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カミノアナログ

POGに命を削る日々を綴る「紙の穴」ブログ編。ドラフト終了までは日当たりアクセス100以下に抑えたいんで、ご協力よろ。

萩原清厩舎研究

2005-04-27 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 16位の美浦・萩原清厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 52-47-27-231/357  勝率 15% 連対率 28% 複勝率 35%
  期間内重賞 1-0-1-16/18  勝率 6% 連対率 6% 複勝率 11%
  1世代当り 25頭登録  18.2頭出走  8.4頭勝馬  1頭当平均 3.9走
  期間内出走率 73%  期間内勝馬率 46%  期間内出走占有率 31%
  1頭当平均 673万円獲得  平均勝利距離 1462m
牡馬のみ >
  1世代当り 14.4頭登録  10.8頭出走  5.8頭勝馬  1頭当平均 4.1走
  期間内出走率 75%  期間内勝馬率 54%
  1頭当平均 796万円獲得  平均勝利距離 1459m
牝馬のみ >
  1世代当り 10.6頭登録  7.4頭出走  2.6頭勝馬  1頭当平均 3.7走
  期間内出走率 70%  期間内勝馬率 35%
  1頭当平均 492万円獲得  平均勝利距離 1467m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:メテオバースト 2000年産:トーセンオリオン
  1999年産:ヤマニンマター 1998年産:トーヨーワシントン
  1997年産:チアズムーンシップ
特徴 > 数を使わない、牝馬は多いがやや不得意、登録数が多く出走率がやや低い、短距離志向

美浦の有力厩舎は、栗東にくらべて登録頭数が多い。萩原厩舎はそのなかでも宗像とならんで最多の登録頭数をかかえる。そのためどうしても使ってもらえなくなる。

しかも萩原が得意なのは短距離、とくにダート戦。関東では良い厩舎だが、期間内に大物も小物も出にくいのはしかたない。狙うなら、外国産馬や地味な血統だろう。

教訓。

・ 関東限定ルールでないかぎり萩原馬の上位指名は危険
・ 指名するならダート向きの外国産馬や地味な血統馬を下位で

厩舎研究ここまでの目次

2005-04-24 | pog-stable
  1  美浦・藤沢和雄
  2  栗東・音無秀孝
  3  美浦・国枝栄
  4  栗東・池江泰郎
  5  美浦・小島太
  6  栗東・瀬戸口勉
  7  美浦・河野通文
  8  栗東・石坂正
  9  美浦・大久保洋吉
 10 栗東・橋口弘次郎
 11 美浦・二ノ宮敬宇
 12 栗東・森秀行
 13 栗東・松田国英
 14 美浦・加藤征弘
 15 栗東・山内研二


2004年全国リーディング順。
このあと美浦・萩原清、栗東・坂口正則、美浦・松山康久、栗東・角居勝彦、美浦・手塚貴久。
さらに栗東・佐々木晶三、栗東・安田隆行、栗東・伊藤雄二、栗東・松田博資、栗東・北橋修二、栗東・坂口正大、美浦・堀井雅広、栗東・橋田満、栗東・岩元市三をかんたんに分析する。

山内研二厩舎研究

2005-04-24 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 15位の栗東・山内研二厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 97-78-62-335/572  勝率 17% 連対率 31% 複勝率 41%
  期間内重賞 9-7-5-51/72  勝率 13% 連対率 22% 複勝率 29%
  1世代当り 20.2頭登録  18.4頭出走  12頭勝馬  1頭当平均 6.2走
  期間内出走率 91%  期間内勝馬率 65%  期間内出走占有率 40%
  1頭当平均 2182万円獲得  平均勝利距離 1547m
牡馬のみ >
  1世代当り 12.2頭登録  11.2頭出走  6.6頭勝馬  1頭当平均 5.9走
  期間内出走率 92%  期間内勝馬率 59%
  1頭当平均 1815万円獲得  平均勝利距離 1631m
牝馬のみ >
  1世代当り 8頭登録  7.2頭出走  5.4頭勝馬  1頭当平均 6.6走
  期間内出走率 90%  期間内勝馬率 75%
  1頭当平均 2754万円獲得  平均勝利距離 1433m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:フィーユドゥレーヴ 2000年産:ラントゥザフリーズ
  1999年産:アローキャリー(道営からの転厩) 1998年産:ダンツフレーム
  1997年産:チアズグレイス
特徴 > 牝馬は非常に得意、非常に数を使う、出走率が高い、非常に早熟志向、下降中

須田氏がライターとして名を売り、毎年POG本を出版するまでになったのは、山内を「発見」した功績が大きいと、俺は思っている。
もともとPOGは、トラックマンが仕事上つきあいのある厩舎や、大種牡馬、ゆかりの牝系を頼りに遊ぶゲームだった。お互いの領分は侵さない的な雰囲気が、濃くあった。
それが戦略と戦術と厨房のゲームになったのは、けっきょく須田氏らが「山内馬と橋口馬を取れば素人でも勝てる」みたいな必勝法を引っさげて登場し、雑誌記事に書きちらしたせいではないだろうか。

それほどまでに山内のPOG適性は高い。俺が実弾戦でほとんどマイナスになったことがないのも、山内馬を取ってきたおかげだ(須田ピンありがとう。

集計対象5世代のうち、山内厩舎は5~8歳の4世代で期間内最多勝(4歳は不振)。出走率は牡牝とも9割。勝馬率は藤沢につぎ、出走数はリーディング上位でダントツ最多。
それもそのはず、期間内出走占有率が4割(藤沢和は2割)ということは、山内馬の現役生活は期間内が4割、残りが6割なんである。賞金ベースでは、期間内占有率は5割を越える。ほかの厩舎がまだ仕上がり途上のうちに、山内馬は「ここで稼がずいつ稼ぐ」とばかり、ガチで走っている。
厩舎そのものの回転を早くすることで、厩舎経営の安定化と向上をめざす。これもまた藤沢和や松田国とはちがった意味で、立派なビジネスモデルと言えよう。

