白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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井山九段、敗退

2018年10月02日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
本日は日本棋院にてチャリティーイベントが行われました。
ご参加くださった方々、ありがとうございました。
宣伝や運営方法などに課題は多いと思いますが、改善を重ねてより良いものにしていきたいですね。
今回私は不参加でしたが、10月13日には永代塾囲碁サロンでのチャリティーイベントに参加しますので、そちらもよろしくお願いいたします。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は三星杯準々決勝が行われました。
井山裕太九段と中国の謝爾豪九段(20)の対局を振り返ってみましょう。
なお、棋譜は日本棋院ネット対局幽玄の間にてご覧頂けます。



1図(実戦)
井山九段の黒番です。
白△まで、早速激しく切り結びました!
ただ、このような部分戦はAIにも負けていない人間の得意分野です。
トップ棋士なら、時間さえあればそうそう大きな間違いは犯さないものです。
結局、良い勝負の分かれに落ち着きましたね。





2図(実戦)
白が右辺白×を助けず、右上隅に潜り込んだ打ち方には驚きました。
右辺だけ見ると、明らかに黒有利でしょう。
ただ、白△の絶好点に回れるので、全局的には悪くないという判断があったのでしょう。
謝九段の大局観ですね。





3図(実戦)
その後、井山九段が黒×を捨て、黒△に回ったのも大局観に基づく判断です。
左下の戦いで優位に立とうというのですね。





4図(実戦)
黒がリードしていると思って見ていましたが、黒×が酷い形になってしまったのは不可解でした。
何か錯覚があったのでしょうか。
この後は必死の頑張りを見せたものの、ついに逆転はかないませんでした。