沖縄・伝統文化

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屋部・八月踊り

2006-10-01 15:23:29 | 行事
名護市屋部区の伝統行事「屋部の八月踊り」をご紹介します。屋部区に古くから伝わる豊年祭で毎年旧暦8月8日(スクミ)、10日(正日)、11日(ワカリ)の三日間に渡って行われます。この時期、沖縄県内各地では豊年祭や村踊りの行事が行われますが、そのなかでも屋部区の八月踊りは古くからの行事形態を伝えるものとして沖縄県無形民俗文化財に指定されている行事です。

八月踊り正日には、公民館前広場で舞台出演者全員が勢揃いして道ジュネーが行われます。舞踊や組踊の装束を着込んだ演者の一行が「風雨順」文字入りの旗頭を中心に周りながら集落を練り歩く道ジュネーに出発します。

道ジュネーを終えた後、舞台では「長者ぬ大主」「クティ節」「稲しり節」の奉納芸3題が披露されます。福禄寿の象徴である村一番の長者は「我んや百二十歳なゆる村ぬ長者・・・」と豊穣祈願の口上を述べた後、ぺーちんの祝福の杯を受けます。

屋部区に伝わるという「ハンタマ」、古典女踊りの衣装と花笠姿、前半は杖を持った道行き姿で踊りますが、後半は花笠を手に持った打ち組み踊りになります。伊野波節に似ているようでもありますが、画像のように古典女踊りにはない所作が随所に見られます。女踊りの古い型なのかあるいは伝わる途中で変化したものなのか、さまざまな想像をかき立てる踊りです。

画像は「四つ竹」という演目ですが、古典女踊りの「四つ竹(クワディサ節)」とはかなり異なっており、屋部区では昔から侍姿の男を入れた三人で踊るということです。曲もクワディサ節ではありません。

屋部区に伝わる組踊にはかなりの演目があるようですが、今年の演目は「国吉ぬ比屋(くにしぬひゃー)」、別名「義臣物語」ともいわれる忠義物の一つです。
放蕩三昧のあげく民心を失った高嶺按司は鮫川按司に討たれてしまいますが、忠臣の国吉ぬ比屋は主君の仇討ちと若按司の再興を果たすべく単身で鮫川按司の屋敷に討ち入ります。
一人で討ち入った国吉ぬ比屋の話しに忠義の心を感じた鮫川按司は、その罪を許すとともに若按司の再興までも約束するのです。