そんな山内馬だが、ここ3年はやや下り坂。重賞勝ちはラントゥザフリーズ、フィーユドゥレーヴ、コンゴウリキシオーで1勝ずつ、かろうじて毎年続いているものの、勝馬率、賞金ともに減少が気になる。育成の全体レベルが上がり、外厩への依存度が高まった結果、ヤマダステーブルで築いたリードがなくなっているのだろうか。
すくなくとも、いまは「山内馬を取る」だけでは勝てなくなってきている。山内馬の有利さをみんなが知ってしまっており、下位で思うように取れなくなったからだ。

そこで、山内の何を取ればいいかを、新たにいくつか提案したい。

ひとつめは、山内牝馬
牝馬にかぎれば、藤沢をおさえて山内が今でもナンバー1。桜花賞2勝・オークス1勝がしめすように、山内牝馬は非常に信頼性が高い。というか牝馬のほうが稼ぐ。上では賞金が牡馬の2倍以上になっている。ただこれは対象に桜花賞馬が2頭ふくまれるためで、かならず2倍稼ぐわけではない。あくまで牝馬のほうが使ってもらえるぐらいの理解で。

ふたつめは、入厩済み馬
山内には、産地馬体検査を受けずに栗東へ入厩し、バンバン仕上げて北海道へ送りこむパターンがある。坂路の調教時計をチェックし、北海道の2歳Sを狙いたい。
そのとき気をつけなければいけないのは、時計が早ければいいというものではない点。入厩が早ければ、時計は当然詰まる。全入厩馬を1週目に使うわけではないのだから、仕上がりをずらして当たり前。血統・馬体・評判と相談しながらドラフト直前で判断しよう。

みっつめは、ヨーロッパでの2歳購買馬
パーソナルラッシュやフィールドボンバーはアメリカのトレーニングセールで買われた馬だが、芝の重賞を勝ったコンゴウリキシオー、NHKマイルCで1番人気だったヒューマは、イギリスのタタソールズブリーズアップセール出身。
セールの知名度や価格の安さで人気を落としているものの、このセールは合田氏もいうように本当にお買い得。POG下位指名馬をさがすには最適なんである。サラブレッド取引の世界的中心アメリカには、芝向きの2歳馬も、それを好んで欲しがる購買者もあまりいない。ユニコーンSも期間に入らないダービールールPOGでは、芝適性が重要。だからヨーロッパのトレーニングセールというわけだ。
山内は、ファビラスラフィン・シェルゲームが買われたフランスのドービルセールや、イギリスでも当歳・1歳馬のセールでは馬を仕入れない。狙うはイギリスのトレーニングセールである。今年はタタソールズではなく、ドンカスターのセールで4頭が購入された。要チェックだ。

教訓。

・ POGなら山内馬、須田さんがそう言ってました
・ 山内馬は山内馬でも牝馬、入厩馬、外国産馬をかしこく取れ
・ 入厩馬の時計は気にしすぎるな
・ 外国産馬はヨーロッパのトレーニングセール出身の芝馬を重視

加藤征弘厩舎研究

2005-04-23 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 14位の美浦・加藤征弘厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1999~2001年生世代(3世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 21-19-7-88/135  勝率 16% 連対率 30% 複勝率 35%
  期間内重賞 0-0-0-2/2  勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%
  1世代当り 16.7頭登録  12頭出走  6.3頭勝馬  1頭当平均 3.8走
  期間内出走率 72%  期間内勝馬率 53%  期間内出走占有率 33%
  1頭当平均 544万円獲得  平均勝利距離 1538m
牡馬のみ >
  1世代当り 7.7頭登録  5.7頭出走  4.3頭勝馬  1頭当平均 3.9走
  期間内出走率 74%  期間内勝馬率 76%
  1頭当平均 717万円獲得  平均勝利距離 1620m
牝馬のみ >
  1世代当り 9頭登録  6.3頭出走  2頭勝馬  1頭当平均 3.6走
  期間内出走率 70%  期間内勝馬率 32%
  1頭当平均 389万円獲得  平均勝利距離 1333m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:トーセンブライト 2000年産:オトハチャン
  1999年産:ヘヴンノウズ
特徴 > 牡馬は非常に得意で長距離志向、数を使わない、上昇中

エビス=加藤オーナーの子息。開業から日が浅く、まともに馬を仕入れたのは4歳世代がはじめて(4歳馬24頭、5歳馬14頭、6歳馬12頭。転厩してきた馬も含んでいる)。なので集計対象を5世代ではなく3世代とした。比較の際は注意されたし。
なお集計外の3歳世代は、皐月賞終了現在こうなっている。

3歳世代 >
  通算 11-11-8-47/77  勝率 14% 連対率 29% 複勝率 39%
  1世代当り 22頭登録  22頭出走  11頭勝馬  1頭当平均 3.5走
  期間内出走率 100%  期間内勝馬率 50%
  1頭当平均 601万円獲得  平均勝利距離 1509m

