今日はワイヤーワークスの芝居を、本番撮影する。かなり緊張している。風のスタジオは天井が低いので「暗い・客席が近すぎることでの光線ムラ」という撮影者泣かせのところがある。土曜日にその辺りをしっかり確認したものだから、逆に緊張してしまった。おまけにドタバタだ。めいいっぱい舞台を使う彼らだ、そのムラのあたりまで使う。そして専門的だが、2900ケルビンの電球を半分の出力で使ってアンバーのフィルターをかぶせたら?色が出なくてコントラストがおかしくなる。まあそれはいつものことだが、今回はかなりきつい。
雨なので、バスで向かう。このため30分前に出なければいけない。それも緊張する。
土曜日に見た2ステも影響している。少し歯車が狂ってしまったようで、何かが少しおかしかった。頭のあたりから少しづつづれていって、回収できないままで終わってしまった。もちろん面白い芝居なのだが、少し居心地が悪い。
どうも世間には、瀬川の本が歴代ナンバーワンの遅さだったと言われているようだ。残念ながらその話の半分はそうだ。だが制作に澤田という超優秀なスタッフがいる。彼女がいれば瀬川も書かざるを得ない。それよりも以前に書いた、チラシのミステリーの話をしたほうが早いだろう。なんとスタッフの項目に音響がいないのだ。チラシ作成時にいなかったということだ。そして各スタッフもタイミング悪く、超多忙。公演パンフでは宣伝美術と小道具以外全部に瀬川の名前が出ている。いや舞台監督・舞台美術・装置に名前が出ている時点で、おかしいだろ。そして音響は音響プランということで、ここでも音響責任者は出ていない。正確には別枠で広告を装って佐藤淨の大御所と日坂サトの名前が出ているが、ギリギリで決まった感が大きい。
ほとんど瀬川が作ってしまった芝居で、その上瀬川に舞台監督が務まるのかという問題もあるが、本と演出に集中できなかったのは、確かだろう。
なおこの辺りは、「書いていいよ」と言われてますんで、書きました。
ゲネプロと本番撮影の最大の違いは、芝居が生きているかどうかではない。本番撮影では自由度が圧倒的に下がるからだ。位置変更もできないが、最大はシャッター音の問題だ。ニコンは一応サイレントモードという、音が少し柔らかくなる機能を持っているが、シャッターのタイムラグが大きくなる。そしてそんなことしても、音は以外とうるさい。野放図に取るわけにはいかない。だから芝居の邪魔をせずに、必要最低限のカットを目指さなければいけない。だが動きが多い芝居ではそれはかなり難しい。
そして舞台が暗ければ、単玉の明るいレンズが有利だ。そうなれば最低3本、そしてショートズームも入って4本が基本ラインナップだ。客席中央でないとその威力発揮できない。そうレンズ交換のためのスペースが必要になる。そして音の問題がある。シャッター音で不快な思いをさせるお客さんが少なければ少ないほどいい。真ん中では最悪なのだ。
それでは一番後ろはいいのかといえば、風のスタジオは天井が低い。そのため反射音が出る。それだったら最前列がいい。そうなると逆の問題が出る。レンズがないのだ。そこでショートズーム2本と標準ズーム1本という組み合わせで臨んだのだが、ショートズーム2本は舞台のような暗いところではピントが合いにくいのだ。F2,8だったとしてもかなり辛い。その上解像度が良くない。スモーク焚かれまくりだったらまずキツイ。
そして1キロ近いズームレンズを頻繁に交換するのは、かなりきつかった。多分疲れた最大の理由はこれだろう。本番撮影ではできるだけスムーズにレンズ交換をしたい。それがクソ重いのだ。
3ステはとてもうまくいったと思う。それでも彼らからすれば不完全燃焼だったと思う。確かに本は不完全だったと思う。少し文学的であったゆえかもしれない。
ただ思い返すと、この本はなかなかな構造になっている。
さて盛岡八幡宮のお祭りだが、14日からとなっているのだがナゼか13日から動いている。どうも自治会内を動く分にはお目こぼしがあるのか、自主性を重んじているのか、変だ。
確かに日曜日にお披露目しないと、ダメなのはわかるが。
風のスタジオはオフィスビルを改造しただけなので、こういった音が結構入る。公演中に2台通ったと思う。
電線を避けるために、上に人がいるというのは初めて知った。そして彼らが今避けようとしているのは、光ファイバーだったりしている。
雨は7時には止んだ。