皆様こんばんは。
本日は第3回おかげ杯国際精鋭囲碁対抗戦の2日目が行われました。
日本チームは韓国チームに0対5で敗れ、残念ながら決勝進出はなりませんでした。
勝ってもおかしくないと思っていたのですが、勝負にはこういう事もあります。
そして負けたからいって、彼らの頑張りが無になるわけでもありません。
そんな訳で本日は韓国戦の全5局をダイジェストでご紹介します。
全局幽玄の間で中継されましたので、ぜひ総譜もご覧ください!
(伊田―李1)
伊田篤史八段対李東勲八段(黒)戦です。
黒△と押された場面で、白Aと受ければ穏やかですが・・・。
(伊田―李2)
白1とハネました。
目一杯頑張った手ですが、黒2と切られて、一体どうするのでしょう?
(伊田―李3)
と思ったら白13まで、黒を全部取りに行きました!
危険な打ち方ですが、読みに余程自信があるのでしょう。
伊田八段の個性が表れた、物凄い作戦でした。
(一力―李1)
一力遼七段(黒)対李志賢六段戦です。
白1はシチョウアタリです。
黒Aと受ければ白Bのツケコシが成立します。
白Bに対して黒Cには白Dと切り、黒は白Bの石をシチョウに取れません。
かといって、ツケコシを防いで白Aと連打されてもいけません。
黒大ピンチですが、一力七段はどう凌いだでしょうか?
(一力―李2)
実戦は黒1から黒3!
一見すると支離滅裂な打ち方ですが、その意図は?
(一力―李3)
白1と出る一手に対して黒2と戻り、黒の意図が明らかになりました。
黒△が働いて、白Aとツケコシて来てもシチョウに取る事ができます。
一力七段、非常手段で両方を凌ぎました。
(安斎-朴1)
安斎伸彰七段対朴珉奎五段(黒)戦です。
黒1、3はサバキの常套手段で、隅に入って左辺黒の根拠を作る狙いです。
白4と繋がらせないように打ったのは最強手ですが、ここで黒5の手裏剣が飛んで来ました!
この手の狙いは何でしょうか?
(安斎-朴2)
白1、3と受けていると黒4の切りが成立します。
白5には黒6と逃げ、白Aとシチョウに取れなくなっている事をご確認ください。
これは白まずいので・・・。
(安斎-朴3)
白1と手を入れ、黒2の連打を許しました。
白の上下が分断されて苦しそうですが、覚悟の上での進行です。
白Aからの攻めに賭ける作戦なのです。
ただ、それが結果的に上手くいかなかったのは残念でした。
(謝-呉1)
謝依旻六段(黒)対呉侑珍三段戦です。
左上は三々入り定石の進行ですが、ここで定石通り黒Aと生きているようでは、白Bと傷を守られて黒良くありません。
謝六段は、隅の地を稼ぐために三々に入ったわけではないのです。
(謝-呉2)
実戦は黒1を打っておいて、黒3の切り!
隅で生きるのではなく、白を分断して攻める作戦です。
謝六段らしい力技でした。
(謝-呉3)
思い切った作戦でしたが、結果は上手くいかなかったようです。
白△とハネられ、黒から手が出ない形です。
黒Aと切っても白Bと当て返され、要石の黒△が取られる結果になります。
となると隅を取られた損が大きく、白優勢になりました。
(奥田―金1)
奥田あや三段対金彩瑛二段(黒)戦です。
黒1、3のツケ切りは、サバキの常套手段です。
そして黒には、ある狙いがありました。
(奥田―金2)
白5まで取らせておいて、黒6の切り!
これが黒の狙いでした。
白7で取られそうですが、白△に対する利きを利用します。
(奥田―金3)
黒1から5までが先手になるので、黒7まで中央の白を分断できました。
ここで白がAと両アタリを防いでいるようでは、黒Bと繋がれていけません。
白に何も良い事が無く、一方的にやられた結果になります。
そこで白は・・・。
(奥田―金4)
白1、3と反撃しました!
黒4、6と3子を抜かれましたが、白7で左上の黒を取る振り替わりになりました。
物凄い大変化でしたね。
碁では時々、信じられないような事が起こります。
今回日本チームは残念でしたが、敗戦も大事な経験です。
必ず将来に繋がる事でしょう。
世界を目指す若手棋士の応援を、今後ともよろしくお願いします!
