白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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向井千瑛-兪俐均(SENKO CUP)

2021年03月22日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
緊急事態宣言は解除されましたが、飲食店の時短営業は1時間緩和されただけでしたね。
元通りの生活はまだまだ遠そうです。



皆様こんばんは。
まずは土曜日の永代塾囲碁サロンの様子をご紹介します。

午後1時~3時は俵囲碁塾が行われています。
写真は大盤解説中の俵友祐希インストラクターです。


午後3時~7時はホームリーグです。
指導碁とお客さん同士の対局が行われています。
本日の講師は宇佐美太郎インストラクターと俵インストラクターでした。


また、臨時の日程変更により、向ヶ丘AI碁友の会の活動も行われました。
月1回は奥田あや四段の指導碁会になっています。



さて、本日はSENKO CUPワールド碁女流最強戦2021(特別協賛: センコーグループホールディングス株式会社)が行われました。
日本代表は、上野愛咲美扇興杯と向井千瑛六段がベスト4に勝ち進んでいます。
謝依旻六段と藤沢里菜四段は残念でした。

それでは、今回は向井六段と兪俐均三段(台湾)の対局をご紹介します。
なお、SENKO CUPの対局は日本棋院囲碁チャンネルや日本棋院ネット対局幽玄の間にて中継されています。


1図(実戦)
向井六段の黒番です。
黒1とは向井六段らしい力強さです。
多くの棋士は黒7と広い方に飛ぶでしょうが、白に根拠を与えない打ち方ですね。

一方、3子を逃げずに白2に回ったのも面白い打ち方でした。
相手の石数の多い所では戦いたくないということですね。
力の向井、技の兪といった印象を受ける序盤戦でした。



2図(実戦)
黒1、3とは厳しい攻めでした。
白×を取ろうというわけではなく、白全体の眼を奪っています。
白10と頭を出して、一息ついたようにも見えますが・・・。



3図(実戦)
黒1、3!
強烈な手筋で、強引に白を閉じ込めてしまいました。
かつて坂田栄男九段が同様の手筋を打っていたことを思い出します。



4図(変化図)
白1、3と出てくれば、黒4が両ノゾキになるというわけですね。
実戦は違う進行になりましたが、やはり白を閉じ込め、最後は仕留めてしまいました。
向井六段が素晴らしいパワーを見せた一局だったと思います。
明日の於之瑩六段との対局も楽しみですね。



☆各所で指導碁や個人レッスンを行っています。皆様のお越しをお待ちしています。

日本棋院有楽町囲碁センター・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています(現在お休み中)。

永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

白石囲碁教室・・・2020年6月末に閉鎖しました。現在は永代塾囲碁サロンでの指導碁情報をお知らせするページになっています。

上達の約束・・・上達の約束は、お客様の都合に合った会場を選べる回数制のレッスンを行っています。五反田会場は閉鎖しました。

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