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IEEE Nagoya University Student Branch

IEEE名古屋大学学生支部の活動紹介と報告のためのブログです

IEEE R10SC2006 報告 ~総括 ~

2006年09月18日 | Activity 2006
Region 10 Student Congress 2006 を通じて感じた事は、次の三つに帰着される。

・インドが活発
・中国の大学(院)生は頑張っている
・国際交流は楽しい


まず BRICs (Brazil, Russia, India, China) の中のひとつインドが目立っていた。彼らが言うには、まだ貧富の差が大きく、ソフトウェア以外の産業がない点で劣っているものの、そのみなぎるパワーを日本の産業界は無視できないであろう。

次に、今回のホスト国であった中国の大学(院)生は非常に親切でホスピタリティーにあふれる人達であった。日中にはいろいろな問題があるが、丁寧に解決して仲良くしていきたいものである。

最後に、アジア各国の学生と話をするのはとても楽しかった。英語力が上がったのが自分でも分かるほどであったし、費用のサポートがある中で勉強・交流ができたのは素晴らしい機会であった。2008年にもR10SCがあるので、この充実感を次の世代も感じて欲しいと思う。




今回のコングレス参加では、IEEE日本カウンシルやIEEE名大学生支部顧問片山先生に大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

なお、IEEE Japan Council の学生活動ページから慶応大学石井氏のレポートをダウンロード可能なので、そちらも参照されたい。

IEEE R10SC2006 報告 ~ 7月17日 ~

2006年09月18日 | Activity 2006
・清華大学の講堂へ移動
・Free talk
・天安門広場の観光


最終日は宿泊地である清華大学が会場であった。名大で言えば、野依ホールのような場所で最終イベントがあった。なお、写真は会場横のIB館風な建物。




学長らの話しが終わった後は学生フリートークの時間。各大学の活動報告や、今回のコングレスで思った事など、自由に皆の前で話しをしていた。

インドのほうではプログラミング大会など、IEEE的に元気に活動をしているようだった。

韓国からは活動報告なし。コングレスを通して、彼らはあまり意見を言っていなかった。勝手ながら、サムスンの将来を危ぶむ。

日本からは東工大が活動報告。学生論文コンテストなどの話があった。

活動報告が出尽くすと、インドを中心に thank you call が沸き起こる。同じ大学の宿舎に滞在した学生が集まって、感動の時間であった。




お昼を食堂で食べた後、天安門広場ツアーに行った。これが天安門事件の広場か、と感慨深げな気持ちの中、北京コングレス最後の夜となった。





IEEE R10SC2006 報告 ~ 7月16日 ~

2006年09月18日 | Activity 2006
・北京大学へ移動
・グループディスカッション
・北京大学オリエンテーリング
・頤和園(summer palace)の見学


起床後、清華大学滞在組全員でバスに乗り北京交通大学へ移動。学部長などの挨拶を聞く。

その後、グループディスカッションに移る。4つのグループ(清華大学組・北京交通大学組・北京郵電大学組・北京大学組)に別れて、各グループごとに異なるテーマでディスカッション。

我々清華大学組のテーマは

"How to keep updating your student branch information"

このテーマで話しあった後、代表者一名が全員の前でプレゼンをした。清華大学組からは私、多賀谷が発表。



話しあった後に発表した内容は、

原因1: みんな忙しい
回答1: ブログなどの便利なツールを使い、情報更新を簡単にする。

原因2: モチベーションが上がらない
回答2: 他大学のブランチと協調しながら、みんなで頑張る雰囲気を作る。

といった感じでした。詳しく知りたい方(苦労している私の姿を見たい方)は講演の動画がありますので連絡をください。

他のグループの発表を聞いていて思った事は

・インドが元気。学部生だからか?? (しかし、話しが思いつきで、論理展開が無かった)
・韓国の英語がうまい。彼らはエリートか??


その後、講堂の外に出て、オリエンテーリング@北京大学がスタート。各チーム(5-6人)に北京大学の地図が渡されて、チェックポイントを探し出して点数を競った。

北京大学は毛沢東を輩出した大学として有名であり、学内は庭園のようになっていた。さすが中国といった感じの大胆な土地の使い方である。

最初は「子供じゃあるまいし」と思っていたが、最後にはチーム皆で走って勝ちを狙っていった (子供であった)。



しかし、優勝・準優勝のチームはインド組であり、またしてもインドパワーを見せつけられた。大前研一の著書に「チャイナパワー」という本があるが、これからはインドパワーか??