本日は第3回おかげ杯国際精鋭囲碁対抗戦の2日目が行われました。
日本チームは韓国チームに0対5で敗れ、残念ながら決勝進出はなりませんでした。
勝ってもおかしくないと思っていたのですが、勝負にはこういう事もあります。
そして負けたからいって、彼らの頑張りが無になるわけでもありません。
そんな訳で本日は韓国戦の全5局をダイジェストでご紹介します。
全局幽玄の間で中継されましたので、ぜひ総譜もご覧ください!
(伊田―李1)
伊田篤史八段対李東勲八段(黒)戦です。
黒△と押された場面で、白Aと受ければ穏やかですが・・・。
(伊田―李2)
白1とハネました。
目一杯頑張った手ですが、黒2と切られて、一体どうするのでしょう?
(伊田―李3)
と思ったら白13まで、黒を全部取りに行きました!
危険な打ち方ですが、読みに余程自信があるのでしょう。
伊田八段の個性が表れた、物凄い作戦でした。
(一力―李1)
一力遼七段(黒)対李志賢六段戦です。
白1はシチョウアタリです。
黒Aと受ければ白Bのツケコシが成立します。
白Bに対して黒Cには白Dと切り、黒は白Bの石をシチョウに取れません。
かといって、ツケコシを防いで白Aと連打されてもいけません。
黒大ピンチですが、一力七段はどう凌いだでしょうか?
(一力―李2)
実戦は黒1から黒3!
一見すると支離滅裂な打ち方ですが、その意図は?
(一力―李3)
白1と出る一手に対して黒2と戻り、黒の意図が明らかになりました。
黒△が働いて、白Aとツケコシて来てもシチョウに取る事ができます。
一力七段、非常手段で両方を凌ぎました。
(安斎-朴1)
安斎伸彰七段対朴珉奎五段(黒)戦です。
黒1、3はサバキの常套手段で、隅に入って左辺黒の根拠を作る狙いです。
白4と繋がらせないように打ったのは最強手ですが、ここで黒5の手裏剣が飛んで来ました!
この手の狙いは何でしょうか?
(安斎-朴2)
白1、3と受けていると黒4の切りが成立します。
白5には黒6と逃げ、白Aとシチョウに取れなくなっている事をご確認ください。
これは白まずいので・・・。
(安斎-朴3)
白1と手を入れ、黒2の連打を許しました。
白の上下が分断されて苦しそうですが、覚悟の上での進行です。
白Aからの攻めに賭ける作戦なのです。
ただ、それが結果的に上手くいかなかったのは残念でした。
(謝-呉1)
謝依旻六段(黒)対呉侑珍三段戦です。
左上は三々入り定石の進行ですが、ここで定石通り黒Aと生きているようでは、白Bと傷を守られて黒良くありません。
謝六段は、隅の地を稼ぐために三々に入ったわけではないのです。
(謝-呉2)
実戦は黒1を打っておいて、黒3の切り!
隅で生きるのではなく、白を分断して攻める作戦です。
謝六段らしい力技でした。
(謝-呉3)
思い切った作戦でしたが、結果は上手くいかなかったようです。
白△とハネられ、黒から手が出ない形です。
黒Aと切っても白Bと当て返され、要石の黒△が取られる結果になります。
となると隅を取られた損が大きく、白優勢になりました。
(奥田―金1)
奥田あや三段対金彩瑛二段(黒)戦です。
黒1、3のツケ切りは、サバキの常套手段です。
そして黒には、ある狙いがありました。
(奥田―金2)
白5まで取らせておいて、黒6の切り!
これが黒の狙いでした。
白7で取られそうですが、白△に対する利きを利用します。
(奥田―金3)
黒1から5までが先手になるので、黒7まで中央の白を分断できました。
ここで白がAと両アタリを防いでいるようでは、黒Bと繋がれていけません。
白に何も良い事が無く、一方的にやられた結果になります。
そこで白は・・・。
(奥田―金4)
白1、3と反撃しました!
黒4、6と3子を抜かれましたが、白7で左上の黒を取る振り替わりになりました。
物凄い大変化でしたね。
碁では時々、信じられないような事が起こります。
今回日本チームは残念でしたが、敗戦も大事な経験です。
必ず将来に繋がる事でしょう。
世界を目指す若手棋士の応援を、今後ともよろしくお願いします!