カミノアナログ

POGに命を削る日々を綴る「紙の穴」ブログ編。ドラフト終了までは日当たりアクセス100以下に抑えたいんで、ご協力よろ。

牝馬とPOG

2009-06-21 | pog-strategy
血統派も馬体派も、多くのPOゲーマーが口をそろえて「牝馬の指名はむずかしい」という。

俺はことし、実弾戦での牡牝比率を8:1としたが、牝馬がゼロの年もあった。
junさんの集計によれば、過去11年の桜花賞馬のうち、POG自動集計に登録したサークルの半分以上が指名していたのはわずかに3頭、ダンスインザムードとダイワスカーレットとブエナビスタだけだった。牡馬クラシックにくらべると、そのむずかしさがよくわかる。
これらは過去6年に集中しているので、そこだけみれば、一見「POGで桜花賞馬を狙う」という戦略もなりたつ気がするが、すこしむかしまで振り返ると、その厳しさはあきらかだ。
じっさいのところ、海千山千の目利きぞろいであるPGP+サテライトでさえ、人気薄の牝馬を指名してG1を勝ったのは、過去9年でレディパステル(もとさん指名)、ショウナンパントル(k-bayさん指名)、レジネッタ(陽だまりさん指名)だけだった。

牝馬は、平均獲得賞金が牡馬よりも低く、勝ち上がり率も低い。
このエントリを書いた4年前にくらべればすこしは改善されたものの、3歳世代のダービーまでの期間でいうと、平均獲得賞金の差は出走1頭あたり約100万円、勝ち上がり率の差は10ポイント近い(牡馬29.5%、牝馬19.8%)んである。
しかし、だからといって全員が牡馬偏重の指名をしていると、牝馬が死角になりかねない。ここがむずかしい。

そのむずかしい死角を突こうというのが、PGPに牝馬のみ指名という奇抜な戦略で挑戦されている上三條さん。俺がことしの指名を楽しみにしていたプレイヤーのひとりだ。
だが、産みの苦しみというのだろうか、まだそのシステムは完成の域にまで達していないように見える。
上三條さんは牝馬の方が「重賞への出走のしやすさ」が上だと主張されているのだが、これは心理的なものだろうか。実際にはやはり牡馬の方が上である。

過去5世代-2歳~3歳春
全生産者-牡馬:重賞出走819頭/血統登録21023頭=3.9% 819頭/出走11704頭=7.0%
全生産者-牝馬:重賞出走548頭/血統登録19654頭=2.8% 548頭/出走9129頭=6.0%
ノーザンファーム-牡馬:重賞出走94頭/血統登録681頭=13.8% 94頭/出走488頭=19.3%
ノーザンファーム-牝馬:重賞出走64頭/血統登録636頭=10.1% 64頭/出走421頭=15.2%
社台ファーム-牡馬:重賞出走70頭/血統登録622頭=11.3% 70頭/出走496頭=14.1%
社台ファーム-牝馬:重賞出走63頭/血統登録598頭=10.5% 63頭/出走452頭=13.9%

また、今年度版の上三條システムによれば、社台ファーム生産の牝馬で重賞路線を経由し、桜花賞を狙うのがもっともよいとされている。なるほど、ノーザンFがオークスを狙っているのに対して、社台Fは桜花賞などの短距離路線を狙っているとはよく言われることだ。しかし…

ノーザンファーム-牝馬 @ 過去5世代-2歳~3歳春
 血統登録636頭
 出走421頭 勝利172頭(勝馬率40.9%) 連対率25.4% 平均勝利距離1552m
  238- 209- 152-1160/1759 賞金合計422497万
  1走当賞金240万円 1頭当賞金1003万円
 重賞出走64頭 勝利12頭(勝馬率18.8%) 連対率27.8% 平均重賞勝利距離1740m
  桜花賞出走16頭 勝利2頭(勝馬率12.5%) 連対率31.3%
  オークス出走19頭 勝利3頭(勝馬率15.8%) 連対率31.6%

社台ファーム-牝馬 @ 過去5世代-2歳~3歳春
 血統登録598頭
 出走452頭 勝利198頭(勝馬率43.8%) 連対率25.0% 平均勝利距離1542m
  249- 212- 207-1179/1847 賞金合計383735万
  1走当賞金207万円 1頭当賞金848万円
 重賞出走63頭 勝利5頭(勝馬率7.9%) 連対率19.9% 平均重賞勝利距離1457m
  桜花賞出走18頭 勝利1頭(勝馬率5.6%) 連対率11.1%
  オークス出走20頭 勝利0頭(勝馬率0%) 連対率10.0%


近年の結果は、重賞においても春クラシックにおいても、勝馬率・連対率ともノーザンF牝馬の方があきらかに高い。
牝馬で重賞に勝ちたいなら、社台F生産馬で桜花賞を狙うより、ノーザンF生産馬でオークスを狙う方がいいんである。
ここでは過去5世代について見たが、過去3世代でも大勢は変わらない。
なお、ノーザンF生産の牝馬は、社台F生産の牡馬↓よりも成績が良いくらいなので、これ自体じゅうぶん狙い目が立つ。

ノーザンファーム-牡馬 @ 過去5世代-2歳~3歳春
 血統登録681頭
 出走488頭 勝利278頭(勝馬率57.0%) 連対率32.5% 平均勝利距離1734m
  407- 281- 240-1191/2119 賞金合計687604万
  1走当賞金324万円 1頭当賞金1409万円
 重賞出走94頭 勝利22頭(勝馬率23.4%) 連対率27.3% 平均重賞勝利距離1908m
  皐月賞出走22頭 勝利3頭(勝馬率13.6%) 連対率18.2%
  ダービー出走22頭 勝利2頭(勝馬率9.1%) 連対率18.2%

