白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

プロレス碁

2018年10月13日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
明日は第23回湘南ひらつか囲碁まつりです。
私も1000面打ち指導碁の担当棋士の1人として参加します。
多くの方々と対局やお話しできることを楽しみにしています。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は永代塾囲碁サロンにて、チャリティーイベントが行われました。
昼の部は指導碁、夜の部はイベントがメインでした。
最年長の金秀俊九段が一番働いていましたが、流石のバイタリティですね。

夜の部のイベントはプロレス碁でした。
なにやら物騒な名称ですが、棋士がプロレスをするわけではありません(笑)。
もっとも、かつてチェスボクシングや将棋ボクシングなる競技が行われたことがあるそうですが・・・。

プロレスの意味するところは、つまりタッグマッチです。
1対1で対局しながら、好きな時にチームメイトとタッチできるシステムです。
いかにパートナーの得意な場面でタッチするがポイントですね。
そういう建前になっています。



1図(実戦)
このような場面がありました。
右下一帯の黒模様が巨大なので、白はなんとかしたいところですが・・・。





2図(実戦)
白1、3の様子見は常套手段です。
黒Aなら白Bから隅で生きる手が残るので、黒地はかなり制限されます。
白は中央に深々と入る必要が無くなりますね。





3図(実戦)
ところが、黒△と下がって隅での生きを拒否されました。
その代わり外側に弱点が残りましたが、さて白はどうしたものでしょうか?
そこをすぐに衝いていくのか、狙いを残したままで中央の消しに向かうべきか・・・。

ツケ切りを打った人は次のプランも考えていそうなものですが、ここでなんとパートナーにタッチ!
次の手が難しく、決めかねた模様です。





4図(実戦)
交代した対局者は白1、3からまともに動き出していきましたが、苦しそうな戦いに・・・。
そして局後に、手を渡した側は「自分はそんなつもりじゃなかった」と主張。
なんという酷い責任逃れでしょうか。
皆様、これがプロレス碁です(笑)。


このように、碁は真剣に打ちつつも会話が楽しいイベントでした。
公開対局も色々な楽しみ方ができますね。
また、チャリティーとしてもかなりの金額が集まったようです。
囲碁でいくらかでも世の中に貢献できるのは嬉しいことですね。