丹下日出男氏がいれこんでいたレゴラスが期間内1勝、全弟ブレーヴハートが現在2勝。トーセンダンスも腰フラでまともに追えないとわかるまでは、この厩舎に入る予定だった。
現状から、今年はあまり人気にならないのではないかと思われる。
しかし、グロスな数字でみてみると、加藤征はなかなか期待できそうだ。
あまり使いこまないのはレゴラス兄弟の印象どおりだが、勝馬率の高さ、OP勝馬がいないわりに高い獲得賞金、長距離志向など、優秀な厩舎である兆候があらわれている。森厩舎で研修し、スタッフに腕利きを揃えたとは聞いていたが、これなら馬券でもしばらく追ってみたくなる。
ことしのPOGでは、「横綱」級の人気馬に突撃するのではなく、試しに下位で取るていどの先物買いがよいのではないだろうか。

教訓。

・ 加藤征はこれからの厩舎
・ 今年はいったん人気が下がりそうで、下位指名に妙味

松田国英厩舎研究

2005-04-22 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 13位の栗東・松田国英厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 55-26-30-164/275  勝率 20% 連対率 29% 複勝率 40%
  期間内重賞 13-3-6-25/47  勝率 28% 連対率 34% 複勝率 47%
  1世代当り 15頭登録  11.2頭出走  6.2頭勝馬  1頭当平均 4.9走
  期間内出走率 75%  期間内勝馬率 55%  期間内出走占有率 33%
  1頭当平均 2806万円獲得  平均勝利距離 1704m
牡馬のみ >
  1世代当り 6.8頭登録  5.4頭出走  3.6頭勝馬  1頭当平均 5.1走
  期間内出走率 79%  期間内勝馬率 67%
  1頭当平均 4336万円獲得  平均勝利距離 1717m
牝馬のみ >
  1世代当り 8.2頭登録  5.8頭出走  2.6頭勝馬  1頭当平均 4.7走
  期間内出走率 71%  期間内勝馬率 45%
  1頭当平均 1381万円獲得  平均勝利距離 1679m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:キングカメハメハ 2000年産:エコルプレイス
  1999年産:タニノギムレット 1998年産:クロフネ
  1997年産:オリーブクラウン
特徴 > 牡馬は非常に得意、出走率がやや低い、長距離志向、やや早熟志向、重賞では最強

期間内最大の目標であるダービーを2勝、オークスを1勝、マイルカップを2勝。開業10年でこの実績は破格だ。56頭出走して、1頭あたり平均2800万円。破壊力ばつぐん、POGのホームラン王である。
いっぽうで、期間外G1はクロフネが3歳でジャパンカップダートを勝っただけ(しかもそれを最後に故障引退。古馬G1はフサイチエアデールのエリ女2着が最高)、壊しっぷりも破格である。まあどのような引退だろうと、それまでにじゅうぶん種牡馬になれるだけの実績をあげていれば、馬主も怒り出すことはないのかもしれない。

ペーパー馬主にとっても、松田国はうれしい厩舎だ。ドラフト前におしみなく情報を提供してくれて、期間内に完全燃焼してくれるのだから。
しかも、4歳世代の登録20頭にたいして3歳世代は登録13頭。すでに全頭が出走し、うち9頭が勝ち上がっている。つぎの2歳世代も、どうやら少数精鋭路線を継続するようす。一時期問題になった馬房不足は、こと2歳世代に関しては気にしなくてよさそうだ。未出走率は悪くて2割(藤沢の半分)だろう。

松田国には死角はないのか・・・。一部で「松国サンデーは消し」ともいわれてきたが、これも残念ながら?認めがたい。
松田国厩舎、通算132頭の管理馬のうち、サンデーサイレンス産駒は28頭。およそ五分の一にあたる。

サンデーのみ(過去7世代) >
  1世代当り 4.0頭登録  3.4頭出走  1.9頭勝馬  1頭当平均 4.4走
  期間内出走率 86%  期間内勝馬率 54%
  1頭当平均 2301万円獲得  平均勝利距離 1729m

期間内の成績は、上記の管理馬ぜんたい(5世代分)の数字と、ほとんど変わらない
G1はダイワエルシエーロのオークスのみだが、エアデールはそれより稼いだし、ボーンキングだって、G3勝ちどまりでも期間内に1億近く稼いでいる。牝馬の活躍がめだつが、それは牡馬11頭に対し牝馬17頭ともとから数がちがうからであって、牡馬の数字がきょくたんに劣るわけではない。
ようするに、松国はサンデーであろうとなかろうと、関係なく走るんである。
ついでにいうと、母父サンデーはブラックコンドルとライラプスだけだが、ともに期間内にオープンや重賞を勝っている。

・・・・お手上げである。\(´∀`;)ノ
これまでにクロフネをダート馬として切り、タニノギムレットを見すごし、キングカメハメハを「兄とくらべると配合は落ちる」という理由で切ってきた俺だが、これからは人並みに松田国馬のお世話になりたい(つーか、ならせてください。

教訓。

・ マツクニすげーよ先生自分でPOGやってるっしょ?
・ 松田国馬はサンデーでもサンデーでなくても走る

森秀行厩舎研究

2005-04-21 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 12位の栗東・森秀行厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 54-50-33-241/378  勝率 14% 連対率 28% 複勝率 36%
  期間内重賞 4-5-5-28/42  勝率 10% 連対率 21% 複勝率 33%
  1世代当り 22.6頭登録  18.8頭出走  8頭勝馬  1頭当平均 4走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 43%  期間内出走占有率 28%
  1頭当平均 1117万円獲得  平均勝利距離 1493m
牡馬のみ >
  1世代当り 12.6頭登録  10頭出走  4.4頭勝馬  1頭当平均 3.8走
  期間内出走率 79%  期間内勝馬率 44%
  1頭当平均 1458万円獲得  平均勝利距離 1544m
牝馬のみ >
  1世代当り 10頭登録  8.8頭出走  3.6頭勝馬  1頭当平均 4.2走
  期間内出走率 88%  期間内勝馬率 41%
  1頭当平均 730万円獲得  平均勝利距離 1418m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:シーキングザダイヤ 2000年産:アルファフォーレス
  1999年産:アグネスソニック 1998年産:ロイヤルキャンサー
  1997年産:エアシャカール
特徴 > 数を使わない(とくに牡馬)、短距離志向、やや晩成志向、登録数が増加し下降中

