白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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広まるMaster流

2017年06月07日 23時59分59秒 | 幽玄の間
皆様こんばんは。
本日は幽玄の間で中継された黄竜士杯第12線、呉侑珍五段(韓国)と李赫五段(中国)の対局に現れた形をご紹介します。



1図(実戦)
李五段、いきなりの白1ツケ!
この手はMaster対棋士第10局で現れましたね。
Masterは多くの新手を打ちましたが、その意味は語ってくれません。
それでも、棋士は人間なりに解釈し、使えそうなものは取り入れようとしています。
この手は比較的受け入れられている方で、既に多くの実戦例があります。





2図(実戦)
本局は黒1とハネましたが、白2、黒3を交換してから白4!
勢い黒5と切り、いきなり激しい戦いが始まりました。





3図(実戦)
と言っても、こういった戦いはかえって進行を予測しやすいものです。
必然の手が多く、変化の余地が少ないのです。
白11まではまず妥当な進行でしょうか。

この分かれを見た瞬間、白を持ちたい方は少ないのではないでしょうか?
一見すると白がボロボロになっているようですね。
しかし、それは錯覚かもしれません。





4図(実戦)
後に白△と打った場面です。
左上は最初に黒の締まりがあった場所ですから、黒石が1つ多いですね。
しかし、その割には左辺の白の構えが立派に見えます。
どうやら、大ゲイマ締まりへのツケも中々有力のようです。

でも、私には使いこなせる気がしませんね。