JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身」

2012-09-27 | 映画(DVD)
〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 Part2
-午後8時の映画祭-

「ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身」1998年 新東宝 監督:女池充

酔った勢いで肉体関係を持った男女。火事になったホテルで彼らを救出した消防士。そんな三人の織りなす奇妙なトライアングル。四天王の次世代(ピンク七福神)の女池充監督作による爽快感あふれるラブ・コメディ。

またまた、女池充の傑作ピンクに出くわした。
いきなり男女のセックスシーンから始まり、タイトル・イン。ホテル火事で消防士(田中要次)に救出される麻子(佐々木ユメカ)とスプリンクラーのシャワーの中で踊る(ねぼけ)山田(川瀬陽太)のシーンをはさんで、また美容室で別のカップルのセックス・シーン。
もう開始5分で本作が傑作である事を確信して思わず前のめり。
そしてからみのシーンではボカシなどという野暮な物は現れず、カメラワークによって回避する陰部が不自然でなく、かつ、腰の動きなど充分に扇情的なのだから偉い。

脚本良し、カメラ良し、音楽良し、役者良し・・・。
大袈裟でなく、今まで見たピンクの中でベストかもしれない。

佐々木ユメカがこんなにも魅力的であるとは気づかなかった。甘える可愛さ、気の強さ、怒った時も素敵。
胃のあたりのTATOOが玉に瑕ではあるが・・・。
多いセックス・シーンもとても自然でなんだか心の奥が温かくなるような・・・。女性も安心して見られるんじゃなかろか。

素朴な消防士・須藤の田中要次も良い。麻子に裏切りがばれてキッチンの向こうで凝固。
男同士の奇妙な友情。裏切りに気づいた山田の川瀬陽太が怒りに走らずそっと消える。まさに「あ~あんあ、やんなっちゃった。あ~あ、ああ、驚いた」
ウクレレやピアノ曲の使い方も壺を得ている。
描くユメカの似顔絵がまた似ている。

須藤が行きずりの男に成り替わったって所は、成り行きもあるのだろうが、
「エッチ、すごかったね」と、その1点だけ記憶がある麻子に対して、その男に成り済まそうというのだから、考えれば大胆。須藤さん、そっちの方自信あったんかな。素朴な佇まいしておいて、憎いね。

もう1人の脱ぎ要員、相沢知美の方もお顔はともかく、綺麗な乳で、美容室店長とのからみは最初から、かなりエロいのです。重要な脱ぎ要員。
とにかくラブコメディの中でのからみシーンがまったくだれる事なく、無駄が一切無いというのはお見事。

手紙文の中での消防士が山田と麻子2人と同じ部屋に登場するラスト・シーン感覚もとっても好き。

(STOP USING)SEX AS A WEAPON+(JUST LIKE)STARTING OVER
シナリオタイトルです。

ぐしょ濡れ美容師。実は本当にぐしょ濡れになるのは美容師ではなく、そのお相手の川瀬陽太なんですね。

銀座シネパトス

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