社台ファーム-牡馬 @ 過去5世代-2歳~3歳春
 血統登録622頭
 出走496頭 勝利268頭(勝馬率54.0%) 連対率29.3% 平均勝利距離1656m
  364- 300- 233-1371/2268 賞金合計491929万
  1走当賞金216万円 1頭当賞金991万円
 重賞出走70頭 勝利8頭(勝馬率11.4%) 連対率20.0% 平均重賞勝利距離1756m
  皐月賞出走9頭 勝利1頭(勝馬率11.1%) 連対率22.2%
  ダービー出走15頭 勝利0頭(勝馬率0%) 連対率13.3%


さらにノーザンF牝馬のなかでは、とくにクラブ馬の活躍が目立つ。これはすでに広く知られているとおり、牧場に確実に良血牝馬を返したいというノーザンFの意向が表れている。

牝馬の不利さと、その間隙を突く狙い方がみえてきた。最後にマクロな話をしよう。

牡馬と牝馬の正しい指名比率というものはあるのだろうか。

仮にダービーまでの獲得賞金2000万円(あるいは3000万円)以上を合格ラインとすると、過去5世代で牡馬532頭、牝馬238頭(3000万なら牡263、牝115)が合格となる。通常のPOGサークルでは総指名頭数は750頭を越えることはないだろうから、牡:牝=532:238≒263:115≒70:30、つまりおよそ7:3がサークル全体での「正しい指名比率」といえるのではないか。
全指名馬を見渡して、牝馬の割合が3割を切っているなら、あえて牝馬を指名するのも手、というわけである。この傾向はサークルごとにほぼ固定であることが多いんで、今年の指名馬について牝馬率を調べ、来年に活かすことができる。

参考までに、俺のサークルでは26%、PGPでは37%、UMAJINサイトのPOG指名済馬上位100頭では38%であった。
ちなみに38%という数字は、さきほどの設定で、合格ラインを1億円以上とした場合の比率に一致する。G1級の活躍を見せた馬は、36:22≒62:38の比率になるんである。
牝馬限定の重賞が演出するこの数字に、みなが踊らされているといったら言い過ぎだろうか。指名全馬についてG1馬が確実に選べる人は、38%を牝馬とするのが合理的。だがすくなくとも俺は、通常のルールに対して指名馬の38%が牝馬で占められるような戦略に、合理性を見出すことはできない。

牝馬トップが牝馬限定重賞の賞金でゲタをはかされているのに対し、牝馬限定の新馬・未勝利戦や条件戦はつねに不足し、条件馬は牡馬との戦いをせまられている。過去エントリに書いたように、牝馬のアドバンテージはすでに失われているのに、だ。
それが牝馬不遇の根本原因なんである。

もちろん、30%や38%といった数字の妥当性は、牝馬の選定も、牡馬の選定と同じくらい正確に行えるという前提に基づいている。
牝馬の選定では、牡馬とは違った尺度や視点がもとめられる、と俺はかんがえる。それは↑に書いた生産者だけでなく、血統や馬体についても言えるんである。この点についてはまた別の機会に書くことにしよう。

結論:
・牝馬1頭につき100万円損をすると考えろ
・ノーザンF牡馬 > ノーザンF牝馬 ≧ 社台F牡馬 > 社台F牝馬
・社台F生産馬で桜花賞を狙うより、ノーザンF生産馬でオークスを狙え
・サークル全体で牝馬率が「30%」を超えているなら、牡馬のみ指名でも問題ない
・1億以上稼いだ馬たちの牝馬率「38%」に騙されるな

若手調教師の登竜門

2009-06-20 | pog-strategy
過去エントリのコメントで、WONさんにこたえてこんなことを書いた。

>若手で積極的な調教師は、名門が入れたがらない牝馬でがんばって実績を築いていくケースが多いんで、牝馬で小・中当たりを連発した若手には気をつけるといいっすよ。

手元にある過去5世代のデータで、↓の4つの条件をみたす厩舎を探してみる。

条件1「多数の牝馬をあつかっている」
    :管理馬のうち40%以上が牝馬
条件2「牝馬のあつかいが得意、あるいは良い牝馬が入っている」
    :牝馬のダービーまでの勝馬率が25%以上
条件3「牝馬のあつかいが得意、あるいは良い牝馬が入っている」
    :牝馬のダービーまでの1頭当たり平均賞金が400万円以上
条件4「牝馬のあつかいが、牡馬と比べて得意」
    :上記の牝馬平均賞金が、同厩の牡馬平均-100万円より多い

※一般に、中央登録頭数のうち牝馬は45%を占め、ダービーまでに出走した牝馬の勝馬率平均は20%、1頭当たりの平均賞金は約350万円、同期間の牡牝平均賞金差は約100万円である。

4つの条件をすべてみたしたのは、次の7厩舎だった。

●条件1~4をみたす=牝馬に重心を置いている厩舎
栗東・角居勝彦 2000年開業(10年目) シーザリオ、ディアデラノビア、ウオッカ、トールポピー
栗東・藤原英昭 2000年開業(10年目) ジェルミナル
栗東・平田修 2005年開業(5年目) ベッラレイア
美浦・奥平雅士 2004年開業(6年目) コイウタ
美浦・古賀慎明 2005年開業(5年目) アサヒライジング
栗東・河内洋 2003年開業(7年目)
栗東・矢作芳人 2004年開業(6年目)

