白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

十段戦第2局感想

2020年03月26日 23時53分56秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
店員「紙エプロン使いますか?」
私「あ、大丈夫です」
店員「はい紙エプロンですー」



皆様こんばんは。
本日は十段戦第2局が行われました。
早速振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間(解説・大橋成哉七段)やYoutubeの日本棋院囲碁チャンネルにて中継されました。

1図(実戦)
芝野虎丸挑戦者(20)の黒番です。
黒1と5線に臨んだのは、芝野挑戦者独特の感性だと思いました。
白2と換わって黒×を弱めますが、右上一帯での戦いに役立つというわけですね。



2図(実戦)
黒1は白Aとつないでくださいという手です。
しかし白も4と抵抗し、逆に黒Bとつながせようとしましたね。
お互いに相手に嫌がらせをした結果は、両者共に切れることになりました(笑)。
結局のところ囲碁というゲームは、自分の利益を確保するか相手を妨害するかなのです。



3図(実戦)
白1に対して、受けずに黒2とつながった手は参考になるでしょう。
白Aと打たれると黒×を取られますが、お荷物が無くなって身軽になります。
逆に白×への攻めまで狙えるというわけですね。
大局観に基づく選択です。



4図(実戦)
このあたりのやり取りは、わけが分からないという方も多いでしょう。
私にもよく分かりません(笑)。
確かに言えることは、お互いが目指しているのは石を取るとか助けるといった単純な目標ではないということですね。
左辺全体、あるいは碁盤全体で最大の利益を実現することを目指しています。
それでこのような複雑な打ち方になるのですね。

結果は白の村川大介十段(29)の2目半勝ちでした。
これでシリーズは1勝1敗です。

第3局は4月16日(木)に行われます。
お楽しみに!



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