沖縄・伝統文化

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西表・節祭(干立)

2005-11-12 16:32:43 | 行事
西表島の干立でも同じ日に節祭が行われます。祖内地区と行事日程が重なるため、全ての行事をみることができないのが惜しまれます。

隣の祖内地区の会場から干立地区へ駆けつけてみると、海岸でヤフ(櫂)ぬ手と呼ばれる舟の櫂を武器代わりに使用する護身術のような演舞が始まっていました。一連の演技の後、若衆とアンガァーの列の間を薙刀を持った少年が駆け抜け抜けていく場面です。

干立地区の節祭では、ヤフぬ手の後、すぐに舟漕ぎの儀式が始まります。最初は漕ぎ手たちが唄を口ずさみながらゆっくり沖まで進み、沖の目印のあたりで折り返してきます。これが来訪神を迎える儀式らしく、二回目の舟漕ぎでは入り江の小島をまわる長距離レースが行われます。

舟漕ぎの儀式の最中、太鼓に合わせて沖の舟に手招きしながら、前後に寄せては返すガーリーと呼ばれる動作を繰り返すアンガァーたちの画像です。彼方の海から来訪する神を呼び寄せる儀式といわれています。舟が帰ってくると漕ぎ手とアンガァーたちが一緒に手踊りして喜びを表します。

奉納芸能の終盤近くになるとミルク行列が始まります。干立のミルク様は、そのりりしい顔つきに特徴があるといわれています。また、ミルク様の袖持ちが小槍を持った少年であり、行列の後尾にも槍持ちの若衆が付き従っているところから、外敵から集落を守る姿勢を示すもので、後で登場するオホホの存在と関連があるという説もあります。

ミルク様の行列が行進している最中、突然「オーホホ」という声とともに、オホホと呼ばれる神様が登場します。伝承によれば、人心をたぶらかす悪い神様だから相手をしてはいけないといわれているようです。実際、オホホは背中にしょった袋から札束を見せびらかして、行列や観客の女性にしきりに取り入ろうとするようなしぐさを繰り返します。


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