白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

許瀚文ー福岡航太朗

2020年11月21日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
本日から広島アルミ杯・若鯉戦が行われています。
Youtubeの日本棋院囲碁チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されているので、ぜひご覧ください。
上野愛咲美三段(19)-仲邑菫初段(11)戦は、序盤は仲邑初段が絶好調でしたが、決めきれなかったのは残念でしたね。



皆様こんばんは。
本日は乙級リーグから、許瀚文四段-福岡航太朗初段(14)戦をご紹介します。

1図(実戦)
許四段の黒番です。
白1でAとノゾくのがAI流ですが、あえて黒2の構えを許しました。
そして、黒4に対してもAIは白Bとコスミツケますが、実戦は白5と挟んで黒Cの三々入りはどうぞと言っています。
昨今は世知辛い碁を打つ棋士が増えていますが、福岡初段の碁はゆったりしていますね。



2図(実戦)
黒△とツケられた場面です。
白Aと受ければ、黒B、白C、黒D、白E、黒Fという手順で、白の眼を奪って攻める予定と思われますが・・・。



3図(実戦)
白△という返し技がありました。
AとBの断点を両睨みしています。
黒Aとつなげば白B、黒C、白Dと進み、白×を取っても左上黒が傷んでは黒ダメです。



4図(実戦)
黒1と守ったのは仕方ありませんが、打ったばかりの黒×を取って生きては白成功です。
この後は隙無く逃げ切ったと思います。
結果は白4目半勝ちでした。

今回、福岡初段は思った以上に苦戦していますが、ひとまず1勝できて良かったですね。
肩の力を抜いて、最後の対局も頑張って欲しいと思います。



☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています(現在お休み中)。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。五反田会場は閉鎖しました。

☆「やさしく語る」シリーズ、好評発売中!
やさしく語る 碁の本質」 「やさしく語る 布石の原則」 「やさしく語る 碁の大局観」 ・・・現在、「やさしく語る」シリーズを3冊出版しています。

※4作目「やさしく語る 棋譜並べ上達法」が、2019年8月13日に発売されました!


井山裕太-焦士維

2020年11月20日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
本日、農心杯の第2ラウンドが開幕しました。
村川大介九段(29)は残念でしたね。
結構難しい碁かと思ったのですが。
なお、対局の模様はYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。



皆様こんばんは。
本日は乙級リーグから、井山裕太九段(31)-焦士維五段戦をご紹介します。
中国棋士は年齢が分からないことも多く困りますね

1図(実戦)
井山九段の黒番です。
白△は遠目に黒×を狙っているので、黒Aなどと補強するのが普通の発想ですが・・・。



2図(実戦)
実戦は黒△のツケ!
白Aと引けば黒B、白Cと引けば黒Dとなり、いずれも黒が素晴らしい姿です。
AIが台頭してからはあまり言われなくなりましたが、やはり井山九段はツケが好きなのでしょう。



3図(実戦)
実戦は白1と反発し、黒2には白3~7の強硬策を採りました。
しかし、慌てず騒がず黒8、10と好形を作って十分です。
中央黒がすっかり厚くなりました。



4図(実戦)
黒1、3が先手になるのも嬉しいところで、黒×は立派な捨て石になりましたね。
そして黒5~9が決め手で、白地を削って黒のリードがはっきりしました。
結果は黒中押し勝ちでした。



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余正麒-韋一博

2020年11月19日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
白石囲碁教室は今週で5名になりました。
月の途中からでもご参加頂けます。
なお、大盤解説は撮影を行っているので、お休みしても安心です。



