白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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幽玄の間シリーズその2 李沿-權孝珍

2022年07月29日 23時56分42秒 | 幽玄の間

8/7(日)に下坂美織三段の解説会&指導碁会を開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。


皆様こんばんは。
本日も幽玄の間ウォッチシリーズです。
もうちょっとマシなシリーズ名を考えたかったのですが、とりあえず進めていきます
さて、本日は李沿四段(黒)と權孝珍四段の対局をご紹介します。

1図(テーマ図)
黒番です。
黒×が弱いので、ノータイムで黒Aと打つプロが多そうな場面ですが・・・。



2図(実戦)
黒1と横腹にツケていきました!
形の急所で、目に付く所ではあります。
この後黒A、白Bとダメをつながせることができれば、黒がポイントを上げています。
なるほどとなるところですが・・・。



3図(実戦)
黒1の切り!
いわゆるダメ切りで、プロが最も避けたい行為の1つです。
攻撃力以外の価値が一切無い手ですからね。
「やさしく語る 囲碁・石の攻め方」でも、考え無しに石を切断するのはやめましょう、といったことを書いています(笑)。
しかも切った黒自身が弱い状況で、万が一これが取られたりしたら目も当てられません。



4図(実戦)
と思っていたら、本当に黒×が取られてしまいました!
いや、実際のところは捨てました。
代わりに白×を全部取っています。
黒優勢は明らかで、結果は黒2目半勝ちとなりました。

プロもあえてとてつもなく筋の悪い打ち方をすることがありますが、そうした場面は私の大好物です。
自分が打っているときは、「この手を打って負けたら恥ずかしいな」と思って葛藤することもありますが



永代塾囲碁サロン・・・武蔵小杉駅徒歩5分です。2020年7月から共同経営者になりました。

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