JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「秀子の應援團長」

2017-03-13 | 映画(DVD)
「松山善三 高峰秀子 ~夫婦で歩んだ映画人生」

「秀子の應援團長」1940年 南旺映画 監督:千葉泰樹

野球好きのお譲さんが、弱小プロ球団の応援歌をつくって見事チームを勝利へと導いていく---。アイドルもののお手本のような明るく楽しい仕上がりで巨人軍、東京セネターズ等当時の選手たちが多数出演している。



念願の初観賞。素晴らしい!不思議な大感動。
活字やスチールでしか知らない往年の職業野球名選手の練習やプレーが見られるだけでも価値あり。
現代に作られる戦前戦中舞台の野球映画では到底現せない同時代の味。

時は1939年頃、アトラスのエースが出征するなど戦争の影はあるが、まだまだ長閑にベースボールを楽しめる良き時代。すぐ後に敵性語の禁止など戦渦に巻き込まれる暗い歴史を迎えるだけに野球描写のキュートさが際立つ。選手が一球一球首をかしげたり、監督とベンチの一緒に球を追う目線とか。
千田是也の叔父さん、監督姿が妙に様になってる。

歓声と拍手が主体の観客席に轟く可愛らしい応援歌。どこか学生野球応援団はこの曲をリバイバルして欲しい。
ああ、もう一度このようなスタジアム環境でプロ野球観戦をしたい。
ただ、劇中での使い方、相手の攻撃で守勢に回っての「打て!打て!」は無いでしょう。

「野球小僧」の灰田勝彦が気の弱い投手役で一曲歌う。

アイドル・デコちゃんは近所の子供と野球をしたり、家庭事情で参加できない子の家で号令かけての家事手伝い。窮屈な家庭でものびのび明るくお茶目。



時代の良き部分が切り取られていて幸福感に浸れる。


セネターズのスタジャンアップから始まる練習風景。

架空チームアトラスのスタジアム・ジャンパーもオシャレ、モノクロだから色は判らないが袖が何やらチェック柄っぽい。


二塁ランナー水原君


三冠王中島治康はスチールで見る通りの構えで・・・

練習風景ではスタルヒンがポンポン投げ込んで来る。スタルヒン、試合では一塁ランナーでした。


セネターズの背番号5と言えば苅田か?調べてみると苅田はこの年背番号15に変えてるけど、これは別の人でしょうか?


阪急軍の練習風景、調べると手前の3人は捕手の方々。


大阪タイガースは眼鏡の一塁手松木謙治郎、景浦の姿もチラッと見えました。


右から左へ後楽園スタヂアムのサイン。球場周辺もほとんど何もありませんね。


当時の観戦風景。鳴り物なんて野暮な応援はなく、デコちゃんたちの応援歌がしっかり選手の耳に届きます。
個人的には学生野球は応援合戦が楽しく、高校野球はブラバンの活躍が良いと思っていますが、職業野球は子供の頃見たり、現在のメジャー・リーグのように静かな環境が好ましいと思ってます。拍手、歓声、気の利いた野次。サッカーの真似した声による組織的応援なんかも野球には合わないので要りません。



ラピュタ阿佐ヶ谷

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