おもしろいことに、すべて10年以内の若手、それも新鋭として期待の高い厩舎ばかりだ。
角居と藤原英はすでに牡馬でも結果を出しているが、奥平と平田はまだ牝馬だけ。
かれらは名門が避けがちな牝馬(多くは社台系)で実績をつみ、いずれはいい牡馬を入れてもらいたいと考えている。
ん?どこかで聞いた話だ…。

そう、これは20年前に松田博師が、10年前に松田国師が歩んだ道にほかならないんである。

松博はコスモドリーム、ベガ、ブゼンキャンドルという3頭の難しい牝馬をG1馬に育てたことで認められ、いまの地位を築いた。
松国にしても、牝馬ばかり4頭で重賞に勝ってはじめて、クロフネなどの有力牡馬を入れてもらえるようになったのだった。
角居師の場合は最初の成功が晩成牡馬であったが、やはり牝馬での活躍があっていっきに地位を押し上げたと言えよう。

すなわち牝馬こそ、調教師にとっての登竜門なんである。
積極的に牝馬を入れている若手厩舎では、とうぜん管理する牝馬への意気込みが違う。
POGで牝馬を狙うなら、こういう厩舎から選んでみてはどうだろう。


ちなみに条件1(牝馬占有率)をはずすと、若手がほとんどいなくなる。POGでの牝馬狙いならこちらも注目だ。

●条件2~4をみたす=牝馬は少ないが得意な厩舎
栗東・松元茂樹 牝馬の松茂
栗東・安田隆行 牝馬は短距離志向
栗東・藤岡健一 2001年開業(9年目)
美浦・小島太 アンブロワーズ以来低迷も、リュシオルで少し復活気配か
美浦・国枝栄 ピンクカメオだけが突出も、ダノンベルベールで第2波くるか
美浦・田村康仁 05と06年産世代の牝馬のみ大当たり、この後が続くか
栗東・白井寿昭 フサイチパンドラだけが突出

ムーンのおつり

2009-06-18 | pog-select
一時閉店する前だが、俺は私撰馬としてこの馬を挙げていた。

>輸入種牡馬産駒 - 対抗級 : リーディング上位種牡馬の産駒から、好配合馬5頭をピックアップしました。このあたりの馬なら、へたなサンデーよりも上だと思います。指名順位に気をつけて下さい。
>ア●マイヤムーン
>父の母・母の父を強調。Nearctic:5x5、Nasrullah:66x8。Northern Dancerへの集合も良好。芝ダ兼用、7Fベスト。トライアル向き。

この馬と、昨日の記事に絡めて、狙いを掘り下げたい。

07年セレクトセールで、近藤夫婦と北島三郎氏(大野商事。良血についてはおそらく近藤氏との共有)はあわせて22頭の当歳馬を買った。
内訳はノーザンFから19頭、ダーレージャパンFから2頭、シンコーFから1頭。
例年通りノーザン-近藤の黄金ラインが強調されて見えるわけだが、全頭の配合チェックしてみると、あんがい好配合が少ない。

クロフネ × マ●ケイティーズ 牡 栗東・松田博資 ア●マイヤガッツ
ネオユニヴァース × レ●ェンドトレイル 牡 栗東・友道康夫 ア●マイヤジャガー
タニノギムレット × マ●ーシプトン 牡 栗東・友道康夫 ア●マイヤブレーク
Singspiel × ミ●ナ 牡 栗東・橋田満 ア●マイヤタイシ
Singspiel × フ●ンスイ 牡 栗東・友道康夫 キ●サンハリケーン

好配合といえるのは、22頭のうち↑の5頭だ。ノーザンFの馬が多くが消え、ダーレーの持ち込み2頭が両方残っている。
しかも、ノーザンF生産馬といいながら母馬マ●ーシプトンの所有者はダーレー。ノーザンFに預託されているんである(ブレークの1歳上の全兄プロス●ンドコンズは、ダーレーから金子オーナーに売られている)。
つまりダーレーがノーザンに庭先で売り、セレクトセールでノーザンが近藤氏に売っているわけだ。
ダーレーから初めて近藤系馬主の手に渡った3頭が、たまたますべて好配合…出来すぎにもほどがあるw

ダーレーといえば、2002年のセレクトセールに売り手として上場して以来、頭数は少ないものの、毎年必ず1頭金子氏が買う生産者。そのなかにはまだ目立った活躍馬はいないが、1戦1勝のエンターティナーや上記のプロコンなどがいる。
その金子氏に売るならともかく、これまでまったく接点のなかった近藤氏に、なぜ?
さらに2歳上にキ●サンイチ(フジキセキ×アルアメント 牡)という4歳の1勝馬がいるが、これはどうやら2006年か7年にダーレーから庭先で北島氏(おそらくは近藤氏との共有)に売られた馬のようで、これも初めてのケースである。

どういうことか?
じつは2007年7月、上記セレクトセールのまさに直後に、ア●マイヤムーンのトレード決定が報じられている。
近藤氏と吉田勝己氏の共有になっていたア●マイヤムーンが、40億でダーレーに買われたと。

この取引には、勝己氏とダーレーの間で推定20億と引き換えにJRAへの海外馬主参入を認めるというバーター取引的な側面があった、と囁かれる(もともと社台Fの照哉氏がダーレーに対しては強く反発していたのに対し、弟の勝己氏はダーレーの預託馬を引き受けるなど、柔軟な姿勢を示していた。もっとも、吉田兄弟のこうした立場の違いは、現代政界の鳩山兄弟、戦国時代の真田兄弟のような「示し合わせてのもの」らしいのだが)。

いっぽう、近藤氏とダーレーの間でもバーター取引があったのではないだろうか。
近藤氏は推定20億を受け取ったきりそれで満足するキャラクターではない。日本馬主協会連合会会長を目指し、また本業の解体業で当時開発ラッシュに沸いていたドバイに進出する気だったとも言われる。当時日本に進出する気満々で、有力馬主を味方につける必要があったダーレーとの間で、一時的な密月が成立した可能性は大いにある。
もしア●マイヤムーンの取引成立直前に、近藤サイドから「じゃあついでに今月のセレクトセールで何頭かいいの売ってよ」みたいなセリフが出たとしたら……あとはわかるな?