皆様こんばんは。
3日ぶりの更新です。
そろそろ「ほぼ毎日更新」の看板も下ろさないといけませんね

さて、本日は乙級リーグ第5戦から、余正麒八段(25)-韋一博四段戦をご紹介します。

1図(実戦)
余八段の黒番です。
強く黒1とハネれば、白2と切るのは当然の気合です。
空中戦が始まりそうに見えますが・・・。



2図(実戦)
実戦は黒1からの「車の後押し」でした。
打ったばかりの黒×を見殺しにするようで、ちょっと気が引ける打ち方です。
しかし、出来上がり図を見ると、上辺黒も立派な構えなので悪くなさそうです。
余八段が柔軟な一面を見せましたね。



3図(実戦)
そして、ここで黒1と打つプロもなかなかいないのではないかと思います。
普通は右下一帯の白模様が大きく見えるので、何か入っていくことを考えるでしょう。
どこと問われると手が広すぎて困るので、「このへん」としか言えませんが・・・(笑)。



4図(実戦)
結局、右下一帯は隅も含めて全部白地になりましたが、黒も左辺などに地を増やして間に合っています。
結果は黒7目半勝ちでした。
まるで何もせずに勝ったようで、余八段の大局観が光った一局でした。



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六浦雄太ー喬智健

2020年11月16日 23時59分59秒 | 幽玄の間

<本日の一言>
明日は王座戦第3局が行われます。
芝野虎丸王座(21)の開幕2連勝となり、許家元挑戦者(22)が追い詰められた状況ですね。
例によって、私は負けている方を応援します(笑)。



皆様こんばんは。
現在、乙級リーグが進行中です。
対局の模様は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されています。

今回は第3戦の六浦雄太七段(21)ー喬智健五段(23)戦をご紹介します。
喬五段は15歳の時に世界アマチュア選手権で優勝しています。

1図(実戦)
六浦七段の黒番です。
白△の打ち込みに対して、黒Aと攻めるのは白B、黒C、白Dとなって簡単に捌かれそうです。
そこで黒Dの受けなら無難で、白Aと打って白×とつながることになりそうです。
しかし、それでは物足りないとみたのか、実戦は・・・。



2図(実戦)
黒△のツケ!
六浦七段らしい、思い切った一手を放ちましたね。
モタレ攻めにより、打ち込んできた白石を飲み込む狙いです。



3図(実戦)
白5までのポン抜きを許しましたが、その代わり白×は動き難くなったというわけですね。
ポン抜き30目などと言うように、常識的にはこのような打ち方は良くないとされています。
あえて常識に立ち向かっていくことは、自信が無ければできません。



4図(実戦)
ただ、隅で大きく生きられ、結果的には黒失敗の分かれでした。
何か見落としがあったかもしれませんね。

しかし、黒はこの後の戦いでポイントを上げて優位に立ちました。
結果は黒1目半勝ちでした。



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松本武久ー金秀俊

2020年11月15日 23時59分59秒 | 永代塾囲碁サロン

皆様こんばんは。
本日は幽玄の間選手権第3クール予選から、松本武久八段(40)ー金秀俊九段(41)戦をご紹介します。

1図(実戦)
松本八段の黒番です。
白△のツケ!
白Aの押さえ、白BやCの割り込みという、様々な手を睨んだ攻めの急所ですね。
武闘派はこのような手を躊躇なくやっていきます。



2図(実戦)
白6に対して黒Aなら、白Bと切るつもりです。
そうなっては、上下どちらかの黒が取られそうなので・・・。



3図(実戦)
実戦は黒×というお荷物を捨て、外回りの勢力を築きました。
このあたりの打ち回しは、皆様の参考になるでしょう。



4図(実戦)
参考になると言えば、白×を助けなかったこともですね。
白3で白Aと助け、黒Bと換わることもできるのですが、上辺白が薄くなっていけません。
実戦は白Bと押さえる手が残っているので、中央の景色が全く違いますね。

このあたりは激しく戦いつつも、実はプロ目線では常識的な進行でした。
しかし、ここから血で血を洗う争いが・・・

囲碁は最終的に地の多い方が勝つゲームです。
ただ、この人達は違う勝利条件で打っているのではないかと思ってしまいます。



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