リアリストでアイデアマンの森調教師。競馬の祭典ダービーを「1着賞金1億5000万円のオープンレース」とみなすような、クールな感性の持ち主だ。
じぶんの手で新しい馬主を探すのはお手のもの、馬主が消えたノボジャック・ノボトゥルー・スターキングマンは交流重賞に回して出走枠を毎回占拠。さいきんは南半球産馬を大量に仕入れて競馬の二毛作をもくろむなど、森調教師はつねに工夫を欠かさない。
経営者としての手腕は、高く評価していいと思う。馬主にとってはよい調教師なんだろう。
しかし期間内に重賞で活躍してほしい俺らPOG厨にとって、森調教師の経営方針は、かならずしも魅力的でない。

そして森馬には、大きな問題がひとつ。
登録馬の増加にともない、1頭当平均の出走回数は年々落ちている(6-8歳世代は期間内平均 4.5走、4-5歳世代は 3.5走、3歳世代は現在 3.0走)。馬が余っている、外厩をフル活用しても馬房不足をカバーできなくなってきていることが表れているんである。こうなると、森厩舎ほんらいの狙いすましたローテも、なかなか組めない。
あいかわらず良い馬が入ってくるのだが、いまの森厩舎は、藤沢和や松田国よりPOG適性が低くなっていると判断せざるをえないだろう。

教訓。

・ 森厩舎は登録頭数増加で1頭当りの出走回数が減ってきている
・ 現状では、人気馬を上位で指名してはいけない
・ 交流重賞が得点になるなら、下位でダート向きの馬をねらってもよい
・ 南半球産馬はぜんぶ消し

二ノ宮敬宇厩舎研究

2005-04-20 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 11位の美浦・二ノ宮敬宇厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 59-43-40-188/330  勝率 18% 連対率 31% 複勝率 43%
  期間内重賞 0-1-0-21/22  勝率 0% 連対率 5% 複勝率 5%
  1世代当り 22.8頭登録  16.6頭出走  8.8頭勝馬  1頭当平均 4走
  期間内出走率 73%  期間内勝馬率 53%  期間内出走占有率 28%
  1頭当平均 758万円獲得  平均勝利距離 1551m
牡馬のみ >
  1世代当り 17.2頭登録  12.4頭出走  7.2頭勝馬  1頭当平均 4.4走
  期間内出走率 72%  期間内勝馬率 58%
  1頭当平均 825万円獲得  平均勝利距離 1565m
牝馬のみ >
  1世代当り 5.6頭登録  4.2頭出走  1.6頭勝馬  1頭当平均 2.8走
  期間内出走率 75%  期間内勝馬率 38%
  1頭当平均 559万円獲得  平均勝利距離 1491m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:ホオキパウェーブ 2000年産:ダイワセレクション
  1999年産:ココモキング 1998年産:ダイワブライアン
  1997年産:ハセノバクシンオー
特徴 > 登録数が多く出走率はやや低い、牡馬は得意、牝馬は非常に数を使わない、上昇中

エルコンドルパサーを期間内無敗のG1制覇、翌年は凱旋門賞2着にまで導いた知性派調教師。
数年前は夏の2歳戦を完全無視、秋から使うのが定番だったが、さいきんは使い出しが早くなり、北海道の2歳戦でも見るようになった。とくに4歳世代は、エルコンドルパサー初年度産駒5頭など31頭を登録し、松田国厩舎をおさえて期間内全国トップの計20勝をあげている(例年トップの山内厩舎が16勝にとどまったためでもあるが)。

ただ4歳が多すぎたのか、現3歳世代は不振。21頭を登録、14頭が出走しながらまだ2勝しただけ。とり憑かれたように2着、3着が多い。この世代が残る以上、福島で未勝利が終わるまでは、2歳馬の入厩も遅れがちになるだろう
もともと二ノ宮馬は、勝馬率が高いものの、2勝目をあげるのが遅く、期間内にはあまり活躍しない。POG向きの厩舎とは言えないんである。

牝馬はさらに大事に使われ、牡馬以上に数字が低くなっている。期間内での過去最高成績は500万条件勝ち。サンプル数が少ないうえ、期間内平均して3走もしないのだから当然だ。二ノ宮牝馬の出走回数は、松山牝馬についで少ない。関東限定ルールでもないかぎり、二ノ宮牝馬は指名対象から外していいだろう。

