JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「明日に向かって撃て!」

2011-05-15 | 映画(DVD)
「午前十時の映画祭 Series1 赤の50本」

「明日に向かって撃て!」1970年 アメリカ 監督:ジョージ・ロイ・ヒル
原題:BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID

西部の悪名高い強盗団「壁の穴強盗団」のリーダー、ブッチ(P.ニューマン)とその相棒サンダンス(R.レッドフォード)は、列車強盗を繰り返していたため、鉄道会社が派遣した凄腕の刺客に追われることに。あわやこれまでというところ、なんとか逃げ切ったふたりはサンダンスの恋人エッタ(C・ロス)とともにボリビアに逃げ込む。しかし、そこは彼らの想像とは違う国だった。

未見のものより、昔見て好きだった物を優先してしまう「午前十時の映画祭」
これは、学生時分に上映があって、私はこの映画の知識がほとんど無かったのですが、ラテン・アメリカ好きの同志から「ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが追われてボリビアに行くストーリーなんだ」と聞き、それは見ておかなきゃいかんと、やはり同好の先輩女子を誘って3人で見に行ったものです。
同好の彼としてはブッチ、サンダース、エッタを気取りたかったんでしょうね。

30数年ぶり2度目の鑑賞。
有名なB.J.トーマス「雨に歌えば」のシーンが随分と唐突に感じた記憶がありました。
今回、見返してみて、唐突どころか音楽をこれほど巧みに入れ込んでみせる映画全体の完成度に唸らされます。
アメリカン・ニュー・シネマの傑作と言われています。
実話のストーリーを映画として昇華させた、その手法の完璧さ。
カラカラ鳴る映写機の音から始まるオープニング。
ポール・ニューマンとキャサリン・ロスの自転車。自転車に未来への思いを乗せていたが、後にボリビア行きが決まって荷造りの際「何が未来だ」と自転車を勢い良く投げ出すシーンからボリビアへの旅程。セピアのスチールと音楽だけで見せて行く、追われている物とは思えない楽しそうな3人の逃避行。
40年の時を隔てて、いや、40年という歴史が作品に更なる輝きを与えたのじゃないのか。見ていて、とっても幸せな気分に浸る。
これほど奇跡的にパーフェクトな作品は滅多にお目にかかれないんじゃないだろうか。

崖っぷちまで追いつめられた、ブッチとサンダンスの会話。泳げないサンダンスを伴い決死のダイブ。などなど、好きなシーンは多いけれど、
やっぱりボリビアへ到着してからのエピソード。
ボリビアのとある駅に辿りついて、その何も無さに落胆するレッドフォードが可笑しい。
スペイン語が理解できず困惑する2人に、エッタのスペイン語教室。
カンペを読みながら銀行で強迫するまぬけさ。
真っ当な職に付こうとして用心棒に雇われるエピソードが楽しい。

Going to Bolivia! (Butch Cassidy and the Sundance Kid)

Don't tell me how to rob a bank (Butch Cassidy and the Sundance Kid)

これまた有名なラスト・シーン。
実話を元にしている悲しい結末も、あまりに優れた邦題によって、一級の青春映画として輝く。

でも、シンプルな原題も捨てがたいですけどね。

「スティング」ともども所有欲を掻き立てる名画。

明日に向かって撃て! ― オリジナル・サウンドトラック
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明日に向って撃て! ―特別編― [DVD]
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明日に向って撃て! [Blu-ray]
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有楽町 TOHOシネマズみゆき座

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