JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「夜が明けたら」

2016-12-17 | 映画(DVD)
「妄執・異形の人々 文芸篇」

「夜が明けたら」1973年 円谷プロダクション=フジテレビ 監督:黒木和雄 原作:山田風太郎 16mm

「恐怖劇場アンバランス」の一本。娘に絡んできたチンピラたちをハサミで刺し有罪になった父親が、何故か出所後に加害者たちに金を渡すようになり・・・。本当の加害者とは、そして正当防衛とは。人の良い初老の仕立て屋である父親役の西村晃の魂の演技が心に突き刺さる。黒木和雄監督による傑作ドラマ。

2010年浅川マキが亡くなった時、YOU TUBEで見つけた「夜が明けたら」(現在は関連付けられていた YouTube アカウントが停止されたため、再生できません。)これは何だ?と思って調べていくと深夜ドラマの「恐怖劇場アンバランス」にたどり着いた。
まさか、そのドラマが劇場で見られる事になるとは思わなかった。

今回の特集のお目当ては岡林信康(未投稿)と浅川マキ。

しかも原作は山田風太郎。「夜よりほかに聴く者はなし」からの一篇。



まず、娘がチンピラにちょっかいを出されて、助けに入った父親が正当防衛から過剰防衛へチンピラども刺してしまうシーンまで。
足音以外一切の音を排除して撮られる。これは見事にカッコ良い。
「冠婚葬祭入門」の火葬の段が何故か朗読されたり、前衛的でもある。

原作のドラマとしてどうなのか。未亡人の膝にすがりつき謝ってる西村晃。あれはいったい何だったの?とか腑に落ちない面もあるし、テーマは伝わりにくい。解りやすく表現するのは野暮かもしれないが、ちょっと・・・。
それを言えば読みなおした原作も腑に落ちないところあるけど、まだ解りやすい。

横浜のゴーゴー喫茶。浅川マキのライブ。お宝シーンですが何故浅川マキなのか。原作タイトルから連想できなくもないが、やはり雰囲気のみの作品という印象を受ける。もちろん、それで充分だが。

清楚で(多少無理あり)幸せそうな娘から家出してヤサグレていく様の夏球美がなかなか良い。



刑事役で花沢徳衛とお髭の山本麟一。
テーラーの寂れた佇まい、軍服もナイス小道具。

エンドロール後に青島幸男、出のタイミングが変。要らない。
3作目だが相変わらず席を立ちかける客、チラホラ。

シネマヴェーラ渋谷

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