帝都などで新型コロナウイルス感染緊急事態宣言が21日に解除されるというので、卒然と旅情が沸き起こり、アマゾンプライムビデオで無料配信されている『世界の車窓から』をみた。フランス編で地中海沿岸を列車が走り、内海の塩湖であるトー湖を通り、その東端の袂にセートという都市が出てきた。東洋と西洋では方角が東西逆になり、頭がこんがらがって面白かった。さらに内陸方面を進むと、かつてのローマ政庁が置かれたアヴィニヨンに着いた。教皇宮殿内を撮影した教皇像はまるで仏像だった。東西文明交流史はシルクロードばかりでなく、南路の方も探求してみる価値があると思った。
きのう娘が孫娘を連れてきて、「アレクサ、テレビをつけて」と言ったら、プライムビデオ鑑賞用のタブレットが反応して、本当にテレビ画面が映りだしてびっくりした。理数系教科が赤点だった私には、開けゴマの魔法のような世の中に付いていけなくなった。数年前にアマゾン Echo Show を買ったものの、使い方が分からず、電源を抜いたままだったのを、今日引っ張り出して、「アレクサ、パソコンを動かして」と頼んだら、『特に意見はありません』と返答してきた。パソコンでなくコンピューターに言葉を換えても、『ちょっと難しいです』と素気無かった。パーソナルコンピューターと言い換えても、『そのように設定する方法が分かりません』と言うだけで、起動してくれなかった。返事のボキャブラリーは豊富だけれど、いずれも頓珍漢である。向こうの方は、指示が頓珍漢だと思っているのだろう。テレビもパソコンも同じWi-Fiで繋がっているのに、反応に差別があるのが理解できない。娘がアレクサと呼んだ時に、タブレット画面が開いたので、これを介したのかと思ったけれど、実際はアマゾン Fire TV Stick の音声認識機能がマイクボタンを押さなくても勝手に声を拾って働いたのかもしれない。もうこうなると疑心暗鬼が先に立って、音声でもメールでも口座番号やパスワード入力でも、グーグルやアマゾンを通じて米監視当局に、lineやファーウェイ、レノボを通じて中国検閲当局にダダ洩れであっても、勝手にしてくれという気になる。その代わり1日少なくとも10発はでかい屁をかましてやるから、覚えておきやがれ。
東京五輪のオリンピッグ演出も私の屁以上に臭い。安倍内閣時代に首相批判の声に対して、文句を言いたいなら首相になってからすればいいという、当代一流の芸人の発言を聞いて、お笑いを始め芸物を見なくなったので言及する資格はないけれど、品のないアイデアを出した人物が電通関係者だからなのか、内輪のLINE話を持ち出して責めるのは酷だと庇うタレントがワンさと居るのがニュースを読んでいて目障りである。メンバーから批判されてすぐ撤回したのだから、1年も前のことを蒸し返す必要はなく、演出統括役辞任に発展する問題でないとの反応が目立つけれど、そこまで鈍感になっていいのか。相撲取りでもないかばい手は物欲しげに見える。五輪式典に起用予定の当該タレントは、そういう演出内容とは聞いていなかったと言っているのだから、本人には内容を明らかにしないまま豚演出の方向で企画が、独断か何かで進んでいたと想像できる。それをLINE内容を文春に垂れ込んだ人間が信義則違反だと、非難するのはお門違いではないのか。ふんわり浮かんで消えたアイデアなら、具体的な人選、起用にまで進むはずがない。名誉ある五輪式典の出演を辞退するはずのない企画内容がこんなのだったことを、心ある誰かが、本人に知らせるのは礼儀である。内部の足の引っ張り合いを止めて、闇に葬れば済む内容ではない。この流れで一番怪しからんのは、その企画案が撤回されたあと、同タレントの出演が立ち消えになっていることである。改めて彼女を式典の主役に抜擢し、映える演出を考案することが、各方面の名誉を回復することになると思う。体裁だけ議論のメンバーを集めて、実際はボスの独断で事を進めようとすると、ピタッと嵌ることより、醜悪に外れることが多いことは、新型コロナウイルス対策以降に絞っても頻発している。万機公論に決すべしは、明治大帝の名を騙って薩長藩閥が壟断する意味ではなく、実際に推進することが当今においても求められている。
アレクサに
オリンピッグを
尋ぬれば
断れず踊る
笑顔になみだ