教訓。

・ 3歳馬の不振から、今年の二ノ宮馬は静観が賢明
・ 二ノ宮牝馬は数を使わないのでパス

橋口弘次郎厩舎研究

2005-04-19 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 10位の栗東・橋口弘次郎厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 60-48-39-278/425  勝率 14% 連対率 25% 複勝率 35%
  期間内重賞 7-6-5-27/45  勝率 16% 連対率 29% 複勝率 40%
  1世代当り 15.6頭登録  15.4頭出走  7.4頭勝馬  1頭当平均 5.5走
  期間内出走率 99%  期間内勝馬率 48%  期間内出走占有率 33%
  1頭当平均 1604万円獲得  平均勝利距離 1593m
牡馬のみ >
  1世代当り 8.4頭登録  8.2頭出走  5.2頭勝馬  1頭当平均 6.2走
  期間内出走率 98%  期間内勝馬率 63%
  1頭当平均 2233万円獲得  平均勝利距離 1673m
牝馬のみ >
  1世代当り 7.2頭登録  7.2頭出走  2.2頭勝馬  1頭当平均 4.7走
  期間内出走率 100%  期間内勝馬率 31%
  1頭当平均 887万円獲得  平均勝利距離 1375m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:ハーツクライ 2000年産:ザッツザプレンティ
  1999年産:モノポライザー 1998年産:ローズバド
  1997年産:ダイタクリーヴァ
特徴 > 牡馬は非常に得意で数も使う、牝馬は短距離志向で数を使わない、出走率が非常に高く不出走はほとんどない、やや下降中

おそらくPOGでもっとも人気のある厩舎。俺の周りには橋口マニアが何人かいて、地味なユートピアですら5位で取らなければいけなかった。
上の数字も示していることだが、橋口馬は必ず出てくる、数を使う、金を稼ぐ、そしてG1では惜敗する。だから「いい思いをさせてくれた、こんどはもっといい思いができるかもしれない、また指名しよう」と思われる。いわばリピーター人気。なかなか出てこなかったり、たまに大爆発する厩舎とは一味ちがう。
その基礎にあるのは、所属馬を少なくたもつこと。橋口厩舎では良血馬に唾つけて回るようなことをせず、仕入れの段階からかなり厳選している。なので馬房争いも起こりにくく、出走回数が多くなる。POG的には、指名するときに選びやすいということにもなる。
現3歳世代は、これまででもっとも多い19頭が登録されているが、すでに全頭が出走しており、ローゼンクロイツ・ペールギュントなど9頭が勝ちあがっている。

ただ、 橋口厩舎が牡馬と牝馬で大きく使い方を変えていることには、注意したい。
橋口牝馬は、平均勝利距離が短い(2004年全国リーディング上位20厩舎中、最短)。牡馬ではクラシック重視の長距離志向なので、その差が300m近くある。そして出走回数が、牡馬にくらべると少ない。これらは、栗東の早熟志向な厩舎(坂口則、古川、松元茂、岩元など)と共通する傾向だ。
テンシノキセキもローズバドも結果として桜花賞には出られなかったが、橋口牝馬は、小倉ほかローカルの2歳S → ファンタジーS・阪神JF・フェアリーS → 桜花賞、が既定路線である。キュンティアのような長距離血統ですら、この路線を進もうとする。
したがって橋口牝馬を指名するなら、オークス向きよりも桜花賞向き、桜花賞よりも桜花賞トライアル向き、いやいっそ2歳S向きのつもりで、スピードのある馬を取るのがよいだろう。

教訓。

・ 橋口牡馬は高い確率でクラシック路線に乗る、ただしトライアル向き
・ 橋口牝馬は短距離志向で、ねらうなら2歳Sか桜花賞トライアル

大久保洋吉厩舎研究

2005-04-18 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 9位の美浦・大久保洋吉厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 30-34-36-223/323  勝率 9% 連対率 20% 複勝率 31%
  期間内重賞 1-0-3-16/20  勝率 5% 連対率 5% 複勝率 20%
  1世代当り 21.6頭登録  17頭出走  4.6頭勝馬  1頭当平均 3.8走
  期間内出走率 79%  期間内勝馬率 27%  期間内出走占有率 23%
  1頭当平均 584万円獲得  平均勝利距離 1557m
牡馬のみ >
  1世代当り 13.8頭登録  10.4頭出走  3.2頭勝馬  1頭当平均 4.1走
  期間内出走率 75%  期間内勝馬率 31%
  1頭当平均 789万円獲得  平均勝利距離 1552m
牝馬のみ >
  1世代当り 7.8頭登録  6.6頭出走  1.4頭勝馬  1頭当平均 3.3走
  期間内出走率 85%  期間内勝馬率 21%
  1頭当平均 262万円獲得  平均勝利距離 1571m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:ハイアーゲーム 2000年産:フルーツマシン
  1999年産:スペシャルストック 1998年産:メジロキルデア
  1997年産:ショウナンラルク
特徴 > 勝馬率が低い、数を使わない(とくに牝馬)、牝馬は不得意で長距離志向、非常に晩成志向

メジロドーベルやショウナンパントルで2歳G1を勝ったので、牝馬が得意で早熟かというと・・・真逆。この2頭が集計対象世代から前後にはずれているとはいえ、5世代で牝馬が39頭いて、勝ち上がりは7頭、すべて1勝止まり。勝率はわずかに2%である。
牡馬も、重賞入着はすべてハイアーゲームによるもので、人気厩舎の名に値するものではない。

あえて言おう。この厩舎は地雷原であると。すくなくともダービールールでみるかぎり、2004年JRA全国リーディング上位20厩舎中で、期間内勝馬率はぶっちぎりの最低(つぎに低いのが20位手塚厩舎の41%)。1頭当平均賞金も最低(つぎに低いのが石坂厩舎の652万円)。1頭当平均出走回数は松山厩舎についで2番目に低い。
つまり使わない、勝たない、稼がない。

