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「LAMB ラム」2021年 氷・典・波 監督:バルディミール・ヨハンソン
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。
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山間での夫婦二人きりの牧羊生活。羊ではない何かが産まれ、最初はその姿をなかなか映さないが早目に異形の全貌が露わになる。「イングヴァル、やりゃーがったな」と思ったがそういう作品ではない。
子供を亡くした過去を持つ夫婦は神から授かった子として育てる。アダと名付けられた異形の子も、両親の愛の前に当り前の事のように成長していく。山間で3人家族だけの生活だからこそ成立する関係。音も必要最小限に抑えた演出が良い。そこに長く家を離れていたイングヴァルの弟が戻ってくるのだから、今まで通りにはいかない闖入者。しかもこの男、兄嫁に色目で手を出そうとするのだから、アダの生命の危機を想像してしまう。この関係性の緊張感が堪らない。。
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ところが、やがて弟もアダを受入れ可愛がりはじめる山間での4人の幸せな生活へと変化していく。茶の間でTVスポーツ観戦(ハンドボールかな?)、ラジオの音楽でダンスするシーンが良い。しかし、アダは自分の存在に疑問を抱く、鏡を見て両親との外見の違いに初めて疑問を抱く。羊面を被った状態のアダなので感情が汲み取りにくい。それでいてでビンビン伝わる不思議な感じ。やがて物語は驚愕の神話的展開へ向かっていく。
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マリア役のノオミ・ラパスがナイス・キャストである。多くの観客は途中から彼女の顔が羊に見えてきたのではないだろうか。
寡黙で時折鳴き声を発する羊さんたちは、やはり集団でいる時の存在が不気味で良い。集団の「羊たち」というと、どうも飼いならされた羊という言葉が脳裏を掠める。哀感があるんだよな。
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なんとも不思議なホラー作品。嫌いじゃなかった。
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池袋 新文芸坐
2022年12月
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。
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山間での夫婦二人きりの牧羊生活。羊ではない何かが産まれ、最初はその姿をなかなか映さないが早目に異形の全貌が露わになる。「イングヴァル、やりゃーがったな」と思ったがそういう作品ではない。
子供を亡くした過去を持つ夫婦は神から授かった子として育てる。アダと名付けられた異形の子も、両親の愛の前に当り前の事のように成長していく。山間で3人家族だけの生活だからこそ成立する関係。音も必要最小限に抑えた演出が良い。そこに長く家を離れていたイングヴァルの弟が戻ってくるのだから、今まで通りにはいかない闖入者。しかもこの男、兄嫁に色目で手を出そうとするのだから、アダの生命の危機を想像してしまう。この関係性の緊張感が堪らない。。
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ところが、やがて弟もアダを受入れ可愛がりはじめる山間での4人の幸せな生活へと変化していく。茶の間でTVスポーツ観戦(ハンドボールかな?)、ラジオの音楽でダンスするシーンが良い。しかし、アダは自分の存在に疑問を抱く、鏡を見て両親との外見の違いに初めて疑問を抱く。羊面を被った状態のアダなので感情が汲み取りにくい。それでいてでビンビン伝わる不思議な感じ。やがて物語は驚愕の神話的展開へ向かっていく。
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マリア役のノオミ・ラパスがナイス・キャストである。多くの観客は途中から彼女の顔が羊に見えてきたのではないだろうか。
寡黙で時折鳴き声を発する羊さんたちは、やはり集団でいる時の存在が不気味で良い。集団の「羊たち」というと、どうも飼いならされた羊という言葉が脳裏を掠める。哀感があるんだよな。
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なんとも不思議なホラー作品。嫌いじゃなかった。
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池袋 新文芸坐
2022年12月
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