結論:
アドマイヤ軍団はノーザン馬、これ基本。
しかし今年の2歳にはダーレー絡みの馬が3頭いて、穴っぽく下位で美味しい。

確変予告-4年目のダーレー

2009-06-17 | pog-strategy
昨日のエントリみたいなわかりやすい攻略記事を、わざわざ俺のブログで書きたくはない。フジキセキ産駒なんてちょっとかんがえれば、誰でも狙えるだろうから。
「人の行く裏に道あり花の山」という。もっとマニアックな所で攻めようじゃないか。


鳴り物入りで参入してきた割に、中央では結果の出ていないダーレー・ジャパン・ファーム。
一足先に馬主資格をとった南関東(ダーレー・ジャパン・レーシング名義)では、シーチャリオット、フリオーソなどで結果が出ているが、中央では馬主資格を認めるかで揺れ、日高の中小馬産家との融和を望んだT代表が解任されるなどの騒動もあり、まだ体制が整っていない。

では、生産者としてのダーレーJFはどうか?

ダーレーJF創業前に海外から来ていた馬は、北海道各地の中小牧場に預託されるかたちになっていた。かれらの海外拠点と比べると設備も技術も貧弱だったのは否めず、当然ながら来るのはそれに合わせたような、血統レベルの低い二流血統馬がほとんどだった(とはいえ世間ではじゅうぶん良血と呼ばれるクラスなんだが)。
6年前の私撰馬を見ると、俺はゼレンカの項に「ただ本国の大艦隊に比べると、どれも掃海艇クラスで。」と記している。事実、ゼレンカはこの世代のダーレー馬でもっとも活躍し、10勝を挙げてなお現役だが、けっきょく大レースを勝つほどではなかった。黒船といえば黒船だが、太平の眠りを覚ますほどのものではなかったんである。
その後のダーレーを見ていると、輸入した繁殖が最初の仔を産む前からセールに出したりすることもあり、あるいは走らせるためではなく、最初から売るために輸入している馬もいたようだ。そういう意味では、T元代表も「日高のため」といいながら見かけ倒しの世界的良血を売りつける、一口でいうところのサウ●ニア商法に手を染めていたのかもしれない。

その後、ダーレーJFを正式に設立し、生産馬を送るようになり、05生世代が26頭、06生世代は35頭、07生世代は37頭。…と徐々に増えつつある(JRAのデータ内では同名で複数の名義に分かれており、合算しなければいけないので注意)。
いや、それだけではない。後述するがじつはこれ↑、中身がぜんぜん違うんである。

創業前後にダーレーにいた繁殖牝馬は、すぐに繁殖セールに出されたり、海外の拠点へ戻されたりして、いまのダーレーにはほとんど残っていない。
JRHRの輸出入を定期チェックしてる人ならわかるだろうが、ダーレーは世界中に預託した牝馬を、つねに移動させている。
動かすことによって、各地の競馬における適性のチェックや、ダーレーグループぜんたいで重心のかけかたを調整しているわけだが、その結果、世界の競馬でもダーレーはしばしば成績を乱高下させている。ある年はケンタッキーダービーを狙い、翌年はイギリスのクラシック、翌々年はドバイ開催を重視といったように。その様子は、じつに気まぐれである。海外には、ある年に殿下の超高馬を何十頭もあずけられながら、数年後にはまったくお声がかからなくなった調教師もいる。気まぐれの被害者は山内師だけではないのだ。

そして07年生、つまり2歳馬の世代では、日本が重点目標のひとつになっていた。
07年産馬を準備している2006年から07年にかけて、ダーレーは本気で日本上陸を計画していたからだ。結果としてそれは遅延のすえ、突如として中断され、山内厩舎や後のダービー馬ディープスカイにまで余波がおよぶのだが、ここではおいておこう。

俺はumauma22さんほど詳しい事情を知るわけではないし、ダーレーの今後にも正直そこまで興味はないのだが、ダーレーの2歳馬が、これまでと違うことははっきりわかる。
説明しよう。

07生世代ダーレー生産馬のなかで、昨年と同じ母が送った産駒は、37頭中のわずか13頭。一昨年と同じ母の産駒は、37頭中たった5頭しかいない
しかも、母の出産時年齢をみると、05生世代が7.8歳、06生世代が8.4歳ときて、07生世代は6.8歳。普通なら1歳近く増えて当然なのに、思いっきり若返っている。
数頭しか繁殖のいない小牧場ならともかく、1年間に2/3、2年間に6/7も繁殖牝馬を入れ替え、しかも大きく若返らせた牧場など、俺は聞いたことがない。これは事実上のリニューアルだw