なぜこんな厩舎がリーディング上位にいるのか。ショウナンカンプを思い出せばいい。ショウナンカンプが未勝利を脱出したのはダービー後の福島。初重賞挑戦が4歳。大久保洋はほんらい、古馬にねらいを定めた厩舎なんである。
坂路3本追いを行うこの厩舎の調教に、耐えられる馬は少ない。スルーレートはフラワーC前、坂路で1週間に16本追われた。その結果、レースでは2着したものの、骨折している。ダービーまでの期間だけを考えれば、レースに使っていったほうがまだ経験を効率的につみやすい。しかし長い目で見るなら、きびしく鍛えつづけることで、古馬になって完成したとき、調教の蓄積量は他を圧倒するものとなり、故障もかえって少なくなる。そういう意味でいうと、大久保洋のやり方は「本当に強い馬を育てる」うえで、正しい方法なのかもしれない。
しかし、それはPOGではほとんど意味がない。早熟馬はいちはやく底を見せ、晩成馬は期間内に間に合わない。タフな血統をえらぶことでいくらか対応できるにしても、当たりを引く確率は藤沢よりずっと低い。

教訓。

・ 大久保洋馬はダービールールでは地雷
・ 藤沢馬と比べると、デビューこそより確実だが、出走回数は下、勝馬率は半分、賞金は四分の一
・ とくに牝馬は悲惨、2歳G1勝ちにだまされるな

石坂正厩舎研究

2005-04-16 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 8位の栗東・石坂正厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 46-41-33-269/389  勝率 12% 連対率 22% 複勝率 31%
  期間内重賞 0-0-0-12/12  勝率 0% 連対率 0% 複勝率 0%
  1世代当り 18.2頭登録  15.8頭出走  7.2頭勝馬  1頭当平均 4.9走
  期間内出走率 87%  期間内勝馬率 46%  期間内出走占有率 32%
  1頭当平均 652万円獲得  平均勝利距離 1548m
牡馬のみ >
  1世代当り 10.6頭登録  9.2頭出走  5.2頭勝馬  1頭当平均 5.3走
  期間内出走率 87%  期間内勝馬率 57%
  1頭当平均 793万円獲得  平均勝利距離 1568m
牝馬のみ >
  1世代当り 7.6頭登録  6.6頭出走  2頭勝馬  1頭当平均 4.3走
  期間内出走率 87%  期間内勝馬率 30%
  1頭当平均 455万円獲得  平均勝利距離 1492m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:トーホウファイター 2000年産:サカラート
  1999年産:サンライズキング 1998年産:ナスダックパワー
  1997年産:ダンツランニング
特徴 > 牡馬は数を使う、牝馬はやや不得意、上昇中

期間内重賞での活躍はヴァーミリアンとダンツクインビーを要した3歳世代がはじめて(期間直後のユニコーンSではナスダックパワーが勝っている)。さいきん売り出し中の厩舎である。ちなみにダイタクヤマトは期間内2勝、サンライズペガサスは期間後安田伊厩舎からの転厩、コウエイロマンも期間後橋口厩舎から転厩してきた。
上昇途上のため1頭当平均の数字はまだ低いが、出走率・勝馬率・出走数では信頼できる水準にたっしており、ヴァーミリアンを私撰馬に加える際にもためらいはなかった。
ヴァーミリアンの年明け緒戦が大敗だったように、クラシックを狙うにはまだ蓄積が足りないが、今の勢いならいずれ乗りこえてくるだろう。

教訓。

・ 石坂は毎年上昇中、これからの厩舎
・ 石坂牡馬は指名対象として魅力ある

河野通文厩舎研究

2005-04-16 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 7位の美浦・河野通文厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 53-37-31-141/262  勝率 20% 連対率 34% 複勝率 46%
  期間内重賞 2-2-3-17/24  勝率 8% 連対率 17% 複勝率 29%
  1世代当り 19.8頭登録  13.6頭出走  7.4頭勝馬  1頭当平均 3.9走
  期間内出走率 69%  期間内勝馬率 54%  期間内出走占有率 29%
  1頭当平均 993万円獲得  平均勝利距離 1632m
牡馬のみ >
  1世代当り 14.2頭登録  10.6頭出走  6頭勝馬  1頭当平均 4.1走
  期間内出走率 75%  期間内勝馬率 57%
  1頭当平均 992万円獲得  平均勝利距離 1640m
牝馬のみ >
  1世代当り 5.6頭登録  3頭出走  1.4頭勝馬  1頭当平均 3走
  期間内出走率 54%  期間内勝馬率 47%
  1頭当平均 994万円獲得  平均勝利距離 1600m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:フォーカルポイント 2000年産:トラストセレビー
  1999年産:アルスブランカ 1998年産:トラストファイヤー
  1997年産:ゲイリーファンキー
特徴 > 牝馬は得意、数を使わない(とくに牝馬)、出走率が低い(とくに牝馬)、やや長距離志向、やや早熟志向

関東のオープン大将製造装置という印象だったので、使い込まず、やや長距離志向なのは意外。最近ではセイリューオーのように夏デビューの活躍馬も減っている。
牝馬について特徴が出ているが、出走頭数が少ないので特例ゲイリーファンキーが数字をひきあげているとみなすべきかもしれない。
過去クラシックでの入着はなく、マイルG1での2着が最高。上位で指名するほどではないだろう。

