2004年JRA全国リーディング 15位の栗東・山内研二厩舎はダービールールのPOGではどうなのか。1997~2001年生世代(5世代)をダービーまでの期間でそれぞれ集計した。
全体成績 >
通算 97-78-62-335/572 勝率 17% 連対率 31% 複勝率 41%
期間内重賞 9-7-5-51/72 勝率 13% 連対率 22% 複勝率 29%
1世代当り 20.2頭登録 18.4頭出走 12頭勝馬 1頭当平均 6.2走
期間内出走率 91% 期間内勝馬率 65% 期間内出走占有率 40%
1頭当平均 2182万円獲得 平均勝利距離 1547m
牡馬のみ >
1世代当り 12.2頭登録 11.2頭出走 6.6頭勝馬 1頭当平均 5.9走
期間内出走率 92% 期間内勝馬率 59%
1頭当平均 1815万円獲得 平均勝利距離 1631m
牝馬のみ >
1世代当り 8頭登録 7.2頭出走 5.4頭勝馬 1頭当平均 6.6走
期間内出走率 90% 期間内勝馬率 75%
1頭当平均 2754万円獲得 平均勝利距離 1433m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
2001年産:フィーユドゥレーヴ 2000年産:ラントゥザフリーズ
1999年産:アローキャリー(道営からの転厩) 1998年産:ダンツフレーム
1997年産:チアズグレイス
特徴 > 牝馬は非常に得意、非常に数を使う、出走率が高い、非常に早熟志向、下降中
須田氏がライターとして名を売り、毎年POG本を出版するまでになったのは、山内を「発見」した功績が大きいと、俺は思っている。
もともとPOGは、トラックマンが仕事上つきあいのある厩舎や、大種牡馬、ゆかりの牝系を頼りに遊ぶゲームだった。お互いの領分は侵さない的な雰囲気が、濃くあった。
それが戦略と戦術と厨房のゲームになったのは、けっきょく須田氏らが「山内馬と橋口馬を取れば素人でも勝てる」みたいな必勝法を引っさげて登場し、雑誌記事に書きちらしたせいではないだろうか。
それほどまでに山内のPOG適性は高い。俺が実弾戦でほとんどマイナスになったことがないのも、山内馬を取ってきたおかげだ(須田ピンありがとう。
集計対象5世代のうち、山内厩舎は5~8歳の4世代で期間内最多勝(4歳は不振)。出走率は牡牝とも9割。勝馬率は藤沢につぎ、出走数はリーディング上位でダントツ最多。
それもそのはず、期間内出走占有率が4割(藤沢和は2割)ということは、山内馬の現役生活は期間内が4割、残りが6割なんである。賞金ベースでは、期間内占有率は5割を越える。ほかの厩舎がまだ仕上がり途上のうちに、山内馬は「ここで稼がずいつ稼ぐ」とばかり、ガチで走っている。
厩舎そのものの回転を早くすることで、厩舎経営の安定化と向上をめざす。これもまた藤沢和や松田国とはちがった意味で、立派なビジネスモデルと言えよう。
そんな山内馬だが、ここ3年はやや下り坂。重賞勝ちはラントゥザフリーズ、フィーユドゥレーヴ、コンゴウリキシオーで1勝ずつ、かろうじて毎年続いているものの、勝馬率、賞金ともに減少が気になる。育成の全体レベルが上がり、外厩への依存度が高まった結果、ヤマダステーブルで築いたリードがなくなっているのだろうか。
すくなくとも、いまは「山内馬を取る」だけでは勝てなくなってきている。山内馬の有利さをみんなが知ってしまっており、下位で思うように取れなくなったからだ。
そこで、山内の何を取ればいいかを、新たにいくつか提案したい。
ひとつめは、山内牝馬。
牝馬にかぎれば、藤沢をおさえて山内が今でもナンバー1。桜花賞2勝・オークス1勝がしめすように、山内牝馬は非常に信頼性が高い。というか牝馬のほうが稼ぐ。上では賞金が牡馬の2倍以上になっている。ただこれは対象に桜花賞馬が2頭ふくまれるためで、かならず2倍稼ぐわけではない。あくまで牝馬のほうが使ってもらえるぐらいの理解で。