さらに繁殖牝馬の血統にも、違いがある。
ダーレーはいくつか名牝系をかかえているが、そのなかでモハメド殿下の一等お気に入りはFall Aspen系、なかでも名馬Dubai Millenniumだ。
1世代だけをのこして亡くなったため、殿下はこの血を独占しようとした。なにせ父が亡くなったとたん、世界中の牧場におしかけてDubai Millenniumを受胎した牝馬を買いあげて回ったほどだ。
産駒56頭のほとんどが殿下所有のものとなり、競走年齢にたっするまでにセリ市に出てきた馬はわずかに3頭。それらもけっきょくすべて1億円以上で殿下に買われた。そのなかにはG1を勝って種牡馬になったDubawiもいるが、牝馬はほとんどがレースに使われず、そのまま殿下秘蔵の繁殖牝馬となった。
07年ダーレーJF生産馬には、そのDubai Millenniumを母父にもつものが3頭、またほかにFall Aspenをもつものが3頭、の計6頭いる。それに対し、05生や06生にはこれがいずれもゼロ頭であったw

つまりダーレーは、とびきり良血で、かつフレッシュな期待の牝馬を日本へもってきて、2歳馬を生産、中央初年度デビューを準備していたんである。
ほんらいならばこれらは、ダーレーの勝負服を背にターフへ現れるはずであった。
しかし計画の遅延で、奇しくも次の記事に述べるような馬主の手に渡ることになったのだ。

結論:
07年ダーレー生産馬は、05年や06年の産駒とはひとあじもふたあじも違う。
通常ならありえないことだが、ヤラズ牧場がとつぜんヤリ牧場になる可能性もじゅうぶんあると思って備えること。
母父Dubai Millenniumには金子馬や近藤馬がいるが、ほかにも注目馬が何頭かいる。他の記事も参考にして探してほしい。

確変予告-12年目のキセキ

2009-06-16 | pog-strategy
今年のクラシックで、新種牡馬ネオユニ産駒とならんで、6年目のスペシャルウィーク産駒が大活躍したように、生産界には「ある程度予測できる大成功」というものがある。これを俺はパチンコになぞらえて「確変」と呼んでいる。
言うまでもなく、スペの場合は05年春に2年目産駒のシーザリオやインティライミが活躍をみせ、生産界にスペへの期待感とお値頃感が広まったからだった。

種牡馬のほかにも「リーチ目→確変」にはいろいろある。
一口馬主のリニューアル初・次年度や、調教師の代替わり、育成替わり、故障馬の補填、特定の馬主の厩舎開拓初・次年度など。これらは潜伏期間のある伝染病や、時限式の爆弾みたいなもので、変動の数年後にじっさいの爆発が起こる。
したがって、2歳馬が種付あるいは誕生したころのトレンド(リーチ目)を憶えておくことは、POGに欠かせない戦略のひとつなんである。

今年の2歳馬についても、いくつかの確変が予測できる。

もっともかんたんで、確実なのはフジキセキ産駒の台頭だろう。
もともと、繁殖シーズン半ばに急遽種牡馬入りしたこともあり、フジキセキは初年度から繁殖の質には恵まれなかった。初年度の新種牡馬リーディングも取れなかったし、勝負の2年目ではダイタクリーヴァがクラシック惜敗。ダンスインザダーク産駒にG1勝利を先駆けられてからは、ますます不遇になった。何よりサンデーという偉大すぎるライバルがいて、リーディング2位をとっても目立たなかった。
サンデーの七光りで種牡馬になれたものの、種牡馬生活はサンデーに圧迫されていたのだ。
DS師匠はつぎのように書いている。

>大種牡馬のサイアーラインが同じ地域でずっと続かないのはなぜか。
>血統史は教えている。
>時間的、地域的、或いは血縁的に、偉大な種牡馬に近ければ近い存在ほど、
>強く圧迫されて負の影響を受けやすい。大種牡馬の子が種牡馬として成功する
>のは、殆どが父の死後か、別の場所に於いてである。
(某パティオログより引用、本人許諾済)

俺も別の角度から、似たような分析をした。
なおフジキセキ産駒については賞さんのブログが詳しく、参考になるエントリも多い。

サンデー自身の初年度産駒で、もっとも早く種牡馬入りしたフジキセキ。かれはサンデー系でもっとも長い間サンデーと並んで供用されていた、いうならば「真昼の星」だった。
サンデー死後、05年7月カネヒキリによる産駒G1初制覇を合図に、フジキセキ産駒は次々と活躍をはじめる。06年晩冬の重賞5勝(4週連続。その最後がカネヒキリによるG1フェブラリーS勝ち)は、まともな繁殖を当てればフジキセキはデキるヤツだ、という印象を強く与えた。サンデーという日が沈み、キセキは「宵の明星」となって輝いた。
その直後の種付けシーズンが、今年の2歳馬になるんである。

