JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「影なき男」

2011-05-16 | 映画(DVD)
「映画史上の名作5」

「影なき男」1934年 アメリカ 監督:W・S・ヴァン・ダイク
原題:The Thin Man

探偵家業を引退して金持ちの妻・ノラ(マーナ・ロイ)と優雅な新婚生活を楽しんでいたニック(ウィリアム・パウエル)は、友人の娘(モーリン・オサリヴァン)から事件の依頼を受ける。行方不明の父に殺人容疑がかかっているというのだ。ニックは捜査を開始し……

原作はダシール・ハメット。「血の収穫」「マルタの鷹」「ガラスの鍵」は昔、読んだし、「マルタの鷹」は映画でも見ている。
そのようなハード・ボイルド作品イメージから本作を観るので、ちょっと驚いた。これって、ハメットなの?
未読の「影なき男」自体もそれまでの作品に比べて通俗的であるらしいが・・・

主演のウィリアム・パウエル。この時代の映画知識に乏しい私としては、「お、この人見たことある『襤褸と宝石』に出ていた人だ。」と・・・、これはシネマヴェーラさんのおかげ。
2作しか見てないけど、この手のコメディタッチの中年役がカッコ良く、楽しい。

かつては名探偵だったニックも今や大富豪の娘と結婚して平和な日々。そこに持ちかけられた事件。ニックはあまり気が進まないようで、むしろ若妻のノラの方が「探偵として活躍するあなたの姿が見たい」なんて大乗り気。
この夫婦のユーモアたっぷりの会話に愛犬アスタのとぼけた活躍を中心としたラブ・コメ要素の強い推理サスペンス。
落ち着いた大人で、やはり推理にキラリと光る物を見せるニックに対して、ノラの見せる無邪気さが可愛い。

容疑者とされる発明家の男。冒頭の研究所のシーンからして、何を発明しているのやら怪しさ満点でワクワク。

流石に後半は推理物の展開となり、パーティーに事件関係者を呼んでニックが推理を語っていく。果たして犯人は誰か。
登場人物も多くて、推理の段はちょっと戸惑ってしまいましたが、例によってそういう事は面倒臭いので、気にしない。
得てして、意外な人物が犯人なわけで、そういう意味では意外じゃない犯人です。

ニックは推理だけでなく度胸も俊敏な運動神経も備えており、身の危険を2度ほど、強烈なパンチで神業的に切り抜けています。
このパンチの唐突であり電撃な様が、また笑えます。

ニック&ノラの理想的な夫婦の関係は好評で、シリーズ化されているんですね。
他も見てみたい。
「夕陽特急」1936年
「第三の影」1939年
「影なき男の影」1941年
「風車の秘密」1944年
「影なき男の息子」1947年
とあるそうですが、DVD化もされておらず、シネマヴェーラさんに期待するしかないようです。

ダシール・ハメットの原作にも当たってみたいところです。


ジョニー・ディップでリメイクされるそうです。
文庫本も復刊される可能性が高いですが、その前に・・・

シネマヴェーラ渋谷

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