白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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昇段&封じ手予想

2018年01月25日 18時03分42秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日、日本棋院の賞金ランキングによる昇段者が決定しました。
私は六段の中で1位になったようで、七段に昇段しました!
これには自分でも驚きです。
詳細については、後日改めて書きたいと思います。

さて、本日は棋聖戦第2局の1日目が行われました。
第1局とは大分雰囲気の違う展開になりましたね。



1図(実戦)
白1の挟みに対しては、まず黒Aと動くことが考えられます。
しかし、実戦は黒2と手抜きしました。
手抜きしたこともそうですが、その着点にもなるほどと思いました。
将来黒△が弱くならないよう、援軍を送っているのですね。

プロは石の強弱を常に考えて打っていますが、井山棋聖も例外ではありません。
ただ、先の先まで考えて打っているので、意図が分かり難いこともしばしばです。





2図(実戦)
1日目のハイライトシーンは、なんといってもここでしょう。
白1、3、5の連続技!
外側に白石を増やしつつ、隅も生きてしまおうという狙いです。
華麗な打ち回しですね。





3図(実戦)
しかし、その後一転して白1、3、5という重厚な打ち回しを見せました。
一力挑戦者はまだ20歳ですが、どんな打ち方でもできるのですね。





4図(封じ手)
本局、一力挑戦者は意図的にじっくりとした展開を目指したように思えます。
そして、白△と打った場面で封じ手となりました。
この封じ手は、いわゆる「味の良い」封じ手です。
「今日はこのぐらいにして、お互いゆっくり休みましょう」と言ったところでしょうか。
と言うのは・・・。



5図(封じ手予想)
封じ手は黒1の当てしか考え難いからです。
白Aとつながせれば、どう見ても得ですからね。

私は未経験なので想像ですが、封じ手前は集中力が切れやすい時間だと思います。
ですから、封じ手で悪手を打ったのではないかと心配することもあるでしょう。
一方、相手としても封じ手が分からないと不安になることもあるでしょう。
しかし、今回のようなケースでは、お互いにそのような心配をする必要が無く、気持ち良く眠れるのではないでしょうか。

などと言っていて、絶対に予想が外れないとも言い切れませんが・・・。
もし自分が全く気付かない手が見られるとしたら、むしろ嬉しいことですね。

明日はどのような展開になるでしょうか? 
ポイントとしては、白が左下黒を攻められるのかということが1つ。
もう1つは右辺の黒模様に突入するチャンスが来るかどうか、といったところでしょう。
ぜひ明日もお楽しみください。