お昼を食堂で食べた後、頤和園(summer palace)ツアー。頤和園は西太后の避暑地だった場所である。現在は北京の観光名所となっており、中国全土・世界各地から観光客を集める。なお写真は麒麟の像の前にいる中国のおっさんである。



ここでは普通に観光を楽しませてもらい、みんなでいい汗をかいた。案内してくれた中国の学生とも楽しく話ができた。写真は城壁のような所を前に、左から京大・菅野氏、慶大・石井氏、名大・多賀谷。




この日の夜はぐっすり眠った。

IEEE R10SC2006 報告 ~ 7月15日 ~

2006年09月18日 | Activity 2006
・北京交通大学へ移動
・Project Management の講義
・北京経済技術開発地区の見学
・Culture Night


起床後、清華大学滞在組全員でバスに乗り北京交通大学へ移動。名大で言えば、野依記念館のような建物に入る。北京交通大学の学長から挨拶があった。

その後、Project Management の講義に移る。講師は Ms. Celia Desmond, Vice President Tech. Activities。まず、具体的な例から始まった。

「友達5人を家にまねいて食事会をするためにプロジェクトマネジメントは必要か?」

会場からは、YESとNOの意見が半々だった。

「来賓500人のパーティーに出す料理を準備するためにプロジェクトマネジメントは必要か?」

会場からはYESの返事のみ。

そうなのである。プロジェクトマネジメントはプロジェクトの規模が大きくなったときに効果を発揮するのである。

Celiaが言うプロジェクトマネジメントで重要な5つのことは

 ・Clear one objective
 ・Clearly defined scope
 ・Good people
 ・Team work
 ・Control of uncertainty

まず、メンバーに対してそのプロジェクトの目的を短い言葉で言わなければならない。これがあれば、各メンバーが目的に合致するように個別の問題を考えて行動することができる。これがないと、各メンバーは問題解決法をすべてリーダーに問い合わせることになる。

次に、やること・やらないことを明確に決めなければならない。ここが曖昧だと、仕事がエンドレスになる。

Good people を集めることが大事。難しいかもしれないけれど、共に活動して共感できる仲間は大事です。

Team work が大事。これは当然ですね。

最後に、不確実性をコントロールすること。最初の計画に無かった事が発生するのは当然の事。これを対処できる臨機応変さが必要。ただし、講義では具体的なところまでは触れられなかった。むしろ、これは個人の能力に大きくゆだねられる。


お昼を食堂(生協風)で食べた後、バスに乗って北京経済技術開発地区の見学へ行った。ただっぴろい区画に広い庭や駐車場を持つ建物がある。これが北京の理系っ子の憧れの場所のようだ。コカコーラ社やその他外資系の会社も多く並ぶ。



建物の中には北京オリンピックのマスコットキャラクターもいた。



その足で鹿博物館に行き、開発区の説明ビデオを見た。これは中国人民を鼓舞する感じのCGをたくさん使ったスゴイ映像であった (やらせ的な部分も一部あり、笑い声もあがった)。しかし、なぜ鹿博物館??

帰りのバスで外を見ていると、行きの時には気づかなかった (寝ていたため) 光景を目にする。こういった開発区と非開発区の差の大きさが、これからの中国の頑張りどころといったところか。



バスはまた北京交通大学に戻ってきてカルチャーナイト。歌ったり踊ったりの夜でした。

IEEE R10SC2006 報告 ~ 7月14日 ~

2006年09月18日 | Activity 2006
・北京郵電大学へ移動
・IEEE来賓からのスピーチ
・トレーニングセッション
・レストランでパーティー

起床後、清華大学滞在組全員でバスに乗り北京郵電大学へ移動し、学内ホテルの一室に入る。



R10SC2006の開会式後、IEEE President の Prof. Michael Lightner (注1) のスピーチが始まる。"Thank you for choosing technology covered by IEEE!" から始まり、工学の分野を選んだ学生を勇気づける内容だった。その中でも印象に残った話はこれ。

少子化のため労働者人口が減っているため、単にエンジニアリングでなく、テクノロジーが必要不可欠な時代になりつつある。その少ないテクノロジストが効率よく新しい技術を生み出すために、Standard Technology を確立することが必要である。そのための話し合いの場としてIEEEは貢献できるだろう。また、発展が著しい現代の技術分野にいる人間は、"Never stop learning!" 常に新しいことを身に付けないといけないことは大きな苦労となるが、同時にそれは Exciting な人生となることだろう。

さて、質問の時間になると活発に意見を言う人が多くいるだろうと思っていたが、意外と発言者は少なかった(数人だけ)。少なくとも中国は自己主張すると思っていたが、公の場でしゃべるのは苦手なのかもしれないと思った。

その後、Student Activity Committee Chair の Jim Reiss 氏などの話を聞いてお昼の時間に。食事は生協で食べる。ムスリム用の食事も用意されていた。

午後は場所を変えるために学内を歩く。途中で毛沢東の像があった。中国の大学ではどこでも毛沢東の像があるようだ。



会場の講堂に到着。午前中に少し話をした韓国グループの隣の席に着く。彼女らは無線工学を専攻しているそうだ。特に次世代の携帯通信を研究しているらしい。サムスンは海外での携帯ブランドを結構確立しているみたいだし、面白い研究分野なのだろう。それにしても、韓国の大学院生は英語を良くしゃべると思った。