今年、種牡馬1頭縛りPOGで10頭指名しろと言われれば、俺はタキオンでもネオユニでもスペでもなく、フジキセキを選ぶ。
好配合馬をあげておこう。

母ア●マイヤテレサ 牡 栗東・松田博資 ア●マイヤコウテイ
:5代アウト、Cosmah4x6。芝8Fベスト、早熟か…? ややぎこちないが母にキセキにはあう。
母オ●ラ 牡 美浦・松山康久 カ●ェラビリンス
:Halo3x3。芝7Fベスト、早熟の快速馬。トライアル向き。
母カ●ラパワー 牡 栗東・藤岡健一 ス●ィルゴールド
:Mill Reef≒Millicent4x4、HtR4x5、Alm5x6。やや芝向き、8Fベスト。斬れ味抜群。トライアルやマイルC向き。母はMontjeuの従妹だが、累代の違いでここまでタイプが違うのは面白い。
母グ●ースランド 牡 栗東・松田博資 セ●クリッドセブン
:ドリパス全弟。5代アウト、Wild Risk4x6、Hyp788x57778。芝10F以上ベスト、晩成のステイヤー。有馬ルール向き。ダービールールでは苦しい。
母シ●キングマイラブ メス 美浦・国枝栄 グ●ーンウィズダム
:6代アウト、さらに相反する要素が同居して判断が難しい配合。やや芝向き、9Fベスト。そこそこ斬れる。使いこんでよくなるので、デビュー時期が早いかどうかが他馬と比べてかなり重要。
母シ●ンソネット 牡 栗東・松田国英 ダ●ンシャンティ
:Halo3x3。芝7Fベスト、斬れ味抜群。トライアル向き。
母ス●レイトフロムテキサス メス 美浦・二ノ宮敬宇 ク●フォード
:斬れ味するどい快速フジキセキ牝馬。最近の二ノ宮はショウナンタレントなど牝馬に良績(不出走馬も多いが、使えば勝馬率は高い)。
母ス●リングネヴァー 牡 栗東・橋口弘次郎 シ●イニーナイト
:ダイタクリーヴァ全弟。6代アウト、Nas7x556。好配合だが母高齢で信頼性はいまひとつ。
母ス●リオルパール メス 栗東・松田博資 タ●ノサムアップ
:Alm5x5。芝8Fベスト。母の4年ぶりの産駒。端正な配合で斬れる。
母タ●スブルーム 牡 栗東・森秀行 ベ●トブルーム
:やや芝向き、8Fベスト、斬れ味あってかつある程度距離ももつ。
母デ●ーバ メス 栗東・平田修 タ●ノディーバ
:In Reality4x4、Alm5x6。ダート向きだが、若いうちは芝でも。
母テ●エッチグリーン 牡 栗東・池江泰郎 イ●イカブラウン
:やや芝向き、8Fベスト、末脚斬れる。トライアル向き。
母テ●クミーハイヤー 牡 栗東・松田博資 ス●イフォレスト
:5代アウト、Alm5x6。芝12Fベスト、やや晩成のステイヤー。有馬ルール向き。ドリパスとは3/4以上同血、この手のフジキセキステイヤーを一番上手く鍛えられるのがどこの厩舎かはもう言うまでもない。
母デ●トナイト 牡 栗東・田中章博 フ●ンドリトレイン
:Tt5x5、Alm5x7。スピードがすばらしい。トライアルやマイルC向き。2歳馬シルエットトーク-3で取り上げた。
母ト●ッキーコード 牡 栗東・角居勝彦 エ●クリプション
:5代アウト、Tt5x6、Phr6x667899。芝ダ兼用、9Fベスト。サイレンススズカに似た個性的な配合。上がデビューできなかったことなどもかんがえると、ダービールール向きでは割引が必要か。
母パ●ソナルレジェンド メス 栗東・藤原英昭 ミ●クルレジェンド
:5代アウト、Alm5x67。芝7Fベスト。牝馬向きの斬れ味がある。トライアル向き。鉄砲が効くのはこの厩舎に適。
母ブ●リアントベリー 牡 栗東・音無秀孝 ヒ●ロー
:芝ダ兼用、8Fベスト。斬れ味あるスピード馬。

ドラフト終了

2009-06-15 | pog-select
昨日24人参加のドラフトが終わった。

ルール:
* 10頭持ち、3歳年末、有馬記念週までの獲得賞金の合計で競う。
* 海外、地方での獲得賞金も算入。海外の賞金は当日東京為替市場の終値で換算。
* SS直系および母父SSは1人7頭まで。
* 9頭は安田記念翌週に指名。残り1頭は有馬記念翌週に追加する(追加も未出走馬に限る)。
* 合計賞金とは別に、9位指名馬でサシウマ対決を行う。組合せは一昨年優勝者が準優勝者と(以下略
* 2歳戦、3歳前半(ダービーまで)、3歳後半(有馬まで)の各期間について区間賞あり。

1位で消えた馬:
リルダヴァル、リディル(2人競合)、レッドステラーノ(ハズレ1位で2人競合)、アーデルハイト(2人競合)、ダノンパッション、ルーラーシップ、パントクラトール、ヴェラブランカ(3人競合)、スクーデリアピサ、アドマイヤゲーム、アルトラプソディ、グランクロワ、レーヴドリアン、サトノホクト(ハズレ1位で2人競合)、アドマイヤマスター、マカリオス、ジャポニズム(2人競合)、シャガール(6人競合)、ゴールスキー、セイクリッドセブン、ツルマルジュピター(4人競合)、カザンリク、ロケットダイヴ、サトノサンダー

24人もいるとハズレ1位を選ぶ前に15頭ぐらい消えるんで、競合負けが致命的に。そのため毎年1位から出し抜き狙いの指名が多い傾向にある。それにしてもアドマイヤ1位でたった2人って…w
hyracoも避け切れず競合になったが、その間下位予定馬を抜かれたりと、ドラフトでは後手に回ってしまった。最後は立て直したつもりだが、かなり穴っぽい候補250頭持っていって最後はほとんど残らなかった。厳しい厳しい。

本年の指名馬:
1位 レッドステラーノ
2位 ダノンシャンティ
3位 バンコジーロ
4位 マイネルパシュクル
5位 オメガブルーグラス
6位 エイシンテュポーン
7位 キタサンハリケーン
8位 ファンドリトレイン
9位 サンディエゴシチー

牡:牝=8:1、西:東=8:1の比率は予定どおり。
今にして思えば、1位ステラーノかハズレ1位スティルにして、2位ジャガーかタイシにしていry

地雷自重のお知らせ

2009-06-12 | pog-mine
地雷馬を指定するコーナー、休止前もやってたんで普通に復活するつもりだったんだが、ある読者の方から何度も自重を促されたので断念する。