教訓。

・ 河野馬の早期デビューは減っている
・ 下位指名で短距離路線ねらいが基本

瀬戸口勉厩舎研究

2005-04-16 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 6位の栗東・瀬戸口勉厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 67-51-60-330/508  勝率 13% 連対率 23% 複勝率 35%
  期間内重賞 7-2-3-28/40  勝率 18% 連対率 23% 複勝率 30%
  1世代当り 21頭登録  18.2頭出走  8.2頭勝馬  1頭当平均 5.6走
  期間内出走率 87%  期間内勝馬率 45%  期間内出走占有率 32%
  1頭当平均 1456万円獲得  平均勝利距離 1455m
牡馬のみ >
  1世代当り 13.8頭登録  12.2頭出走  5.2頭勝馬  1頭当平均 5.1走
  期間内出走率 88%  期間内勝馬率 43%
  1頭当平均 1634万円獲得  平均勝利距離 1486m
牝馬のみ >
  1世代当り 7.2頭登録  6頭出走  3頭勝馬  1頭当平均 6.5走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 50%
  1頭当平均 1096万円獲得  平均勝利距離 1396m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:フレンチアイディア 2000年産:ネオユニヴァース
  1999年産:サニングデール 1998年産:リキセレナード
  1997年産:マルカミラー
特徴 > 牝馬は得意で数を使う、牡馬の勝馬率は低い、短距離志向、やや早熟志向

瀬戸口調教師は68歳でもうすぐ定年。ネオユニヴァースでオグリキャップの借りを返し、オグリローマンとラインクラフトで桜花賞2勝。エイシンチャンプで朝日杯も勝っている。俺もたびたび美味しい思いをさせてもらった厩舎だ。

数字でみると、ネオユニヴァースがこの厩舎では特別だったのがわかる。瀬戸口馬は短距離でこそ。そして牝馬の成績がすばらしい。オグリローマンやラインクラフトが集計対象に入っていないにもかかわらずだ。
いっぽう牡馬は、ネオユニ・チャンプの世代をのぞくと1頭当平均賞金が半分に、平均勝利距離も短くなる。レットバトラーで皐月賞を夢見たPOもいるだろうが、ほんらいクラシックを狙う厩舎ではないんである。

この厩舎の素顔としてはむしろ、かつて小倉3歳Sで4勝したころを思い出すべきだ。2歳Sになってから勝てず、橋口や坂口の陰にかくれているが、小倉開催で一番使うのは今でもこの厩舎である。俺が昨年指名したエイシンヴァイデンは、指名時から小倉2歳Sをつよく意識していた。
ラインクラフトも配合的にはピックアップしていたが、残念ながらドラフト時には材料不足で指名できなかった。ラインクラフトのせいで人気にならなければ、今年も瀬戸口馬をリストに加えるつもりだ。

教訓。

・ 瀬戸口馬はほんらい短距離早熟馬が中心
・ 牝馬は数を使い、けっこう稼ぐので狙い目

小島太厩舎研究

2005-04-15 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 5位の美浦・小島太厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 59-42-43-347/491  勝率 12% 連対率 21% 複勝率 29%
  期間内重賞 3-7-2-32/44  勝率 7% 連対率 23% 複勝率 27%
  1世代当り 19.2頭登録  17.6頭出走  9.2頭勝馬  1頭当平均 5.6走
  期間内出走率 92%  期間内勝馬率 52%  期間内出走占有率 38%
  1頭当平均 1144万円獲得  平均勝利距離 1508m
牡馬のみ >
  1世代当り 12頭登録  11.6頭出走  5.8頭勝馬  1頭当平均 5.3走
  期間内出走率 97%  期間内勝馬率 50%
  1頭当平均 1330万円獲得  平均勝利距離 1565m
牝馬のみ >
  1世代当り 7.2頭登録  6頭出走  3.4頭勝馬  1頭当平均 6.1走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 57%
  1頭当平均 783万円獲得  平均勝利距離 1389m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:メイショウムネノリ 2000年産:サクラプレジデント
  1999年産:タイガーカフェ 1998年産:カリーノカフェ
  1997年産:イーグルカフェ
特徴 > 数を使う(とくに牝馬)、出走率が高い、早熟志向、牝馬は短距離志向

上の数字にはふくまれないが、3歳馬にはストーミーカフェ、アンブロワーズが出た。
関東にはPOG向きの厩舎が少ないので、関東限定のPOGをやってると、藤沢和雄厩舎と小島太厩舎に依存する割合が高くなる。

小島太は藤沢とぎゃくで、とにかく使う、とりあえず使う厩舎である。しかも、山内やつぎにあげる瀬戸口とおなじで、牝馬のほうをより多く、そして短距離で使う。フェアリーS・桜花賞ともに2着のブルーリッジリバー、厩舎の牝馬初重賞勝ちをかざったアンブロワーズ。いずれもサンデー+微妙に重い血統で短距離路線に良績をのこしている。
牡馬ではもう少し使い方が変わるので、やや軽い血統でも走るが、ブラックカフェのようにいかにもサンデーという素軽い馬は「よけいな1走」のせいで計算が狂うことも。
使い倒せるタフな血統であることを重視すべきかもしれない。

なお北海道に外厩をもつため、過去の期間内重賞6勝のうち3勝が札幌・函館の2歳Sにおけるものだ。北海道シリーズではぎりぎりまで外厩で調教し、入厩してすぐ使う場面がおおい。成績は良いが、仕上がりがまったく読めないので馬券に困る。

