白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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井山裕太-申眞諝(農心杯第10戦)

2021年02月22日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
永代塾囲碁サロンのすぐそばに川が流れていますが、川沿いにポツポツ見かけるのが・・・。



桜です。
こんな時期に咲くのですね。
ちなみに、撮影者は腕が悪く、実物はもっと綺麗です(笑)。



皆様こんばんは。
本日の対局は勝ちました。
分からないことだらけの碁でしたが、自分なりに頑張って打てたと思います。

さて、本日農心杯第3ラウンドが開幕しました。
日中韓2名ずつという、近年稀に見る混戦ですね。
第10戦は日本の井山裕太九段と韓国の申眞諝九段が対局しました。
それでは振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました(解説・孫喆七段)。

1図(実戦)
井山九段の黒番です。
黒1でAとつながれば無難ですが、実戦は白に楽をさせまいという気合の一手ですね。
黒×がどうなるか気になるところですが、ここで黒5にはビックリ!
一見、ソッポに向かったようですが・・・。



2図(実戦)
黒2とツケて白3のハネを誘い、黒8!
ここに黒石を持ってくるための工作だったのですね。
次に黒AとBを見合いにしています。



3図(変化図)
白1と伸びたくなりますが、そこで右辺白に襲いかかろうというわけですね。
元々は黒8の後、白A、黒B、白C、黒D、白Eで両当たりになるところでしたが、黒×がそれを防いでいます。



4図(変化図)
黒10まで、白×が抜ければ黒成功です。
また、白7で白10と打つのは、黒Aで中央の白が取られてしまいます。
この参考図自体はプロにとって難しいものではありませんが、それをずっと前から思い描いているところがトッププロならではですね。

当然ながら申九段もハマリ図を選ぶようなことは無く、実戦は違う進行になりました。
申九段がはっきりリードを奪っていましたが、井山九段も鬼気迫る粘りを見せましたね。
一時は分からなくなったかと思いましたが、逆転までは難しかったでしょうか。
結果は残念でした。



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