「マジカル・ガール」2014年 西 監督:カルロス・ベルムト
失業中であるうえに、娘のアリシアが白血病で余命いくばくもないという過酷な状況に置かれているルイス。ある日、彼は日本製アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンである娘が、キャラクターのコスチュームを着て踊りたいと願っているのを知る。父親としてアリシアの望みをかなえるべく、高価なコスチュームを手に入れようと奔走するルイス。しかし、そんな彼の決意と行動が、元教師ダミアンと心に闇を抱えている女性バルバラを巻き込み、悲愴な事件を招くことになる。
上映中は物静かな佇まいながら、どんどん先の読めない、明後日の方向へ転がりだすストーリーを満喫。
そのうえ、キャラの背景とかははっきり描かない省略が巧みで、謎は謎のまま放置さるもんだから、鑑賞後も「あれはどうなんだろう、どうしたんだろう」とあれやこれやと思いを巡らせる事になる。つまり上映時間の何倍も作品を楽しめるといった類の優れものでした。
気になりますよね。
バルバラとダミアンの過去に何があったかは当然、気になりますでしょ。
ダミアンがルイスと対峙した時に告白する殺人以外の罪状。気になるじゃないですか・・・
製作サイドは答えを用意しているわけではないので、観客の想像に委ねられる。つまり、どう妄想したって自由なわけだ。そうなると自分にとって俄然この作品は「変態映画」という素晴らしい称号を与えたくなるってもの。
バルバラとダミアン以上に気になるのが、バルバラと彼女の精神科医でありながらご亭主との関係。
ただならぬ禍々しさ。私は何か、ラース・フォン・トリアーの「アンチ・クライスト」と同様の匂いを感じてしまったりした。
他にも、父親から「魔法少女ユキコ」コスチュームをプレゼントされたのに画龍点晴を欠いたために部屋で嗚咽していたアリシアの心情とか、考え出すと面白くてしょうがない。
ある種、愛の映画と捉える事も可能。ただし、マジカル・ガール(最初はアリシアの事かと思いましたが、バルバラも・・・)たちに動かされる男たちは何も本当の気持ちを解っちゃいない。早合点の暴走の、独りよがり的愛を感じられるので、当方の好みに非常に合う。
あたり前ですね、先に述べたように答は無いので、自由に自分好みに解釈できる作品なんですから。答えが無いという事はミスリードもOKって事で・・・
監督は相当な日本贔屓だそうで、特にアニメに造詣が深いらしい。明らかに私のような日本人観客より理解しているわけで。
魔法少女ものといえば、こちとら、「まどかマギカ」くらいしか見ていない。
だけど、「まどマギ」を見ておいたのは大きかった。影響かなりあるでしょう。
まさに、希望と絶望。濁っていくソウルジェムのお話ですね。
日本通といえば、多分、私は初めて聴くアイドル長山洋子の曲とか、
なんと、丸山明宏の「黒蜥蜴」まで。
実は後者に至ってはエンドロールにAkihiro Miwa ”Black Lizards”の文字を見つけて初めて気づいたんですけど。
風が吹けば桶屋が儲かる的に転がる展開。その割には落ちの言葉は読めてしまう。落ちとしては改善の余地がありそうだが・・・
あと、スペイン語ってやっぱり気持ちいい。特にファムファタール、バルバラの名を周囲の男たちが発音する感じが好き。
ヒューマントラスト・シネマ有楽町
失業中であるうえに、娘のアリシアが白血病で余命いくばくもないという過酷な状況に置かれているルイス。ある日、彼は日本製アニメ「魔法少女ユキコ」の大ファンである娘が、キャラクターのコスチュームを着て踊りたいと願っているのを知る。父親としてアリシアの望みをかなえるべく、高価なコスチュームを手に入れようと奔走するルイス。しかし、そんな彼の決意と行動が、元教師ダミアンと心に闇を抱えている女性バルバラを巻き込み、悲愴な事件を招くことになる。
上映中は物静かな佇まいながら、どんどん先の読めない、明後日の方向へ転がりだすストーリーを満喫。
そのうえ、キャラの背景とかははっきり描かない省略が巧みで、謎は謎のまま放置さるもんだから、鑑賞後も「あれはどうなんだろう、どうしたんだろう」とあれやこれやと思いを巡らせる事になる。つまり上映時間の何倍も作品を楽しめるといった類の優れものでした。
気になりますよね。
バルバラとダミアンの過去に何があったかは当然、気になりますでしょ。
ダミアンがルイスと対峙した時に告白する殺人以外の罪状。気になるじゃないですか・・・
製作サイドは答えを用意しているわけではないので、観客の想像に委ねられる。つまり、どう妄想したって自由なわけだ。そうなると自分にとって俄然この作品は「変態映画」という素晴らしい称号を与えたくなるってもの。
バルバラとダミアン以上に気になるのが、バルバラと彼女の精神科医でありながらご亭主との関係。
ただならぬ禍々しさ。私は何か、ラース・フォン・トリアーの「アンチ・クライスト」と同様の匂いを感じてしまったりした。
他にも、父親から「魔法少女ユキコ」コスチュームをプレゼントされたのに画龍点晴を欠いたために部屋で嗚咽していたアリシアの心情とか、考え出すと面白くてしょうがない。
ある種、愛の映画と捉える事も可能。ただし、マジカル・ガール(最初はアリシアの事かと思いましたが、バルバラも・・・)たちに動かされる男たちは何も本当の気持ちを解っちゃいない。早合点の暴走の、独りよがり的愛を感じられるので、当方の好みに非常に合う。
あたり前ですね、先に述べたように答は無いので、自由に自分好みに解釈できる作品なんですから。答えが無いという事はミスリードもOKって事で・・・
監督は相当な日本贔屓だそうで、特にアニメに造詣が深いらしい。明らかに私のような日本人観客より理解しているわけで。
魔法少女ものといえば、こちとら、「まどかマギカ」くらいしか見ていない。
だけど、「まどマギ」を見ておいたのは大きかった。影響かなりあるでしょう。
まさに、希望と絶望。濁っていくソウルジェムのお話ですね。
日本通といえば、多分、私は初めて聴くアイドル長山洋子の曲とか、
なんと、丸山明宏の「黒蜥蜴」まで。
実は後者に至ってはエンドロールにAkihiro Miwa ”Black Lizards”の文字を見つけて初めて気づいたんですけど。
風が吹けば桶屋が儲かる的に転がる展開。その割には落ちの言葉は読めてしまう。落ちとしては改善の余地がありそうだが・・・
あと、スペイン語ってやっぱり気持ちいい。特にファムファタール、バルバラの名を周囲の男たちが発音する感じが好き。
ヒューマントラスト・シネマ有楽町
確かにこの手のものは一歩間違えると面倒くさい事になってしまうのですが、本作は想像にかなり変態性の入る素地があるのが良かったのかもです。
バルバラの半生というスピンオフが見たいような見たくないような・・・
そういう場合、私は案外点数低くなってしまうので
見たすぐ後はそれほどでも無かったんだけれど
上記↑の理由でだんだん好きになっちゃいました
人気がジワジワ出たみたいで嬉しいですね!