JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ヒューマン・ハイウェイ ≪ディレクターズ・カット版≫」

2015-09-21 | 映画(DVD)
「ヒューマン・ハイウェイ≪ディレクターズ・カット版≫」2014年 米 監督:バーナード・シェイキー、ディーン・ストックウェル

カナダのロックスターであるニール・ヤングがバーナード・シェイキーという別名で監督を務め、300万ドルの自腹を切って撮り上げた1982年製作異色コメディーのディレクターズ・カット版。
廃棄処理場のある小さな町では放射能汚染が広がり、ひどい状態となっていた。そんな中、車の整備工として働く男は夢の中でネイティブアメリカンと共に歌ったり、コンサートを開催していたものの、結末は原発事故によって地球が終了するというもので……。



酔狂で作った自腹映画とは思えない面白さ。原発の街の愉快な面々。みんなどうかしている。
チープなセットと二重撮影がサイケな雰囲気を醸していてカッコ良い。そしてDEVOの使い方に冴えを見せる。
登場人物全員がおバカ演技で、中でも自動車整備工ライオネルのニール・ヤングが変顔を駆使して喜々と演じてる。





相棒は拭き掃除しか能がないし、隣の同経営のダイナーのウエイトレスがそれぞれセクシーバカの牛乳風呂。
デニス・ホッパーのホンモノガイキチ演技にビビる。



放射能汚染された作業員のDEVOの面々は赤く光ってる。この街では汚染された蠅まで蛍のように赤く光ってる。
放射能の恐怖を可視化してるんだけど、そもそも可視化できたら恐怖が半減するんだけどね。







くだらないんだけれど、楽しめるのはやはり音楽使いのセンスのなせる技?
「The End of the World」が美しく使われていて、「進撃の巨人」の後編を観に行かなくっちゃならない事を思い出したりした。

DEVOとニール・ヤングによる「HEYHEY MYMY」が一番の見せ場である事は間違いない。これは幻覚なんだけれど・・・



My My, Hey Hey

夢の世界はインディアン像を焼く意味不明な妄想に発展して「Goin' Back」はいかにもニール・ヤング・サイケ。
楽しいミュージカル・シーンの「It takes a worried man」が耳から離れない。

反核映画(A NUCLEAR COMEDY)と言う事になってるんだけれど、登場人物全員おバカというのが何か皮肉めいていて、ちょっと恐ろしい。

地球が滅びた後、DEVOのブージー・ボーイが「風に吹かれて」ならぬ「屁に吹かれて」の詩を朗読するのも良い。

意味不明な点も多いこんな映画だけれども実はとっても好きで何度でも観たい。かなり病みつき度合いが高いと思われソフト購入も辞さずです。


オリジナルTシャツが映画の内容と違い黒でシブいデザインなので、こちらも欲しくなったが、なんとか思い留まる事ができた。






新宿シネマカリテ

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