ふたつめは、入厩済み馬。
山内には、産地馬体検査を受けずに栗東へ入厩し、バンバン仕上げて北海道へ送りこむパターンがある。坂路の調教時計をチェックし、北海道の2歳Sを狙いたい。
そのとき気をつけなければいけないのは、時計が早ければいいというものではない点。入厩が早ければ、時計は当然詰まる。全入厩馬を1週目に使うわけではないのだから、仕上がりをずらして当たり前。血統・馬体・評判と相談しながらドラフト直前で判断しよう。
みっつめは、ヨーロッパでの2歳購買馬。
パーソナルラッシュやフィールドボンバーはアメリカのトレーニングセールで買われた馬だが、芝の重賞を勝ったコンゴウリキシオー、NHKマイルCで1番人気だったヒューマは、イギリスのタタソールズブリーズアップセール出身。
セールの知名度や価格の安さで人気を落としているものの、このセールは合田氏もいうように本当にお買い得。POG下位指名馬をさがすには最適なんである。サラブレッド取引の世界的中心アメリカには、芝向きの2歳馬も、それを好んで欲しがる購買者もあまりいない。ユニコーンSも期間に入らないダービールールPOGでは、芝適性が重要。だからヨーロッパのトレーニングセールというわけだ。
山内は、ファビラスラフィン・シェルゲームが買われたフランスのドービルセールや、イギリスでも当歳・1歳馬のセールでは馬を仕入れない。狙うはイギリスのトレーニングセールである。今年はタタソールズではなく、ドンカスターのセールで4頭が購入された。要チェックだ。
教訓。
・ POGなら山内馬、須田さんがそう言ってました
・ 山内馬は山内馬でも牝馬、入厩馬、外国産馬をかしこく取れ
・ 入厩馬の時計は気にしすぎるな
・ 外国産馬はヨーロッパのトレーニングセール出身の芝馬を重視
全体成績 >
通算 97-78-62-335/572 勝率 17% 連対率 31% 複勝率 41%
期間内重賞 9-7-5-51/72 勝率 13% 連対率 22% 複勝率 29%
1世代当り 20.2頭登録 18.4頭出走 12頭勝馬 1頭当平均 6.2走
期間内出走率 91% 期間内勝馬率 65% 期間内出走占有率 40%
1頭当平均 2182万円獲得 平均勝利距離 1547m
牡馬のみ >
1世代当り 12.2頭登録 11.2頭出走 6.6頭勝馬 1頭当平均 5.9走
期間内出走率 92% 期間内勝馬率 59%
1頭当平均 1815万円獲得 平均勝利距離 1631m
牝馬のみ >
1世代当り 8頭登録 7.2頭出走 5.4頭勝馬 1頭当平均 6.6走
期間内出走率 90% 期間内勝馬率 75%
1頭当平均 2754万円獲得 平均勝利距離 1433m
世代ごとの期間内最高賞金獲得馬 >
2001年産:フィーユドゥレーヴ 2000年産:ラントゥザフリーズ
1999年産:アローキャリー(道営からの転厩) 1998年産:ダンツフレーム
1997年産:チアズグレイス
特徴 > 牝馬は非常に得意、非常に数を使う、出走率が高い、非常に早熟志向、下降中
須田氏がライターとして名を売り、毎年POG本を出版するまでになったのは、山内を「発見」した功績が大きいと、俺は思っている。
もともとPOGは、トラックマンが仕事上つきあいのある厩舎や、大種牡馬、ゆかりの牝系を頼りに遊ぶゲームだった。お互いの領分は侵さない的な雰囲気が、濃くあった。
それが戦略と戦術と厨房のゲームになったのは、けっきょく須田氏らが「山内馬と橋口馬を取れば素人でも勝てる」みたいな必勝法を引っさげて登場し、雑誌記事に書きちらしたせいではないだろうか。
それほどまでに山内のPOG適性は高い。俺が実弾戦でほとんどマイナスになったことがないのも、山内馬を取ってきたおかげだ(須田ピンありがとう。
