け物という所帯じみた事をしている時に振り替えると、「あんた、泣いてんのネ・・・」
いやいや、おちょくっちゃいけませんね。
なんとも美しい表情です。

ジェニーの宿の先客の二人組の可笑しさも良かった。
マリアと友人三人三様の若い男への態度。特に、ダンスも踊れないチビハゲ亭主を持つというおばちゃんのリアリティ。

睡眠薬でどろどろのマリア(リン・カーリン)の表情。
間男発覚時のリチャードの一言・・・

それまでと打って変わってロングショットで見せる階段のシーン。夫婦二人のやりとりから、アコギのエンディング曲に入る絶妙の間・・・





久しぶりに観終わった後、しばし立ち上がれませんでしたよ。
しつこいですが「ローズマリーの赤ちゃん」のガイ役の俳優さんがこんな映画撮っていたなんてショックですわ。

今回のカサヴェテス特集、スケジュール都合でこの2本しか観れんかったのは残念。
また、どっかでやって頂戴。下高井戸さんに期待します。



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