たしかに「リ●駄馬ルwwwプギャーww」なんて大人げないもんな。

…やべ、書いちった。

タキオンにかんする定説

2009-06-07 | pog-select
タキオン産駒は社台F生産馬を狙え。POG仲間にそんな説を主張している奴がいたんで、アホか、とその場で俺はつっこんだ。

社台とノーザンのタキオンを3~6歳の4世代で比べてみる。まずは現時点での生涯成績。

アグネスタキオン産駒全体:
中央585頭登録、477頭出走、226頭勝馬(勝上率47.4%)、1頭当賞金1756万円、
平均勝利距離1665m、稼ぎ頭ダイワスカーレット(ダービーまでならディープスカイ)
社台F-アグネスタキオン:
中央105頭登録、95頭出走、59頭勝馬(勝上率62.1%)、1頭当賞金2891万円、
平均勝利距離1666m、稼ぎ頭ダイワスカーレット
ノーザンF-アグネスタキオン:
中央67頭登録、55頭出走、30頭勝馬(勝上率54.5%)、1頭当賞金2000万円、
平均勝利距離1720m、稼ぎ頭アドマイヤオーラ

数が多くて出走率も勝ち上がり率もよし、しかもクラシックを勝っているということで社台の印象が強いのはしかたない。しかし…

アグネスタキオン産駒全体:
2~3歳春:248-235-187-1172(勝率13.5%、生涯に対する賞金シェア50.7%)
同重賞:15-12-14-85(勝率11.9%)
社台F-アグネスタキオン:
2~3歳春:68-59-48-196(勝率18.3%、生涯に対する賞金シェア45.2%)
同重賞:4-7-5-31(勝率8.5%)
ノーザンF-アグネスタキオン:
2~3歳春:35-18-15-88(勝率22.4%、生涯に対する賞金シェア55.7%)
同重賞:3-3-2-11(勝率15.8%)

ダービーまでの活躍という観点をくわえると、ぎゃくにノーザンFの方がすぐれているんである。
重賞についてはもちろん稼ぎ頭の存在が大きいが、ダスカとオーラを除いてもぜんたいの勝率や賞金シェアの数値はあまり動かないから、↑の数字は現時点の傾向として確かなものだと言える。

ついでにタキオン×ミスプロも見ておく↓。現時点では短距離寄りで、重賞では弱いと出ている。
配合的にはミスプロを含んだだけでダメになる種牡馬ではないので、そのうち殻をやぶるタキオン×ミスプロが出ると俺は思っているが、それはア●マイヤプリンスやア●マイヤリイチではないだろう。

アグネスタキオン×母父or母母父ミスプロ系:
中央140頭登録、119頭出走、53頭勝馬(勝上率44.5%)、1頭当賞金1301万円、
平均勝利距離1568m、稼ぎ頭アグネスアーク(ダービーまでならノットアローン)
2~3歳春:52-62-42-277(勝率12.0%、生涯に対する賞金シェア44.8%)
同重賞:0-1-1-15(勝率0%)

今年のタキオンは非社台にも好配合馬が多くて楽しみだ。近日公開の私撰馬リストでは、タキオン3頭のうち社台は1頭だけになる予定。

厩舎タイポロジー

2009-06-03 | pog-stable
つねづね言っていることだが、野球におけるセイバーメトリクス的な視点が、競馬、とくにPOGや一口馬主には足りない。
厩舎に近いところにいるマスコミには、どうしても取材対象を突き放すことができない。
したがって冷静な分析は、POゲーマーや一口出資者がみずから行うしかないんである。

ドラフト前なので、厩舎研究の内容からひとつ大事なことを指摘しておこう。
過去5世代について、ダービーまでで1走当り賞金の高い厩舎から順に並べると、こうなる(池江寿のみ、実質的に調教した過去4世代の平均とした)。

タイプ 厩舎 出走馬の勝上率 勝率 1頭当り賞金 = 平均出走数 × 1走当り賞金
狙撃タイプ 栗・松田博 53% 19%  1731 = 4.2 × 411
狙撃タイプ 栗・角居勝 42% 16%  1646 = 4.2 × 388
連射タイプ 栗・松田国 49% 16%  1650 = 4.7 × 352
狙撃タイプ 栗・池江郎 60% 21%  1431 = 4.1 × 344
精密タイプ 栗・藤原英 50% 21%  1154 = 3.5 × 330
狙撃タイプ 栗・池江寿 67% 23%  1316 = 4.0 × 324
精密タイプ 美・萩原清 52% 20%   996 = 3.2 × 314
狙撃タイプ 美・藤沢和 68% 22%  1305 = 4.2 × 306
連射タイプ 栗・橋口弘 46% 13%  1547 = 5.8 × 267
狙撃タイプ 栗・友道康 44% 16%  1042 = 3.9 × 267
普通タイプ 栗・橋田満 40% 13%  1085 = 4.3 × 254
普通タイプ 栗・音無秀 53% 17%  1088 = 4.3 × 254
狙撃タイプ 栗・松元茂 46% 15%   892 = 3.9 × 226
普通タイプ 美・国枝栄 50% 16%   952 = 4.3 × 222
普通タイプ 栗・石坂正 48% 15%   936 = 4.4 × 214
狙撃タイプ 美・加藤征 51% 16%   780 = 3.8 × 207
狙撃タイプ 栗・大久龍 38% 14%   771 = 3.8 × 204
爆撃タイプ 美・二ノ宮  39% 14%   731 = 3.7 × 197
狙撃タイプ 栗・森秀行 32% 11%   764 = 3.9 × 196
普通タイプ 美・小島太 45% 13%   812 = 4.3 × 188
連射タイプ 栗・山内研 44% 11%   957 = 5.7 × 167
普通タイプ 栗・鮫島一 41% 13%   651 = 4.0 × 162
爆撃タイプ 美・田村康 25% 10%   577 = 3.6 × 162
連射タイプ 栗・浅見秀 41% 10%   944 = 5.8 × 161
(06世代全体の平均は 25% 7%  436 = 4.4 × 99)