集計対象5世代のうち、山内厩舎は5~8歳の4世代で期間内最多勝(4歳は不振)。出走率は牡牝とも9割。勝馬率は藤沢につぎ、出走数はリーディング上位でダントツ最多。
それもそのはず、期間内出走占有率が4割(藤沢和は2割)ということは、山内馬の現役生活は期間内が4割、残りが6割なんである。賞金ベースでは、期間内占有率は5割を越える。ほかの厩舎がまだ仕上がり途上のうちに、山内馬は「ここで稼がずいつ稼ぐ」とばかり、ガチで走っている。
厩舎そのものの回転を早くすることで、厩舎経営の安定化と向上をめざす。これもまた藤沢和や松田国とはちがった意味で、立派なビジネスモデルと言えよう。
そんな山内馬だが、ここ3年はやや下り坂。重賞勝ちはラントゥザフリーズ、フィーユドゥレーヴ、コンゴウリキシオーで1勝ずつ、かろうじて毎年続いているものの、勝馬率、賞金ともに減少が気になる。育成の全体レベルが上がり、外厩への依存度が高まった結果、ヤマダステーブルで築いたリードがなくなっているのだろうか。
すくなくとも、いまは「山内馬を取る」だけでは勝てなくなってきている。山内馬の有利さをみんなが知ってしまっており、下位で思うように取れなくなったからだ。
そこで、山内の何を取ればいいかを、新たにいくつか提案したい。
ひとつめは、山内牝馬。
牝馬にかぎれば、藤沢をおさえて山内が今でもナンバー1。桜花賞2勝・オークス1勝がしめすように、山内牝馬は非常に信頼性が高い。というか牝馬のほうが稼ぐ。上では賞金が牡馬の2倍以上になっている。ただこれは対象に桜花賞馬が2頭ふくまれるためで、かならず2倍稼ぐわけではない。あくまで牝馬のほうが使ってもらえるぐらいの理解で。
ふたつめは、入厩済み馬。
山内には、産地馬体検査を受けずに栗東へ入厩し、バンバン仕上げて北海道へ送りこむパターンがある。坂路の調教時計をチェックし、北海道の2歳Sを狙いたい。
そのとき気をつけなければいけないのは、時計が早ければいいというものではない点。入厩が早ければ、時計は当然詰まる。全入厩馬を1週目に使うわけではないのだから、仕上がりをずらして当たり前。血統・馬体・評判と相談しながらドラフト直前で判断しよう。
みっつめは、ヨーロッパでの2歳購買馬。
パーソナルラッシュやフィールドボンバーはアメリカのトレーニングセールで買われた馬だが、芝の重賞を勝ったコンゴウリキシオー、NHKマイルCで1番人気だったヒューマは、イギリスのタタソールズブリーズアップセール出身。
セールの知名度や価格の安さで人気を落としているものの、このセールは合田氏もいうように本当にお買い得。POG下位指名馬をさがすには最適なんである。サラブレッド取引の世界的中心アメリカには、芝向きの2歳馬も、それを好んで欲しがる購買者もあまりいない。ユニコーンSも期間に入らないダービールールPOGでは、芝適性が重要。だからヨーロッパのトレーニングセールというわけだ。
山内は、ファビラスラフィン・シェルゲームが買われたフランスのドービルセールや、イギリスでも当歳・1歳馬のセールでは馬を仕入れない。狙うはイギリスのトレーニングセールである。今年はタタソールズではなく、ドンカスターのセールで4頭が購入された。要チェックだ。
教訓。
・ POGなら山内馬、須田さんがそう言ってました
・ 山内馬は山内馬でも牝馬、入厩馬、外国産馬をかしこく取れ
・ 入厩馬の時計は気にしすぎるな
・ 外国産馬はヨーロッパのトレーニングセール出身の芝馬を重視
ダンツは最近内国産馬に重点をおいてるのかも。
高嶋=サクセスも悪くないし、コンゴウやロード、ローレルでも走る。山内はあまり馬主で絞らなくていいと思うっす。
むしろ、ダービールールでは社台グループの生産馬を避けるのがポイント。
昔はオレンジピール、ファッションショー、ディスコホール、シーズアチャンスなどが走ってましたが、言われてみると最近の傾向ですね。(._.) φ メモメモ