教訓。

・ 小島太厩舎は期間内未出走や1戦のみということが少なく、POG向き
・ 小島太牝馬は短距離で数を使う
・ 短距離路線を狙うとしても、タフな血統を指名せよ

池江泰郎厩舎研究

2005-04-13 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 4位の栗東・池江泰郎厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 51-32-33-157/273  勝率 19% 連対率 30% 複勝率 42%
  期間内重賞 4-4-2-24/34  勝率 12% 連対率 24% 複勝率 29%
  1世代当り 17.6頭登録  12.8頭出走  5.8頭勝馬  1頭当平均 4.3走
  期間内出走率 73%  期間内勝馬率 45%  期間内出走占有率 26%
  1頭当平均 1526万円獲得  平均勝利距離 1647m
牡馬のみ >
  1世代当り 11頭登録  7.4頭出走  3.8頭勝馬  1頭当平均 4.9走
  期間内出走率 67%  期間内勝馬率 51%
  1頭当平均 2099万円獲得  平均勝利距離 1665m
牝馬のみ >
  1世代当り 6.6頭登録  5.4頭出走  2頭勝馬  1頭当平均 3.4走
  期間内出走率 82%  期間内勝馬率 37%
  1頭当平均 741万円獲得  平均勝利距離 1600m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:ブラックタイド 2000年産:サイレントディール
  1999年産:ノーリーズン 1998年産:スティーマー
  1997年産:アタラクシア
特徴 > 牡馬が得意だが出走率は低い、数を使わない(とくに牝馬)、やや長距離志向、やや晩成志向

今週の結果しだいでは三冠の声も聞こえてくるディープインパクト。
先週忘れな草賞では勝ったジェダイトとオリエントチャームで、人気の2頭出し。
池江(父)厩舎は、いまやPOGの花形厩舎である。

なるほど1頭当平均 2000万円以上という牡馬の獲得賞金は、藤沢・松国・橋口の御三家に次ぐもので、山内をうわまわっている。人気になってあたりまえだ。
しかし同時に出走率にも注意しなくてはいけない。現3歳世代こそ9割が出走しているが、例年、牡馬の出走率はおしなべて低い。つまり出走前(たぶん入厩前)の時点から見込みのある馬だけ使えるように選別がおこなわれている可能性が高いんである。はやい話、牡馬だけは藤沢厩舎と同じと思えばいい。
そして池江郎の活躍牡馬には、配合および馬体的に共通する特徴がある。核心は伏せておくけども、私撰馬公開以来ノーリーズン、サイレントディール、ブラックタイド、ディープインパクトと、俺が毎年の厩舎稼ぎ頭を漏らさず挙げられたのには根拠がある。池江郎厩舎の「仕込み」が、あるていど見えていると思ってもらってかまわない。今年もほぼ結論は見えているので、期待してほしい。

さて一方で、池江牝馬の出走率は高い。しかしこちらの勝馬率や獲得賞金はあまりめだたず、しかも出走回数ががくんと落ちる。なので、牡馬と同じように人気になるくらいなら、池江郎牝馬は狙いを下げるべきかもしれない。

教訓。

・ 池江は山内と入れかわり、牡馬四大厩舎のひとつとなった
・ 池江牡馬のハズレは出走しない。藤沢馬にちかい覚悟が必要
・ 池江牡馬のアタリには、毎年配合および馬体的に共通する特徴がある
・ 池江牝馬はそこまでよくない

国枝栄厩舎研究

2005-04-13 | pog-stable
2004年JRA全国リーディング 3位の美浦・国枝栄厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。

全体成績 >
  通算 54-44-33-210/341  勝率 16% 連対率 29% 複勝率 38%
  期間内重賞 0-2-1-22/25  勝率 0% 連対率 8% 複勝率 12%
  1世代当り 19.8頭登録  16.4頭出走  7.6頭勝馬  1頭当平均 4.2走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 46%  期間内出走占有率 28%
  1頭当平均 830万円獲得  平均勝利距離 1437m
牡馬のみ >
  1世代当り 11.6頭登録  9.6頭出走  5.4頭勝馬  1頭当平均 4.2走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 56%
  1頭当平均 919万円獲得  平均勝利距離 1490m
牝馬のみ >
  1世代当り 8.2頭登録  6.8頭出走  2.2頭勝馬  1頭当平均 4.1走
  期間内出走率 83%  期間内勝馬率 32%
  1頭当平均 705万円獲得  平均勝利距離 1300m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
  2001年産:ヒシシンエイ 2000年産:ソルティビッド
  1999年産:カイトヒルウインド 1998年産:マチカネイサリビ
  1997年産:タカラテイオー
特徴 > 数を使わない、非常に短距離志向(とくに牝馬)だったが最近やや長距離志向に移行、牝馬はやや不得意

ブラックホークやドリームカムカムの成績が示すように、国枝厩舎は短距離重視。
開業17年目になるが、クラシックレースへの出走はたった3回(リュウカムイの89年ダービー11着、タイガーモーションの03年皐月賞17着、マイネルソロモンの03年ダービー18着)。ほとんど視野になかったのかもしれない。
上の統計には現3歳が入っていないけども、スムースバリトンはこの厩舎では少数派(もしくはあたらしい動き)に属する。そのほかのクラシックに縁のない馬は、POG期間の内外を区別せず短距離路線を使われていくので、結果的に期間内は大きな仕事をしない。ラフィアンの岡田氏が半年遅生まれのヴリルをこの厩舎に入れたのも、国枝厩舎の特徴をとらえたうえでのことだろう。

だから所属馬をPOGで狙うなら、これまでどおり外国産馬などで短距離路線をめざすか、少数派の中長距離馬を狙うか、はっきり意識して分ける必要がある。どちらにPOG的当りがくるかは正直わからない。どちらにしても、上位で指名するほどの信頼感はないだろう。俺的には、あたらしい流れに期待して、下位で中長距離向きの馬を狙ってみたい気がする。

教訓。

・ 国枝厩舎はじゅうらい短距離馬が中心で、クラシックに縁がなかった
・ 最近は中距離馬もあらわれており、あたらしい動きと見なせる
・ リーディング上位厩舎だが、POGで上位指名する必要はない