白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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黄竜士杯第10戦

2018年06月06日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は黄竜士の第10戦、第11戦が行われました。
ここでは第10戦、藤沢里菜四段と周泓余四段(中国)の対局の感想を述べたいと思います。

ちなみに、ネットで調べてみましたが、周四段はまだ15歳のようですね。
道理で名前を聞いたことが無かったわけです。





1図(実戦)
藤沢里菜四段の黒番です。
白△と打ち、黒×を閉じ込めて勢力を作ったかのようにも見えますが・・・。





2図(実戦)
後の黒1に対しては、白2、4とかわしていきました。
黒3と突き抜かれるのは凄い形ですが、中央黒4子も弱くなっているので打てるということでしょうね。
周四段は中国選手らしく、かなり実戦的なタイプのようです。





3図(実戦)
全体的に黒ペースの進行に見えましたが、白が黒×を取り込んで地で頑張ったあたりでは、黒も勝つのは容易ではなくなった気がしていました。
しかし、黒△から猛然と白の大石に迫り・・・。





4図(実戦)
白△まで、黒×と白大石との攻め合いに持ち込みました。
際どいですが、どうやら黒に分があったでしょうか。
双方生き生きになるコースもありましたが、それでは負けとみた白が玉砕に出る形になりましたね。
最後は黒が白大石を仕留め、中押し勝ちとなりました。
藤沢四段の読みは非常に正確です。


藤沢四段はそのまま午後の第11戦にも出場し、韓国の大将、崔精九段と対局しています。
そちらは残念ながら負け、日本チームも敗退となりました。
残りは中国3人、韓国1人となっています。