「ニッポンの猥褻 絶倫好色一代記」

「ＯＰ映画＆新東宝 メモリアル作品」特集

新東宝３０周年記念作品
「ニッポンの猥褻　絶倫好色一代記」1993年　新東宝　監督：深町章

6歳で性に目覚めた鉄は、17歳の時に娼窟で初めて女を抱いた。30歳の頃、ひょんなことから体を重ねた風変わりな女は、その後愛人を情事の末に殺し、逸物を切り落として逃走した阿部定だった。太平洋戦争が終結し、鉄は性愛相談所を開くうち、初体験の相手そっくりの幸子と出会い同棲を始める。彼女は娘の知佳を出産し間もなく死亡した・・・。

絶倫好色男、性学者・橋本鉄（久保新二）の一代記で大正から昭和にかけて性の世の中を駆け巡るのだが、その中にはイザナギノミコトとイザナミノミコト（久保新二と橋本杏子）の日本誕生セックスまで描かれていて壮大？

宮武外骨（劇中では宮滝）は登場するは、震災は起きるは、二二六事件の戒厳令の夜に茶屋で出会った奇妙な女は阿部定であったり（遅れてやってきた男とシルエットで「吉三」、「定」と呼び合う）とにかく新東宝30周年記念だけあって、その効果はともかく気合だけは充分。
阿部定役の石川恵美がとても雰囲気を出していて、これは松田暎子や宮下順子よりええかもしんない。

敗戦を迎えるとクリニックを開業。性に悩む進駐軍の役で登場するは、快楽亭ブラック師匠。履物フェチなＭぶりや、不感症の金髪女房に犬ころのように一心不乱に舌でご奉仕する姿はブラック師ならでは！

猥褻とは何かを追求しつづけてきた鉄の行き着く先は・・・
筆卸をしてもらった女郎に瓜二つのヒッピー女（橋本杏子・2役、否、イザナミノミコトと合わせて3役か）に産ませた娘（林由美香）との近親相姦こそが究極の猥褻。
でも、押しかけヒッピー女房、死ぬ間際に「あんたの子じゃない」って言ってたじゃん・・・・

今回のクロージング「ＯＰ映画＆新東宝 メモリアル作品」特集3本立
「色欲怪談　江戸の淫霊」「秘技四十八手　枕絵のおんな」「ニッポンの猥褻　絶倫好色一代記」
メモリアル作品特集だけあって通常のピンク3本と豪華さが違うため満足度が高かったなぁ。

上野オークラ劇場