<本日の一言>
明日、第67期王座戦五番勝負が開幕します!
井山裕太王座(30)に芝野虎丸名人(19)が挑戦するという、多くの囲碁ファンが待ち望んだ対決ですね。
名勝負を期待しています。
皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
本日も日本棋院ネット対局幽玄の間にて多くの対局が中継されました。
本因坊戦、十段戦、ドコモ杯女流棋聖戦は、リーグ戦や本戦の対局も中継されていました。
また、新初段の対局も多く中継されており、注目度ナンバーワンの仲邑菫初段(10)は7勝目を挙げましたね。
しかし、多くの対局の中で私が最も注目したのは、名人戦最終予選の藤沢里菜四段(21)と中野泰宏九段(42)の対局でした。
今回はその対局をご紹介しましょう。
1図(実戦)
藤沢四段の黒番です。
白1は隅に対しての手段を見た手ですね。
こういう時、多くの方は隅の手段の有無を読みきれないでしょう。
しかし、高段者ぐらいになってくると、読みきった上で黒AやBと守ることができるようになります。
そして、さらに上のレベルになってくると、手段があってもあえて手を抜くということから考え出します。
藤沢四段は、隅を守りきることよりも、黒2の押しの方が価値が高いと判断しました。
2図(実戦)
その後起こったコウ争いの結果、白は左上黒を沢山取ったうえに、黒×を弱体化させる戦果を挙げました。
一方、黒も白×をボロボロにしており、こちらも大きな戦果です。
序盤早々、派手な振り替わりとなりましたね。
しかし、これは序曲に過ぎませんでした。
3図(実戦)
その後、上辺で再びコウ争いが起こった結果、右辺白が生き返りました。
代わりに黒△まで、弱かった上辺黒が厚みと化しています。
黒はその厚みを生かして、白×や白○を狙っていくことになり・・・。
4図(実戦)
左下で三度目のコウ争いが起こることになりました。
結果、黒が白×を取り、白が黒×を取り込む振り替わりになっています。
この後、細かい形勢の場面もあった気がしましたが、黒のパンチが入って決まりましたね。
本局に勝った藤沢四段、ついにリーグ入りまであと1勝というところまできました。
上野愛咲美三段(17)の竜星戦準優勝という快挙は記憶に新しいところですが、藤沢四段にも女流棋士初の快挙を成し遂げるチャンスがやってきましたね。
その相手は・・・。
「またお前か!」
全国の女流棋士ファンが思わずこう叫んだことでしょう。
若手の前に立ちはだかる壁と化していますね。
実際のところ、一力八段はまだ22歳ですが・・・。
いずれにしても、また大注目の対局が生まれました。
非常に楽しみですね。
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