映画 「徳川セックス禁止令 色情大名」

今回シネマヴェーラ渋谷の企画は「最終兵器・鈴木則文降臨！」
ど素人（そのくせへんな邦画ばかり見てるな）なので鈴木則文と言われてもピンとは来ない。
エロと笑いとアクションの最終兵器でもって「トラック野郎」を撮った方だそうで・・・
本当は藤純子の「緋牡丹博徒一宿一飯」も見たかったのだけど早退になっちゃうんで。

丹波哲郎特集での「ポルノ時代劇忘八武士道」を見逃して悔しい思いをしたのでこのポルノは見ておこうと思いましてん。

「徳川セックス禁止令　色情大名」1972年　東映　監督：鈴木則文
脚本は鈴木則文と掛札昌裕

女嫌いの将軍がフランス仕込み（仏ポルノ女優サンドラ・ジュリアン）のテクニックで女体に開眼したのをきっかけに発せられた、一切の男女の交わりを禁ずる、法令175条「閨房禁止令」破る者には容赦ない刑罰が下る。やがて勃発する「やらせろ一揆」と忠臣の反逆・・・笑いと反骨精神に満ちた娯楽時代劇。

神さえも許されない、愛・性を管理・検閲する悪法が「175条」というところが良いですね。

艶笑落語的なギャグポルノで家老殿山泰司の太鼓に合わせる初夜とか、殿山泰司の息子で色狂いの山城新吾と年増処女藤波（三原葉子）のカラミでは「欣也め」も登場（爆）
「やらせろ一揆」という発想もバカバカしくて良い。

エロとして見るならサンドラ・ジュリアン。緊縛こそ無いものの白黒、レズ、リンチ、磔、渡辺文雄のフランス語嬲り、十字架プレイ、等々・・・

時代劇ギャグポルノでありながら意表を付くＢＧＭ。バート・バカラックもどきかと・・・70年代を感じられて楽しい。
出色は梢（池島ルリ子）の女人切腹シーンでのＢＧＭ。

それにしても殿様の嫉妬から発せられた法令175条撤廃に実に多くの犠牲が払われたものだ。その翌年領内では子供が沢山生まれ人口が飛躍的に増えたとか・・・そりゃそうだろう。
これが人間本来の姿なんだと・・・
人間本来の姿さえ怪しくなってしまった現代人のこの国の少子化問題では法令175条閨房禁止令も対した効果が期待できないように思われる。
これって恐ろしい事ですよ、実際。

最後にもう一つギャグ
サンドラに「すぺしゃる」のサービスを施されて歓喜する殿様。
「おー、素晴らしい。このテクニックはオランダ伝来か、ポルトガルか」と問えばサンドラ、カタコトで
「イエ、トルコ、デス」



4月24日