白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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芝野虎丸対AQ

2018年02月20日 20時38分43秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんばんは。
本日は品川区立城南小学校で、入門教室の講師を務めました。
後日感想を書きたいと思います。

さて、本日はAQ対棋士の三番勝負が行われました。
やはりAQは強かったですね。
大局観に限定すれば、既に人間レベルを超えていると思います。
ただ、弱点も表れたので今回は棋士側の勝ち越しとなりました。
3局とも幽玄の間で中継されたので、ぜひご覧ください。

また、今回は対局や解説がYouTubeの日本棋院チャンネルで配信されました。
生の対局姿、検討陣の様子などを見られて面白い試みだったと思います。
今回はイベントでしたが、公式戦などにも広がっていくのでしょうか?
どこまでやれるかは、皆様の注目度によっても変わってくるでしょう。
ぜひチャンネル登録(無料)をよろしくお願いいたします。

それでは、今回は先鋒を務めた芝野虎丸七段の対局で、目を引いた場面をご紹介しましょう。



1図(テーマ図)
芝野七段の黒番です。
左上で早くも難しい戦いが起こっています。
黒×と白×が争っているような状況ですが・・・。





2図(実戦)
白はあっさり白×を捨て、大場に先行しました。
そして、ここまで進んでみると白石の全局的な配置のバランスが良く、打ちやすい碁になっていることに気付きます。
AQの大局観は素晴らしいですね。
個人での開発で、このレベルに達する時代ですか・・・。





3図(実戦)
もう1つ印象的な場面がありました。
白1とカカリ、わざわざ黒2と守らせてから白3の侵入!
不自然な打ち方に見えますが、悪いと言い切れるかどうか分かりません。
1つ言えるのは、人間にはまず思い浮かばない発想だということですね。

しかし、この戦いでAQの弱点が出てしまいました。
せっかく侵入した石が全滅するという悲劇・・・。
さすがに損害が大き過ぎ、勝負は芝野七段の勝ちとなりました。


AQは明日から幽玄の間に登場、棋士たちのスパーリングパートナーを務めます。
強い所も弱い所もあるソフトですが、総合力はどのぐらいなのでしょうか?
楽しみですね。
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