「連射タイプ」の松国、橋口、山内、浅見は、回数使いながら稼ぐ厩舎。中堅では宮、中竹、坂口則、美浦の堀井などもこのタイプだ。とくに早熟馬に適しており、ダービールールのPOGでは指名価値のある厩舎だと言える。

「普通タイプ」はここではおいておく。

「狙撃タイプ」の松博、角居、池江親子、藤沢、友道などは、回数をやや抑えながら大レースを狙う厩舎。名門といわれる厩舎に多いスタイルである。

そして「精密狙撃タイプ」の萩原、藤原英はきょくたんに回数を抑えて、狙いうつ厩舎。ロジユニのように使いこめない馬に合い、ほかでは藤岡健、堀などが思い当たる。かつては藤沢和もこのタイプであったが、最近ではやり方を変えている。

いっぽう「爆撃タイプ」の二ノ宮、田村も出走数の少なさから一見「精密狙撃タイプ」に見えるが、こちらは登録頭数が段違いに多く、1頭当り賞金は低くとも、厩舎ぜんたいで小銭を稼ぐ形。中堅どころでは領家、池上、戸田、奥平、和田道なども同様だ。
(外厩と組んで馬をつぎつぎ入れ替え、高回転させることで勝てなくても稼げるスタイル。最低限使ってくれるので馬主や一口出資者も一応満足、という、森イズムの悪い意味での後継者なんだが、さいきん美浦にどんどん増えている。そして、社台系の割合が高い厩舎が多い。イヤな言い方になるが、つまりこれらは現在、社台の馬余りを処理する工場のような役割を果たしているんである。
頭数多い分、もちろんブレイクランアウトのような一発もある。しかし確率はひどく低い。いまの西高東低は、坂路のつくりがどうこうといった話ではなく、持ち乗り助手の有無から始まる人事制度の違いが原因だと俺はかんがえているが、それがさらに上記「爆撃タイプ」厩舎の増加をまねき、結果として西高東低をさらに強固なものとしているように思う。)
ちかごろPOGや一口で危険なのは、じつはこの手の厩舎ではないだろうか。

山本馬の変化

2009-06-02 | pog-select
・山本氏はダービーよりも凱旋門賞が欲しいオーナーであり、自称「世界仕様」の馬を揃えている。
・ダービールールの国内限定POGに適したオーナーではない。渡邊隆氏に近いスタイル。
・山本親子の牡馬は、基本的には種牡馬を目指している。
・海外ではクールモアなどが実践しているハイリスクハイリターンのビジネスモデルである。
・日本で馬主が実践しようと思ったら資金力だけでは無理。必要なのはry

山本親子+リニューアル後の東京TCについて過去仕入れルートを調べなおした。
輸入馬は育成先で分類。

02 非社台2頭 (非社台-山本-藤沢和100%でスタート
03 非社台4頭
04 社台1頭、ノーザン5頭、非社台4頭 (角居スタート
05 社台15頭、ノーザン11頭、追分1頭、非社台11頭 (東京TCと同時に他厩舎スタート
06 社台17頭、ノーザン9頭、非社台11頭
07 社台11頭、ノーザン10頭、非社台8頭

04年産世代から藤沢以外も入ってくるが、この時点ではノーザンFルートはすべて藤沢である。
なお、04世代の社台Fはラベンダー賞前に照哉から購入したヴィヴァチッシモ。
あきらかにノーザン先行だった。
この後も、山本が海外で買ってきた牝馬を預託する先がノーザンFだったりと、ノーザン>社台の関係がめだつ。
しかしユーワから東京TCへのリニューアル時に社台Fから馬を提供、じっさいにレッドディザイアが活躍。
さらにシャガールやブランジェリーナの庭先取引などで、社台Fは急激に山本へ食いこんでくるんである。
そして、07世代はついに山本-藤沢厩舎からノーザンFルートが消えた。

山本+東京TC-藤沢和
02 非社台2頭 (ミスターケビン
03 非社台4頭 (ミレニアムウイング
04 社台1頭、ノーザン5頭、非社台2頭 (フライングアップル
05 社台1頭、ノーザン8頭、非社台3頭 (カジノドライヴ、クリスタルウイング
06 社台5頭、ノーザン2頭、非社台3頭 (レッドスパーダ
07 社台5頭、ノーザン0頭、非社台3頭

・04までは藤沢師が仕入れから主導権を握っていたが、以降その度合いは低下。
・04-05世代はノーザンが主、06世代で突然社台に傾斜。
・その意味するところはry

山本+東京TC-角居
04 非社台2頭 (ブラックマスタング
05 社台2頭、ノーザン1頭 (サムライタイガース
06 社台1頭、ノーザン2頭 (ロールオブザダイス
07 社台1頭、ノーザン3頭、非社台1頭

・ここまでは成功しているとは言いがたいが、頭数の割には健闘している。
・藤沢より強い海外志向が、オーナーの趣向とマッチするかもしれない。