作曲家・ピアニスト/平良伊津美の音楽エッセイ

新しい音楽の形を模索していきます。

アンデパンダン展 第一夜 2017年 11月29日

2017-11-30 10:02:04 | 音楽
日本現代音楽協会主催、アンデパンダン展、第一夜が11月29日に行われました。
この日は、10作品が演奏されました。

1.桃井千津子 「Let the Cat of the Bag」
教会旋法を主に使っているが、一部、調性という作品。違和感を感じましたが、綺麗な作品でした。
2.森田泰之進 「瞬息」 プログラムノートの意味が、音楽とどうつながっているか、よくわかりませんでしたが、尺八のするどい音は、素晴らしかったです。
3.松岡貴史 アルトと三味線のための「古今春秋夜」
オーソドックスな作曲で、アルトと三味線の呼吸はよかったです。
4.河内琢夫 「ソナタ・パシフィカⅡ ~ディジュリドゥ、チェロと打楽器のための~」
”ディジュリドゥ”という楽器は、角笛が長くなったような楽器で、オーストラリア先住民アポリジニの楽器だそうだ。凄いインパクトのある楽器でした。長い曲だったが、全く飽きなかった。面白い曲でした。
5.露木正登 「セレナードⅡ」 ~バセットホルンとハープのための~
難しかったです。ハープが和音を作るのかと思ったら、そういうわけでもなく、でも、楽器の使い方は流石でした。
6.浅野藤也 「独白」 ピッコロ独奏のための 私の将来、ピッコロの作品を書きたいと思っているので、注目の作品でした。
ピッコロは、高い音だとつんざく音がするので、そのあたりの作曲は、工夫がなされていて、よかったと思います。
7.ロクリアン正岡 音楽昇華術「ある夫婦の物語」~クラリネットとヴァイオリンによる~
長い曲で、聴いていて、疲れてしまいました。クラリネットが、夫役、ヴァイオリン(妻役)と、二人の掛け合いが面白かったです。
8.宇野文夫 ピアノのための「破片Ⅱ」冒頭のフーガがどうかな、と思いましたが、ピアノがきらめいているところはよかったです。
9.バリトンとピアノの為の「ダバオ・タモガンの地獄」紺野彰氏の詩を使っての作曲。平和への思いがこもっている作品でした。
10.高原宏文「弦楽四重奏のための”手鑑”」途中の対位法的な部分は、どうかと思いましたが、冒頭は引き締まっていて、面白かったです。

今日、第2夜が行われます。どんな新しい音符たちが繰り広げられているでしょうか。
来年は、出品します☆
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フルートアンサンブル ~教会で聴くフルートの響き~ 2017.11/23

2017-11-24 11:44:30 | 音楽
フルートアンサンブルを、九段教会で聴きました。とても楽しみにしてました。

まず、J.Bボワモルティエの5本のフルートのための協奏曲、ロ短調 Op.15-4<5Fl.>
Ⅰ アダージオ Ⅱ アレグロ Ⅲ アレグロ

ボワモルティエは、バロック時代にイタリアのコンチェルト形式をいち早くフランスに取り入れた作曲家です。ボワモルティエが家族で演奏
するために書いた曲だそうです。

次は、モーツァルトの、ラルゲットとメヌエット。(「5つのディヴェルティメントK.439b第2番より」)
フルート2本とアルトフルートで演奏されました。本来は、バセットホルンの三重奏だそうです。

そして、テレマンの、2本のフルートのためのソナタ 第3番、ニ長調。全て教会ソナタ形式で書かれています。

前半最後は、三浦真理の、ファンタスティック・モネです。クロード・モネの絵画にヒントを得た作品です。
Ⅰ 水の庭 Ⅱ 散歩 Ⅲ 風のスケッチ Ⅳ 海、夕暮れ Ⅴ 大通り Ⅵ 大聖堂~テーマと変奏
フランス風で始まった楽曲ですが、だんだんと、普通の調性になってしまった曲でした。

グルックの精霊の踊り。「オルフェオとエウリディーチェ」の中の間奏曲です。

ボザの「4本のフルートのための3つの小品」
ドビュッシーを思わせる作品です。プーランクの「牡鹿」の引用が第三楽章にあります。

クーラウの「3つの華麗な二重奏曲 ニ長調」とても、ハイテクニックな曲でした。クーラウは、フルートのベートーヴェンと言われているそうです。

最後にチャイコフスキーの「花のワルツ」華麗でした。

ピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルートと全てそろった演奏は、聴きごたえがあります。

アンコールもあり、素敵なフルートのコンサートは、終わりました。
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