午後のスケジュールは午前中に引続きIEEE来賓のスピーチから始まった。この辺りになると食後ということもあり、寝る学生が続出。

来賓のスピーチが終わり、学生中心の討論会の形になった。まずアイスブレーキングのIEEE関連クイズ大会。正解者はチョコレートをもらえる。ここではインド組が積極性をみせる。どうやら韓国・中国・日本の参加者は大学院生が多いが、それ以外の国では学部生ばかりということもあり、インドを中心に盛り上がっていた。その後は討論会に。

議論のテーマがキャリアパスになると、非常に熱い議論となった。インドの学生からは「仕事を探す時にIEEEがぜんぜん役に立たない。IEEEはキャリアを応援してるって宣伝してるでしょ。私は結局いい仕事を見つけることができなかった。アメリカではちゃんとIEEEはキャリアに関して活動しているみたいなのに。同じ会費を払っているインドの私はどうなるわけ?。これってどうゆうことよ!」という意見が上がった。これをきっかけにアメリカではIEEEのクレジットカードがあったり、レンタカーの割引があったり、いろいろbenefitがあるのに、私たちの国ではbenefitがないという問題が挙げられた。確かにこれは日本の場合にも当てはまることで、会員勧誘をするときにIEEEにはどんな特典があるかを説明しにくい原因となっている。

総じてこの日の討論会で思ったことは、インドが元気ということだ。BRICsの"I"の力強さを見た気がした。

その後レストランに移動してパーティーとなる。今度は韓国人の博士課程の男と話をした。お金の話しになったときに日本と韓国の博士課程事情の違いを知った。韓国では、というより彼はサムスンの奨学生だそうだ。奨学生の博士課程学生は学費を全てサムスンに負担してもらい、さらに毎月10万円相当だったか20万円相当だったか忘れたが給料がもらえるらしい。これくらいならまだ日本でもあるはなしだが、さらに奨学生はサムスンに就職が内定しているとのこと (就職が義務になる)。こういった形があると日本の余剰博士問題をある程度解決できるような気がした。



その後はまたしても体調が悪くなり、パーティー後は清華大学に戻って寝る。


(注1) IEEE President, Prof. Michael Lightner のコラム
氏のコラムはSPECTRUMと一緒に送られてくる The Institute に連載されている。



IEEE R10SC2006 報告 ~ 7月13日 ~

2006年09月11日 | Activity 2006
北京の4大学を中心に企画された "IEEE Region 10 Student Congress 2006" の参加報告をします

場所: 北京、中国
期間: 7月13日~17日
参加者: 多賀谷

----- 7月13日 -----

・北京到着
・清華大学の留学生宿泊施設にチェックイン

北京首都国際空港に到着。感じとしてはセントレアと同じ程度の大きさ。しかし、2008年北京オリンピックに向けて新しい空港施設を増設中で、完成したら倍以上の大きさになりそうだ。

ここで個人的なハプニング発生 (注1)

荷物を受け取って外に出ると清華大学の学生がお出迎え。京都大学の菅野氏や各国の学生とともにシャトルバスで清華大学へ移動する。ハード(建物)だけ見ると名古屋よりずっとスゴイなぁと思っていると、清華大学付近のバス停に到着。タクシーで清華大学前へ (写真)。



大学の門から宿泊施設まで距離があり、学内バスに乗る。

この日は特にスケジュールがなくチェックインのみだった。

京大菅野氏と学食で中華(夕食)を食べる。名大の学食と比べると(物価の差があるので当然だが)コストパフォーマンスが高かった。ようするに、量があっておいしかった。ちょっと散歩して宿泊施設に帰る。

夜になってのどが渇く。水を買いに宿泊施設を出ようとするとインドからの学生シャシャンとその友達と会う。"When can I see students from other countries???" と中国人の学生に問い詰めていたところだった。通りかかってしまったので、"Yoichi from Japan!" と自己紹介して一緒に散歩することになる。いろいろ話しているうちに "India is famous for software." と言うと、"Japan has hardware such as cars, TVs, computers, cameras... A lot of things are from Japan." と言われた。インド人の彼からすると日本のものづくりが魅力的らしい。今の中国の産業にはソフトウェアしかないのが残念らしい。後日もっと彼と話をしたら、彼はロボットに興味をもっているようだった。ハードの設計・制御とソフトウェアの知能の融合がカッコイイらしい。

雨が降り出したので宿泊施設に戻って "Good night."

ベッドにて寝る。



(注1) 北京のトイレで紙は流せません
北京空港に到着してお手洗いに行った。個室に入ると大きなゴミ箱があり汚れたトイレットペーパーが捨てられていた。それを気にしている場合でなかったので用をすまし、トイレットペーパーとともに流そうとした。しかし流れない。水流が弱い。仕方ないので、「掃除の人ゴメン」と思いながらトイレを後にした。後で京大菅野氏に聞くと、北京のトイレは下水のパイプが細いためにトイレットペーパーは流してはいけなかったようだ。使用済のトイレットペーパーは個室内のゴミ箱に捨てなければならない。上海に旅行した時はそんなことはなかったので油断していたが、北京オリンピックで外国人がたくさん来ると詰まったトイレがいっぱいになるだろうと危惧する。