
ナルコレプシーという奇病を題材にした映画という事で興味を抱きました。
ナルコレプシーというと色川武大なんだけど、さてさて・・・
どこでも発作的に眠ってしまう病気“ナルコレプシー”のため、子どものころからばかにされ続けてきたギュス(ギョーム・カネ)。愛する女性パム(ザブー・ブライトマン)と結婚しても、いつまでも定職に就けず役に立たない彼に、妻も愛想をつかしてしまう。そんなある日、ギュスは眠っている間に見た夢をコミックに描き始めるが……。
色川武大の文章からはいつの間にか静かに眠っているイメージだけれど、ギュスの場合は活動中でも発作的に派手にバタンキューとなる。
いくらなんでもそれは無いだろうと思う。病気を真面目に取上げて行く作品ではなく、病気の持つ特性を活かした喜劇という位置づけだからこれでいいのでしょう。
従って、ナルコレプシー以外にも沢山奇病に悩む人々がギャグとして使われて行く。
集団診療セラピーでのお仲間たちが凄い。奇病連盟か?
登場人物はそれぞれ何らかのコンプレックスを持っていて、人生何らかの挫折をしている。学生の頃はプリンセスと持て囃されていたけど、一歩道を踏み外し、結局ナルコレプシーの夫というカスを掴まえて、思い描いた幸福な人生がままならず苦労の絶えない妻。
親友レニー・バーは世界最強のカラテ・スターをいまだに夢見ている。
さらに、集団診療の精神科医まで、コミック作家を夢見ていたが絵の才能が無く挫折し、いまだにそれを引きづっている。
悲しい過去を持つフィギュア・スケートの双子の殺人鬼も強烈なキャラ。
そして、何と言ってもギュスの父親。フランク・シナトラを愛し、B級アクション映画を愛する、かなりいいかげん男。
この映画はフランス映画だけれど、アメリカ映画への思いも描かれている。
ギュスが夢みてコミックに描く場面はスクリーン上ではハリウッドばりの戦争映画であり、スペース・ファンタジーであり、近未来アクションとして表現される。
あの、おフランスにもアメリカに毒された一面があるという事実。
つくづくアメリカさんというのはオトロシイ・・・
精神科医の悪意も手伝い親友や妻の裏切りへとなって行く。しかし、親友レニー・バーは実名カメオ出演の憧れの人であるジャン・クロード・ヴァンダムに諭され改心する。
愛の無い成功には意味は無い。
誰しも愛する人にとってはヒーローなんだ。
皮肉にもギュスのナルコレプシーは裏切り陰謀による事故のおかげで全快する。
昏睡状態の間に裏切られた事ははらわた煮えくり返るほど頭にきたが、病気のせいとはいえ今まで家族に迷惑を掛け続けてきたのだ。ギュスの取った最終判断は正しい。
映画音楽には、ヴェルベット・アンダーグラウンド、ザ・キンクス、イギー・ポップなど。
最近、家に居てもすぐに居眠りをしてしまうので「ナルコレプシーかな?」と言うと
「夜更しのしすぎでしょう」と指摘されました。
それもあるし、あとは歳のせいもある?・・・
2004年フランス 監督/脚本/台詞:トリスタン・オリエ&ジル・ルルーシュ
渋谷 ユーロスペース


ナルコレプシーというと色川武大なんだけど、さてさて・・・
どこでも発作的に眠ってしまう病気“ナルコレプシー”のため、子どものころからばかにされ続けてきたギュス(ギョーム・カネ)。愛する女性パム(ザブー・ブライトマン)と結婚しても、いつまでも定職に就けず役に立たない彼に、妻も愛想をつかしてしまう。そんなある日、ギュスは眠っている間に見た夢をコミックに描き始めるが……。
色川武大の文章からはいつの間にか静かに眠っているイメージだけれど、ギュスの場合は活動中でも発作的に派手にバタンキューとなる。

いくらなんでもそれは無いだろうと思う。病気を真面目に取上げて行く作品ではなく、病気の持つ特性を活かした喜劇という位置づけだからこれでいいのでしょう。
従って、ナルコレプシー以外にも沢山奇病に悩む人々がギャグとして使われて行く。
集団診療セラピーでのお仲間たちが凄い。奇病連盟か?

登場人物はそれぞれ何らかのコンプレックスを持っていて、人生何らかの挫折をしている。学生の頃はプリンセスと持て囃されていたけど、一歩道を踏み外し、結局ナルコレプシーの夫というカスを掴まえて、思い描いた幸福な人生がままならず苦労の絶えない妻。
親友レニー・バーは世界最強のカラテ・スターをいまだに夢見ている。
さらに、集団診療の精神科医まで、コミック作家を夢見ていたが絵の才能が無く挫折し、いまだにそれを引きづっている。
悲しい過去を持つフィギュア・スケートの双子の殺人鬼も強烈なキャラ。
そして、何と言ってもギュスの父親。フランク・シナトラを愛し、B級アクション映画を愛する、かなりいいかげん男。

この映画はフランス映画だけれど、アメリカ映画への思いも描かれている。
ギュスが夢みてコミックに描く場面はスクリーン上ではハリウッドばりの戦争映画であり、スペース・ファンタジーであり、近未来アクションとして表現される。
あの、おフランスにもアメリカに毒された一面があるという事実。
つくづくアメリカさんというのはオトロシイ・・・

精神科医の悪意も手伝い親友や妻の裏切りへとなって行く。しかし、親友レニー・バーは実名カメオ出演の憧れの人であるジャン・クロード・ヴァンダムに諭され改心する。
愛の無い成功には意味は無い。
誰しも愛する人にとってはヒーローなんだ。

皮肉にもギュスのナルコレプシーは裏切り陰謀による事故のおかげで全快する。
昏睡状態の間に裏切られた事ははらわた煮えくり返るほど頭にきたが、病気のせいとはいえ今まで家族に迷惑を掛け続けてきたのだ。ギュスの取った最終判断は正しい。


最近、家に居てもすぐに居眠りをしてしまうので「ナルコレプシーかな?」と言うと
「夜更しのしすぎでしょう」と指摘されました。


2004年フランス 監督/脚本/台詞:トリスタン・オリエ&ジル・ルルーシュ
渋谷 ユーロスペース

評判は今イチだったけど内容はそんなに悪くなかったような…。
ホント評判今イチのようで私が観た回も劇場はガラガラ貸切状態。上映スケジュールも変更になったようですね。
楽しみ処は随所にあると思いますが・・・