【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【垂れ込めて】

2008年08月02日 | アジア回帰
 昨日は、ひどい二日酔いだった。

 友人のウイワットが宿にウイスキーを持参してくれたので、つい飲みすごしたのである。

 彼はいま、チェンマイ市内のあるホテルで送迎車の運転をしている。

 ガソリン代が高騰して、ソンテオ(赤色の乗り合いタクシー)の運転だけで食っていくことが難しくなったからである。

「実は、ソンテオを売ろうかと思っているんだ・・・」
 
 何があっても〝マイミーバンハー(問題ないよ)〟と鷹揚に微笑む彼が、いつもとは異なる表情でつぶやく。

 オムコイでもチェンマイでも、諸物価が急騰し続けている。

 私もつい先日オムコイで4匹の豚を売ったのであるが、飼料代の高騰で完全な赤字だった。

       *

 ウィワットの勤務時間は、朝の6時から午後3時までだ。

 その後、以前から契約している英語教師と近所の知り合いを自分のソンテオで送迎して、午後6時にやっと一日の仕事が終わる。

 普段はほとんど出歩かず、私たちがチェンマイにやってくるといそいそと宿にやってきては、あれこれと話し込む。

 知り合ったころはほとんど英語がしゃべれなかったが、勉強熱心で、このところの上達振りはめざましい。

       *

 ウイワットが時間に制約されるようになってから、私たちの行動半径もずいぶんと狭まった。


 以前は、どこかへ行こうと思いつくと、すぐに彼が駆けつけてくれた。

 もちろん、今でも病院などには送迎してくれるが、それは勤務の合間を縫ってのことであり、遠出はできない。


 他のソンテオを拾うことは簡単なのであるけれども、なぜかラーはウイワット以外のソンテオを拾うことを嫌い、ついつい宿で本を読んだり、房事に励んだりしがちになる。

 思い切って、チェンライあたりまで小旅行をも思うのであるが、連日の雨のことを思うと、億劫だ。

 そこで今日も宿に垂れ込め、ベッドにふたり並んで、私は日本語の推理小説を、ラーはタイ語の幽霊物語を読みふけっている。
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